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2018_06
15
(Fri)14:17

ハイドン オラトリオ 天地創造

9月16日、兵庫県立芸術文化センターへ佐渡裕さん指揮のハイドンのオラトリオ「天地創造」を聴きに行きます。

母から勧められて一緒に聴きにいくのですが、楽しみにしております。

母のFBから、天地創造について拝借しました。

天地創造とはキリスト教の旧約聖書の「創世記」における神による天地創造の物語の事で、よく宗教画などでモチーフにされているものです。

創世記の冒頭には次のように書かれています。

初めに神は天と地を創造された。

さて、地は形がなく、荒漠としていて、闇が水の深みの表にあった。 そして、神の活動する力が水の表を行きめぐっていた。

それから神は言われた、「光が生じるように」。すると光があるようになった。そののち神は光を良いとご覧になった。 そして神は光と闇との区分を設けられた。

そして神は光を昼と呼ぶことにし、闇のほうを夜と呼ばれた。こうしてタとなり、朝となった。一日目である。

次いで神は言われた、 「水の間に大空が生じ、水と水の間に区分ができるように」。そうして神は大空を造り、大空の下に来る水と大空の上方に来る水とを区分してゆかれた。 そしてそのようになった。 そして神は大空を“天と呼ぶことにされた。 こうしてタとなり、朝となった。二日目である。

1日目 神は天と地をつくられた(つまり、宇宙と地球を最初に創造した)。暗闇がある中、神は光をつくり、昼と夜ができられた。
2日目 神は空(天)をつくられた。
3日目 神は大地を作り、海が生まれ、地に植物をはえさせられた。
4日目 神は太陽と月と星をつくられた。
5日目 神は魚と鳥をつくられた。
6日目 神は獣と家畜をつくり、神に似せた人をつくられた。
7日目 神はお休みになった。

日曜日が休日のしきたりはキリスト教のこの信仰から生まれたものですが、ヨーロッパではこういう宗教上の理由から、休日はお店がお休みだったり、騒音を立てると厳しくとがめられたり、また日曜日は礼拝の日と定められていたりします。

さてハイドンのオラトリオの天地創造はこの物語を音楽で表現したもので、絵で見るより分かりにくいですが、、ハイドンが2度目のロンドン滞在を終えてウイーンに帰ってきた後の、1796年から1798年にかけて作曲されました。

旧約聖書の「創世記」第1章とミルトンの「失楽園」を元にして書かれた英語の台本のドイツ語訳にハイドンが作曲したものです。

ミルトンの「失楽園」は旧約聖書の「創世記」第3章を描いたものですが、アダムとイヴの楽園追放のテーマで有名です。

今でも、ウイーンでは新年の初めの演奏会に恒例として演奏されます。



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2016_12
31
(Sat)08:57

ハイドン ピアノ三重奏曲 ト長調 Hob.XV-25 Op.73-2(ランドン版 39番)

ハイドンはピアノ三重奏曲をおよそ45曲作っておりますが、その中でもHob.XV-25は明るくさわやかな演奏効果の高い曲で良く演奏されます。

作曲されたのはハイドンがロンドン滞在中の1795年です。

ハイドンのクラヴィーア3重奏曲は、初期・中期・後期に別れていますが、初期は、ハイドンの若い1760年頃、モルツィン伯爵の下に出入りしていた時期の作品です。 タイトルはディベルティメントとなっていて、クラヴィーアのパートは明らかにチェンバロを想定して書かれております。

そして約20年後、エステルハージ侯爵の時代の後半に書かれた作品群が中期で、その後ロンドン時代に書かれた作品群が後期です。 ロンドン時代の作品はクラヴィーアのパートは明らかにピアノフォルテ用に書かれております。

第1楽章 アンダンテ ト長調 2/4拍子
ピアノが優しい調べで始まり、ヴァイオリンと温もりある対話をしているかのようです。
第2楽章 ポコ・アダージョ ホ長調 3/4拍子
ピアノの素朴な調べは郷愁を誘い深く共鳴するものがあり慰めを感じる調べとして響いてきます。
第3楽章 フィナーレ:ハンガリー風のジプシー・ロンド
プレスト ト長調 2/4拍子
ピアノ、ヴァイオリン、チェロが喜びを分かち合うように、生き生きと明朗軽快に展開していきます。

第3楽章から通称「ジプシー・ロンド」とも呼ばれます。

ハイドン ピアノ三重奏曲 ト長調♫~コルトー



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2016_09
23
(Fri)11:17

ハイドン チェンバロ(ピアノ)協奏曲 第11番 ニ長調/Haydn Concert per il clavicembalo o fortepiano D-Dur Hob.XVIII-11 Op.21

ハイドンのピアノ協奏曲第11番ニ長調は私が小学校4年生の時、二度目のコンチェルトで演奏した曲ですが明るくさわやかな曲です。

ハイドン ピアノ協奏曲 ニ長調 第1楽章♫~谷真子(小4)

ハイドンは10曲余りのクラヴィーアのための協奏曲を書いていますが、実際に今日演奏される機会があるのは、このニ長調の協奏曲のみです。 出版は1784年にハイドンの指示によってアルタリア(ウィーン)から行われています。 表題はクラヴィチェンバロ、またはフォルテピアノ用の協奏曲と記載されていますが、この当時ハイドンはハンマークラヴィーアは所有していなかったものと思われます。

楽曲はチェンバロでもピアノでも演奏が可能ですが、内容的にはクラヴィーア曲を盛んに書いていたモーツァルトを意識していると思われます。

そもそもハイドンの前半生では鍵盤楽器といえばオルガンかチェンバロ(ハープシコード、クラヴサンと同じ)で、1780年代になってやっと今のピアノフォルテに近いいわゆるピアノが使われるようになりました。 ただ、この曲はピアノを念頭に作曲されたと思われます。 基本的にはこれらの内のどの鍵盤楽器で演奏しても構いません。

第1・第2楽章にはハイドン自身のカデンツァが存在します。

ハイドン ピアノ協奏曲 ニ長調♫~スコダ
ハイドン ピアノ協奏曲 ニ長調♫~プレトニョフ
ハイドン ピアノ協奏曲 ニ長調♫~リヒテル
ハイドン ピアノ協奏曲 ニ長調♫~ギレリス
ハイドン ピアノ協奏曲 ニ長調♫~アルゲリッチ
ハイドン ピアノ協奏曲 ニ長調♫~ミケランジェリ
ハイドン ピアノ協奏曲 ニ長調♫~ラローチャ


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2016_07
11
(Mon)10:35

ハイドン アンダンテと変奏曲 へ短調 Hob.XVII-6/Haydn Andante con variazioni f-moll Hob.XVII-6 Op.83

「アンダンテと変奏曲 へ短調」はハイドン(1732~1809)が1793年に作曲したピアノ曲です。

1789年ハイドンはウイーンの貴族マリアンネ・フォン・ゲンツィンガー夫人の知己を得ます。 ゲンツィンガー夫人はハイドンの音楽の信奉者で二人は手紙を通じて友情を育んでいきます。

1790年ハイドンは主の死によってエステルハージ家の宮廷音楽家の職から解放されます。

ウイーンに出たハイドンはウイーンの社交界に迎え入れられゲンツィンガー夫人との友情はより深いものとなります。

しかしハイドンが第1回目のロンドン旅行からウイーンに戻った翌年の1793年にゲンツィンガー夫人は36歳という若さでこの世を去ってしまいます。

アンダンテと変奏曲はこの夫人の死をきっかけに書かれたというのがこの作品についての最も有名な説です。

哀愁漂うへ短調の第1主題と愛らしいヘ長調の第2主題からなる二重変奏曲で最後のコーダの部分の激しさからは愛する人を失った悲しみが感じられます。

またもう一つのエピソードとしてモーツァルトの死を悲しんで書かれたのではという説もあります。

ハイドンは1781年モーツァルトがウイーンに居を定めて以来親密な交際を続けておりましたが、ハイドンが第1回目のロンドン旅行に発ったその日にモーツァルトは亡くなります。 筆写譜にはモーツァルトの高弟の一人のプロイアー夫人に捧ぐと記されておりモーツァルトの死を悼んでこの作品をモーツァルトの愛弟子に捧げたというのもうなずけるエピソードです。

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ハイドン アンダンテと変奏曲♫~ブレンデル
ハイドン アンダンテと変奏曲♫~パウル・バトゥーラ・スコダ
ハイドン アンダンテと変奏曲♫~シフ
ハイドン アンダンテと変奏曲♫~ラ・ローチャ
ハイドン アンダンテと変奏曲♫~プレトニョフ
ハイドン アンダンテと変奏曲♪~ハスキル
ハイドン アンダンテと変奏曲♪~パデレフスキー
ハイドン アンダンテと変奏曲♪~バックハウス
ハイドン アンダンテと変奏曲♪~エゴン・ペトリ



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2016_05
04
(Wed)08:55

ハイドン ピアノ・ソナタ Hob.XVI-37 二長調(ウイーン原典版/ランドン版第50番) 作品30-3/Haydn Sonate fur Klavier Nr.50 D-Dur Hob.XVI-37 Op.30-3

この曲は今年の第70回全日本学生音楽コンクールの小学校の部の本選の課題曲の一つとなっております。

正確な作曲年は不明ですが、出版は1780年にHob.XVI/35~39までの作品から成る「ソナタ集第1巻Op.30」としてウイーンで出版されております。 このソナタ集はアウエンブルッガー姉妹に献呈されております。

ハイドンらしさに溢れた曲で1楽章は大変快活なフレーズで2楽章は荘厳な雰囲気、3楽章はハイドンらしい素朴で無邪気な曲です。

1楽章と3楽章は二長調で2楽章はニ短調で書かれておりますが、ハイドン(1732~1809)のソナタにはニ短調は存在せず、2楽章がニ短調の曲がわずか3曲残っているだけです。

1楽章 アレグロ・コン・ブリオ
1

2楽章 ラルゴ・エ・ソステヌート
2

3楽章 フィナーレ
3

ハイドン ピアノソナタ第50番♫~コブリン
ハイドン ピアノソナタ第50番♫~ワイセンベルク
ハイドン ピアノソナタ第50番♫~エッシェンバッハ
ハイドン ピアノソナタ第50番♫~リリー・クラウス

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イングリッド・ヘブラー



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