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2017_07
09
(Sun)10:00

バッハ 4つのデュエット/Bach 4Duette BWV802-805

バッハの4つのデュエットは2声の鍵盤楽器音楽ですが、1739年出版のオルガン・コラール集の「クラヴィーア練習曲集第3巻」に収録されています。

4つのデュエットの4は「地水風火」の四大元素を表すという説もありますが、オルガン・コラール集になぜクラヴィーア作品が入っているのかは確かな事は分かっていません。


バッハ 4つのデュエット~リヒテル


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2016_08
29
(Mon)10:27

バッハ ゴルトべルク変奏曲(アリアと30の変奏曲) ト長調/J.S.Bach Goldberg-Variationen Aria mit verschiedenen Veranderungen G-Dur BWV988

ゴルトベルク変奏曲はバッハ(1685~1750)によるアリアと30の変奏曲から成る2段の手鍵盤のチェンバロのための練習曲です。

全4巻からなる「クラヴィーア練習曲集」の第4巻であり1742年に出版されました。

バッハ自身の表題は「2段鍵盤付きクラヴィチェンバロのためのアリアと種々の変奏」となっております。

ゴルトベルク変奏曲というのは俗称で、バッハが音楽を手ほどきしたゴルトベルクが不眠症に悩むドレスデンの延臣カイザーリンク伯爵のためにこの曲を演奏したと言う逸話からこの俗称が付けられましたが、演奏には高度な技術を必要としゴルトベルクは当時まだ14歳であったことから、この逸話については懐疑的な見方が多くあります。

ピアノが主流となった時代から20世紀初頭まで演奏されることは少なかったですが、ランドフスカのモダンチェンバロによる演奏録音やグールドのデビュー録音によって世界的なヒットとなり広く知られるようになりました。

バッハ ゴルトベルク変奏曲♫~シフ
バッハ ゴルトベルク変奏曲♫~ニコライエワ
バッハ ゴルトベルク変奏曲♫~ランドフスカ(チェンバロ)
バッハ ゴルトベルク変奏曲♫~レオンハルト(チェンバロ)


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2016_07
15
(Fri)08:15

バッハ 3声のインヴェンション(シンフォニア) 第3番 二長調 BWV789/Bach Sinfonia D-Dur BWV789

インヴェンションとシンフォニア BWV 772-801(Inventionen und Sinfonien BWV 772-801)は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685~1750)が作曲したクラヴィーアのための曲集でケーテン時代の1723年頃の作品です。 同年、バッハは聖トーマス教会音楽監督(トーマスカントル)に就任しておりライプツィヒ時代には教育目的のクラヴィーア曲が多数作曲されました。

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長男のために編まれた「ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集(Klavierbüchlein für Wilhelm Friedemann Bach)」(1720年頃)の後半部に初稿があり、同書の前半部には「平均律クラヴィーア曲集第1巻」(1722年)の初稿が含まれております。 初稿の曲名は「プレアンブルム」(Praeambulum, 32-46曲, 36-51頁)と「ファンタジア」(Fantasia, 49-62曲, 58-73頁, 72-73頁散逸)でした。

インヴェンションは2声部の、シンフォニアは3声部の、対位法的な書法による様々な性格の小曲です。 シンフォニアは「3声のインヴェンション」と呼ばれることもあります。

演奏だけでなく、作曲も視野に入れた優れた教育作品として、現在も高く評価されており、現代のピアノ学習者のための教材としても広く用いられております。 

シンフォニアはほとんどがフーガ書法で書かれておりますがフーガに独特の累加的な始まり方をするものが全くなく、これは学習用の小品という意図に見合った短い主題を、やはり短い1曲の中でできるだけ多様に展開するためと、響きが硬くなるのを避けるためと考えられます。

部分的には三重対位法が用いられており主題の反行や転回によって多様な組み合わせが現れます。

15曲の調は2声インベンションと同じ配列で並べられておりおそらく実践で用いられる頻度に応じて選ばれたものと思われます。

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第3番 ニ長調 BWV 789は4分の4拍子で、冒頭で下属調の第4音であるCが出てくるため、あたかもト長調であるかのような印象を受けます。 平行3度の音階、複雑な左右の受け渡しが発生するストレッタなど、高度な技巧が要求されます。

バッハ シンフォニア 第3番♫~シフ
バッハ シンフォニア 第3番♫~ギーゼキング
バッハ シンフォニア 第3番♫~グ―ルド
バッハ シンフォニア 第3番♫~ハープシコード


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2016_07
15
(Fri)08:15

バッハ 3声のインヴェンション(シンフォニア) 第3番 二長調 BWV789/Bach Sinfonia D-Dur BWV789

インヴェンションとシンフォニア BWV 772-801(Inventionen und Sinfonien BWV 772-801)は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685~1750)が作曲したクラヴィーアのための曲集でケーテン時代の1723年頃の作品です。 同年、バッハは聖トーマス教会音楽監督(トーマスカントル)に就任しておりライプツィヒ時代には教育目的のクラヴィーア曲が多数作曲されました。

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長男のために編まれた「ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集(Klavierbüchlein für Wilhelm Friedemann Bach)」(1720年頃)の後半部に初稿があり、同書の前半部には「平均律クラヴィーア曲集第1巻」(1722年)の初稿が含まれております。 初稿の曲名は「プレアンブルム」(Praeambulum, 32-46曲, 36-51頁)と「ファンタジア」(Fantasia, 49-62曲, 58-73頁, 72-73頁散逸)でした。

インヴェンションは2声部の、シンフォニアは3声部の、対位法的な書法による様々な性格の小曲です。 シンフォニアは「3声のインヴェンション」と呼ばれることもあります。

演奏だけでなく、作曲も視野に入れた優れた教育作品として、現在も高く評価されており、現代のピアノ学習者のための教材としても広く用いられております。 

シンフォニアはほとんどがフーガ書法で書かれておりますがフーガに独特の累加的な始まり方をするものが全くなく、これは学習用の小品という意図に見合った短い主題を、やはり短い1曲の中でできるだけ多様に展開するためと、響きが硬くなるのを避けるためと考えられます。

部分的には三重対位法が用いられており主題の反行や転回によって多様な組み合わせが現れます。

15曲の調は2声インベンションと同じ配列で並べられておりおそらく実践で用いられる頻度に応じて選ばれたものと思われます。

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第3番 ニ長調 BWV 789は4分の4拍子で、冒頭で下属調の第4音であるCが出てくるため、あたかもト長調であるかのような印象を受けます。 平行3度の音階、複雑な左右の受け渡しが発生するストレッタなど、高度な技巧が要求されます。

バッハ シンフォニア 第3番♫~シフ
バッハ シンフォニア 第3番♫~ギーゼキング
バッハ シンフォニア 第3番♫~グ―ルド
バッハ シンフォニア 第3番♫~ハープシコード


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2015_11
28
(Sat)06:54

バッハ パルティータ

MESSAGE
モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

パルティータという言葉はイタリア語がオリジナルで17世紀には変奏曲の意味で使われておりましたが、18世紀ドイツでは共通のモティーフによって統一性を持って構成された組曲という意味で使われておりました。

1731年「クラヴィーア練習曲集第1巻 作品1」として、6つのパルティータをバッハは再度改訂しまとめて1冊の曲集として出版致しました。 1726年にライプツィヒで第1番を、1727年に第2番と第3番を、1728年に第4番を、1730年に第5番と第6番を別々にすでに出版致しておりましたが、「パルティータ」はバッハの作品の中で初めて出版されたものでもあります。

「パルティータ」は「フランス組曲」、「イギリス組曲」とある一連のクラヴィーア組曲集の集大成とも言え、また「平均律クラヴィーア曲集第2巻」や「ゴールドベルク変奏曲」とともにクラヴィーア曲集の最高峰とも言えるのではないかと思います。

導入楽章を持つのはイギリス組曲と共通しておりますが、イギリス組曲は導入楽章がプレリュードと名称が同じなのに比べ、パルティータは導入楽章の名称が異なっております。 また古典舞曲にもイタリア式の割合が増えイタリア趣味ではありますが、構成感覚は非常に堅牢でバロック組曲の総括として古くは「ドイツ組曲」とも呼ばれていたようです。

第1番はプレリューディウム、アルマンド、コレンテ、サラバンド、メヌエット1、メヌエット2、ジ―ガ(バッハはここで初めて左右の手が交差する奏法を使用)、第2番はシンフォニア、アルマンド、クーラント、サラバンド、ロンドー、カプリッチョ、第3番はファンタジア、アルマンド、コレンテ、サラバンド、ブルレスカ、スケルツォ、ジーグ、第4番はウ―ヴァテューレ、アルマンド、クーラント、アリア、サラバンド、メヌエット、ジーグ、第5番はプレアンブルム、アルマンド、コレンテ、サラバンド、テンポ・ディ・ミヌエッタ、パスピエ、ジーグ、第6番はトッカータ、アレマンダ、コレンテ、エール、サラバンド、テンポ・ディ・カヴォッタ、ジーグとなっています。

参考ブログ
バッハ フランス組曲とイギリス組曲



ではアシュケナージ、コヴァセヴィッチの演奏にリンク致します。

バッハ パルティータ第1番、第2番、第3番♫~アシュケナージ
バッハ パルティータ第4番♫~コヴァセヴィッチ
バッハ パルティータ第5番♫~アシュケナージ
バッハ パルティータ第6番♫~アシュケナージ

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6つのパルティータ ヘンレ版

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6つのパルティータCD~イエルク・デームス


明日はシューマンの「交響的練習曲」について書きます。