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2018_11
28
(Wed)15:33

ラヴェル ラ・ヴァルス ニ長調

今日は、来年のリサイタルのプログラムのラヴェルの「ラ・ヴァルス 二長調/Ravel La Valse D-Dur」について書きます。

ラヴェルのラ・ヴァルスは、もともとは、管弦楽のための舞踏詩「ラ・ヴァルス」として、ラヴェルが1919年12月から1920年3月にかけて作曲したオーケストラのための曲です。

ラヴェル自身によってピアノ2台用やピアノ独奏用の作品に編曲されました。

オーケストラのための作品として作曲されたため、弾きにくい所もあり、「ラ・ヴァルス」は、ピアニストには難曲として有名です。

タイトルの「ラ・ヴァルス」とはフランス語で、「ワルツ」のことであり、19世紀末のウインナ・ワルツへの礼賛として着想されました。

ラヴェルは初版の標題に1855年頃のオーストリア宮廷が舞台であると記しております。

ラヴェルは1906年2月批評家マルノルドへの手紙の中で、ヨハン・シュトラウス2世へのオマージュとしてオーケストラのために交響詩風のウインナ・ワルツを書くという構想を披露致しております。

1914年頃には交響詩「ウイーン」というタイトルも出ておりましたが、第1次世界大戦のために未完に終わりました。

1912年の作品「高雅で感傷的なワルツ」はオーケストラによるワルツを実現しているものの、これはシューベルトに倣った連作ワルツのピアノ曲をバレエ曲として管弦楽曲に編曲したものです。

ラ・ヴァルスは原曲に先立ち2台ピアノ版が1920年10月23日ウイーンにおいてカゼッラとラヴェルによって初演され、2ヶ月後の1920年12月12日パリで原曲の管弦楽版が初演されました。

我が師の阿部裕之先生のお得意の曲です。
2018_06
10
(Sun)18:30

ラヴェル 水の戯れ 

マルタ・アルゲリッチ 5:45
https://www.youtube.com/watch?v=EWu5Dn9gaU8
リヒテル 4:40
https://www.youtube.com/watch?v=K6XI7sIz7CU
ギーゼキング 4:44
https://www.youtube.com/watch?v=52E9w7han_g
チョ・ソンジン 5:20
https://www.youtube.com/watch?v=rWMUSTdjf38
シフラ 5:25
https://www.youtube.com/watch?v=LIZRDOUQrME
ペルルミュテール 5:30
https://www.youtube.com/watch?v=GaOQgj7iXJY
阿部裕之 6:14
https://www.youtube.com/watch?v=nElpRmzY6Jk
2018_04
21
(Sat)14:07

ラヴェル作曲ボロディン風に

ラヴェル作曲ピアノ小品「ボロディン風に」という曲について書きたいと思います。

6月24日(日)になら100年会館で行われるコンサートで、私はラヴェル作曲「水の戯れ」と「・・・風に」(シャブリエ風に、ボロディン風に)という曲を演奏致します。

ラヴェルの「ボロディン風に」という曲は、ロシアの5人組と呼ばれるボロディンの作風を、ラヴェルが、パロディー(模倣)して作曲された曲です。

ボロディンとは、ロシア5人組と呼ばれる作曲家の一人で、19世紀後半のロシアで民族主義的な芸術音楽の創造を志向した作曲家たちです。

ミリイ・バラキレフ(1837年 - 1910年)、ツェーザリ・キュイ(1835年 - 1918年)、モデスト・ムソルグスキー(1839年 - 1881年)、アレクサンドル・ボロディン(1833年 - 1887年)、ニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844年 - 1908年)の5人の作曲家たちをロシア5人組と呼びます。

同じロシアの作曲家チャイコフスキーは、西ヨーロッパ風を意識した作風を目指しましたが、ロシア5人組の作曲家はロシアの民族色の濃い作風を好みました。

ボロディンの曲の中で、オーケストラ曲は、一般によく知られていると思います。
ボロディン オペラ<イーゴリ公>よりダッタン人の踊り


ボロディン交響詩 中央アジアの草原にて


ボロディンの曲は、ロシアの雄大さを感じさせ、抒情的でとても美しい曲です。

ラヴェルのボロディン風にと言う曲は、サロン風の短い小品ですが、ヘミオラと呼ばれる3拍子と2拍子が組み合わされた複雑なリズムが使われるなど、ボロディンの作風より、より込み入った作曲技法が使われつつ、ボロディン風の息の長い旋律も残しています。



次回コンサートのご案内

6月24日(日)14時開演
なら100年会館中ホール


曲目 ラヴェル シャブリエ風に、ボロディン風に、水の戯れ
出演 谷 真子(ピアノ・ソロ)

ピアニスト谷真子公式サイトはこちらへ
2017_11
17
(Fri)09:07

ラヴェル シャブリエ風に



先日の大阪・梅田のフェ二ッックスホールでの私が師事しております阿部裕之先生の演奏会で弾かれたアンコールの曲の1曲は、ラヴェルの小品 シャブリエ風にという曲でした。

来年の奈良市定期演奏会で何かプログラムに入れるラヴェルの小品を探すため、演奏会会場で購入致しました先生のCDに書かれた曲目解説を読んでいたところ、この曲はグノーのオペラ「ファウスト」のアリアをラヴェルがシャブリエ風に真似て書いた小品だという事です。

会場の2階席で聴いていて、リスト/グノーのオペラファウストのワルツと言う曲となんとなく似ているなと思って聴いておりましたが、どちらの曲も原曲はグノーのファウストのオペラが基に編曲された曲のようです。

とても親しみやすい洗練されたメロディーで、素敵な曲だと思いました。


ピアニスト谷真子公式サイトはこちらへ