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2015_11
02
(Mon)17:23

第30回国民文化祭(鹿児島市) "オーケストラの祭典"のご紹介~11/3

MESSAGE
モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

鹿児島市で開催されております第30回国民文化祭についてご紹介致します。

11月3日には♪「オーケストラの祭典」♪が行われ、青少年オーケストラと市民オーケストラの3つのオーケストラがプロの指揮者による指導のもとで演奏を致します。

一昨日ご紹介致しました♪指揮者の垣内悠希さん♪も青少年オーケストラとともにストラヴィンスキー「火の鳥」(1919年版)を指揮なさいます。

その練習の模様や指揮者垣内悠希さんへのインタヴューの様子はKTSテレビの特別番組で9/19放送されたそうです。 鹿児島市近辺の方は是非聴きに行かれる事をお勧め致します。




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ストラヴィンスキー組曲「火の鳥」1919年版とストラヴィンスキーピアノ曲「ぺトルーシュカからの3楽章」について書いて見ようと思います。

ストラヴィンスキーは、初期には原始主義と呼ばれる野性的な音楽を書いた作曲家です。ピアノ曲では「ペトルーシュカ」がよく弾かれますが、とても色彩的な曲です。当時ディアギレフ率いるバレエ・リュス(ロシアバレエ団)が、パリ・オペラ座で大成功を収め、そのバレエ曲作曲のためにストラヴィンスキーに作曲を依頼されており、パリの華やかで色彩的な雰囲気が音楽にも溢れています。

<ストラヴィンスキー組曲「火の鳥」1919年版> 
イーゴル・ストラヴィンスキー(1882~1971)は20世紀を代表するロシアの作曲家で、この組曲「火の鳥」1919年版はストラヴィンスキーのバレエ音楽「火の鳥」をストラヴィンスキーが組曲にオーケストレーションしたもので3つある組曲のうち一番良く演奏されるものです。

原典版の「火の鳥」はリムスキー・コルサコフに献呈されており、ロシアの英雄イワン王子を題材としているロシア民話に基ずくバレエ音楽です。

組曲「火の鳥」1919年版は、序奏、火の鳥とその踊り、火の鳥のヴァリアシオン、王女たちのロンド、魔王カスチェイの踊り、子守歌、終曲という構成になっております。

クラウディオ・アバド指揮の♫組曲「火の鳥」1919年版♫にリンク致します。


キーロフバレエ団 「火の鳥」
バレエ 「火の鳥」♫~キーロフバレエ団(No.1)
バレエ 「火の鳥」♫~同上(No.2)
バレエ 「火の鳥」♫~同上(No.3)
バレエ 「火の鳥」♫~同上(No.4)
あらすじ
魔王カスチェイの庭園に幸運の象徴の火の鳥がやってくる。 火の鳥を追って来たイワン王子は火の鳥を捕まえ、火の鳥は自らの黄金の羽をイワン王子に渡し去る。 そこへ魔王カスチェイに魔法にかけられた13人の王女達が現れ一人の王女とイワン王子は恋に落ちる。 王女達は魔王カスチェイのお城に戻りイワン王子はカスチェイに捕まる。 イワン王子は火の鳥からもらった黄金の羽で身を助ける。 火の鳥に命じられイワン王子が魔法の木の根元にあるカスチェイの魂の詰まった大きな卵をたたき割ると魔王カスチェイと魔法の城は消え王女の魔法も消える。 イワン王子と王女は結婚してハッピィエンドを迎える。



+++「火の鳥」ピアノ編曲版+++
ストラヴィンスキー自身のピアノ編曲版もありますが、良く演奏されるものにGuido Agosti編曲のバージョンがあります。 「凶暴な踊り」と「子守歌」と「終曲」の3曲ですが11分くらいの曲です。 演奏と楽譜にリンク致します。

ストラヴィンスキー 「火の鳥」より♫~ピアノ独奏版(アゴスティ編)

ストラヴィンスキー「火の鳥」より 凶暴な踊り、子守歌、終曲 楽譜♪~アカデミア・ミュージック





<ストラヴィンスキー 「ペトルーシュカ」からの3楽章>~ピアノ曲
P1020154.jpg

ストラヴィンスキーが自身のバレエ音楽「ぺトルーシュカ」を基に1921年ピアノ独奏用の曲として編曲した作品です。 第1楽章は「ロシア舞曲」、第2楽章は「ぺトルーシュカの部屋」、第3楽章は「謝肉祭の日」となっております。 ちなみにぺトルーシュカというのはわら人形の名前です。

この作品はピアニストのアルトゥール・ルービンシュタインからの依頼によりストラヴィンスキーが作曲したもので、ロシアの作曲家バラキレフと同じく、ピアニストの技巧を誇示する超難曲となっております。

ストラヴィンスキー ぺトルーシュカからの3楽章 第1楽章♫~エフゲニー・キーシン(ピアノ)
ストラヴィンスキー ぺトルーシュカからの3楽章 第2楽章♫~同上
ストラヴィンスキー ぺトルーシュカからの3楽章 第3楽章♫~同上


キーロフバレエ団 「ペトルーシュカ」
バレエ「ペトルーシュカ」♫~キーロフバレエ団(No.1)
バレエ 「ペトルーシュカ」♫~同上(No.2)
バレエ 「ペトルーシュカ」♫~同上(No.3)
バレエ 「ペトルーシュカ」♫~同上(No.4)
あらすじ
第1場
魔術師に魔法をかけられた3つのパペット(ペトルーシュカ、バレリーナ、ムーア人)が激しいロシア舞曲を踊ります。
第2場
ペトルーシュカの部屋での哀れなペトルーシュカの心が描かれます。
第3場
ムーア人とペトルーシュカの争いが描かれます。
第4場
市場でのお祭り騒ぎの中でムーア人がペトルーシュカを惨殺します。 ぺトルーシュカの亡霊に魔術師は恐れをなし、人間の心を持ちながら人間になれなかったペトルーシュカの心に魔術師は怯えます。


<参考ブログ>
ストラヴィンスキー「兵士の物語」♪
2015_08
25
(Tue)07:57

ストラヴィンスキーの「兵士の物語」

MESSAGE(門下の方はどうか各自の答えを見つけてみて下さい。)
モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

ストラヴィンスキー(1882~1971)の「兵士の物語」を聴かれた事があるでしょうか? 本来は「読まれ、演じられ、踊られる」ユニ-クな新しい音楽のジャンルですが、まずは聴かれた事のない方のためにバレンボイムの音楽にリンク致します。

ストラヴィンスキー「兵士の物語」♫~指揮ダニエル・バレンボイム


登場人物は語り手、悪魔、兵士、王女の4人です。 音楽は7人の室内オーケストラによって演奏されます。 音楽にはストラヴィンスキーの友人のスイスの指揮者アンセルメがアメリカ演奏旅行から帰国した際ストラヴィンスキーに贈ったアメリカのラグタイムやディキシーランド・ジャズの音とリズムの影響があり、ストラヴィンスキーがそれを彼独自の分析で作曲に活かしています。 

台本はアファナシェフというロシアの民族学者の書いたロシア民話集の中の物語からラミューズという小説家が執筆したものですが、第一次世界大戦の直後という時代背景もこの作品の誕生には大きく影響していたようです。

私の所有するCDはコクトー版と呼ばれるものですが、朗読と音楽でパフォーマンスが進んでいきます。 
ストラヴィンスキー兵士の物語コクトー版
(門下の方でご興味のある方はCDお貸し致しますので受付までお尋ねください。)

物語は休暇で故郷に帰る兵士の話ですが、途中悪魔と出会い自分のヴァイオリンと物欲との交換を持ち出されます。 それに応じた兵士は夢のような時を過ごしますが3日のつもりだったのが、実は3年経っていたのです。

周りの状況はすっかり変わっています。 時を悪魔に盗まれたと知った兵士は怒りますが、夢を手に入れた代わりに自分には愛がないのに気付きます。 兵士はすでに楽しんだ物欲をかなぐり捨てバイオリンを取戻し愛する王女も手に入れます。

全てを手に入れようとする兵士に語り手は 「すべてを手に入れる権利はないのだ。 それこそ禁断。 幸福はひとつで充分。 二つとなったら幸福などなくなったのと同じ事。」と告げます。 

しかし兵士は全てを手に入れようと今の自分と昔の自分の二つを手に入れるために王女を連れて昔に帰ろうとします。

答えはこの作品の中では出ていません。 

私は人間の欲望に優劣や貴賤はないのではないかと思っています。 ささやかな事でも自分が欲しいもの何か一つ手に入れられたら人間は幸せなのではないかと思います。 全ての欲望を手に入れる事は不可能なのではないでしょうか。 辛い事、大変な事、厳しい事、そういうやりたくない事はやらないで、楽しい事、嬉しい事、喜ばしい事だけを魔法のように手に入れる事ができるなら良いですが、何かを手に入れるためにはその何倍もの人知れない努力がいるのではないかと思っています。


+++追記+++ 

兵士の物語 ピアノ編曲版 楽譜♪~アカデミア・ミュージック



明日はINFORMATIONの写真のハイドンのシンフォニーについて書こうと思います。 
2015_08
25
(Tue)07:57

ストラヴィンスキーの「兵士の物語」

MESSAGE(門下の方はどうか各自の答えを見つけてみて下さい。)
モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

ストラヴィンスキー(1882~1971)の「兵士の物語」を聴かれた事があるでしょうか? 本来は「読まれ、演じられ、踊られる」ユニ-クな新しい音楽のジャンルですが、まずは聴かれた事のない方のためにバレンボイムの音楽にリンク致します。

ストラヴィンスキー「兵士の物語」♫~指揮ダニエル・バレンボイム


登場人物は語り手、悪魔、兵士、王女の4人です。 音楽は7人の室内オーケストラによって演奏されます。 音楽にはストラヴィンスキーの友人のスイスの指揮者アンセルメがアメリカ演奏旅行から帰国した際ストラヴィンスキーに贈ったアメリカのラグタイムやディキシーランド・ジャズの音とリズムの影響があり、ストラヴィンスキーがそれを彼独自の分析で作曲に活かしています。 

台本はアファナシェフというロシアの民族学者の書いたロシア民話集の中の物語からラミューズという小説家が執筆したものですが、第一次世界大戦の直後という時代背景もこの作品の誕生には大きく影響していたようです。

私の所有するCDはコクトー版と呼ばれるものですが、朗読と音楽でパフォーマンスが進んでいきます。 
ストラヴィンスキー兵士の物語コクトー版
(門下の方でご興味のある方はCDお貸し致しますので受付までお尋ねください。)

物語は休暇で故郷に帰る兵士の話ですが、途中悪魔と出会い自分のヴァイオリンと物欲との交換を持ち出されます。 それに応じた兵士は夢のような時を過ごしますが3日のつもりだったのが、実は3年経っていたのです。

周りの状況はすっかり変わっています。 時を悪魔に盗まれたと知った兵士は怒りますが、夢を手に入れた代わりに自分には愛がないのに気付きます。 兵士はすでに楽しんだ物欲をかなぐり捨てバイオリンを取戻し愛する王女も手に入れます。

全てを手に入れようとする兵士に語り手は 「すべてを手に入れる権利はないのだ。 それこそ禁断。 幸福はひとつで充分。 二つとなったら幸福などなくなったのと同じ事。」と告げます。 

しかし兵士は全てを手に入れようと今の自分と昔の自分の二つを手に入れるために王女を連れて昔に帰ろうとします。

答えはこの作品の中では出ていません。 

私は人間の欲望に優劣や貴賤はないのではないかと思っています。 ささやかな事でも自分が欲しいもの何か一つ手に入れられたら人間は幸せなのではないかと思います。 全ての欲望を手に入れる事は不可能なのではないでしょうか。 辛い事、大変な事、厳しい事、そういうやりたくない事はやらないで、楽しい事、嬉しい事、喜ばしい事だけを魔法のように手に入れる事ができるなら良いですが、何かを手に入れるためにはその何倍もの人知れない努力がいるのではないかと思っています。


+++追記+++ 

兵士の物語 ピアノ編曲版 楽譜♪~アカデミア・ミュージック



明日はINFORMATIONの写真のハイドンのシンフォニーについて書こうと思います。