ブラームス 2つのラプソディ Op.79-1/Brahms 2 Rhapsodien Op.79-1

ブラームス(1833~1897)の2つのラプソディはブラームスが46歳、1879年に作曲したピアノ独奏曲で、Op.79-1とOp.79-2の2曲から成っております。

ブラームスは1877年から1879年にかけて夏の間オーストリア南部のペルチャッハという町で過ごし、2つのラプソディを書き上げます。 ぺルチャッハはヴェルダー湖のほとりにあるアルプスの山々に囲まれた保養地ですが、ブラームスもその地を好み、クララ・シューマンにもその美しさを書き送っております。 ブラームスは3回目の滞在の1879年の夏に2つのラプソディOp.79を作曲し、翌1880年には自身によって初演をしております。

またかつての弟子のエリーザベト・フォン・シュトックハウゼンに献呈されております。

ブラームスは1850年代初期にピアノ・ソナタを3曲作曲、その後パガニーニの主題による変奏曲などの変奏曲に取り組み、1860年~1870年にかけてはハンガリー舞曲集等の連弾作品があります。

その後、2つのラプソディを作曲しますが、これ以降はピアノ作品には手を付けず、1892年になってピアノ小品を作曲します。

ラプソディは古代ギリシャ吟遊詩人の歌を指しますが、音楽的には自由奔放な形式で民族的または叙事詩的な内容を表現した楽曲を意味します。

ブラームス 2つのラプソディ Op.79-1♫~アルゲリッチ
ブラームス 2つのラプソディ Op.79-1♫~ルービンシュタイン
ブラームス 2つのラプソディ Op.79-1♫~ペライア
ブラームス 2つのラプソディ Op.79-1♫~シフラ


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ブラームス ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 作品25

ブラームス(1833~1897)のピアノ四重奏曲はピアノとヴァイオリン、ヴィオラ、チェロによる四重奏で、ブラームス30歳前の若かりし頃の作品です。

1855年頃に作曲に着手されましたがしばらく放置され完成は1861年で、初演は1861年11月16日ハンブルクでクララ・シューマンらによって行われました。 同時期に作曲に着手された曲にピアノ協奏曲第1番があります。

1937年、シェーンベルクによって管弦楽版に編曲されております。
ブラームス=シェーンベルク ピアノ四重奏曲第1番 第4楽章から♫~ベルリン・フィル映像
ブラームス=シェーンべルク ピアノ四重奏曲第1番 全楽章♫~ベルリン・フィル

第1楽章 Allegro
ト短調、ソナタ形式。 哀しげな第1主題と平穏な第2主題から構成されております。
ブラームス ピアノ四重奏曲第1番 第1楽章♫~ルービンシュタイン

第2楽章 Intermezzo
間奏曲。ハ短調。 美しい流れるようなメロディーが続きます。
ブラームス ピアノ四重奏曲第1番 第2楽章♫~ルービンシュタイン

第3楽章 Andante con moto
変ホ長調。 緩やかなメロディーで始まり、中間部では堂々と奏されます。 その後最初のメロディーに戻って静かに終わります。
ブラームス ピアノ」四重奏曲第1番 第3楽章♫~ルービンシュタイン

第4楽章 Rondo alla Zingarese
ト短調。 「ジプシー風ロンド」です。 ジプシーを思わせる情熱的な第1主題と、堂々とした第2主題によるロンドです。 最後は第1主題に戻り熱狂的に終わります。
ブラームス ピアノ四重奏曲第1番 第4楽章♫~ルービンシュタイン

ブラームス ピアノ四重奏曲第1番♫~チョ・ソンジン
ブラームス ピアノ四重奏曲第1番 第4楽章♫~アルゲリッチ


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ブラームス 4つの小品 作品119/Brahms 4 Stucke Op.119

「4つの小品作品119」はブラームス(1833~1897)が1893年に作曲したピアノ独奏のための性格的小品集です。

ブラームスが作曲した最後のピアノ独奏作品です。

第1曲は1893年5月に残りの3曲は1893年6月に着手されオーストリアのバート=イシュルでのブラームスの夏の休暇中に完成しております。

初演は1894年3月7日ロンドンでアイベンシュタッツのピアノにより作品118と合わせて演奏されております。

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第1曲 間奏曲 ロ短調
1
決して悲観的でも絶望的でもなくすべての感情を超えた穏やかさが感じられます。

第2曲 間奏曲 ホ短調
2
近く訪れるであろう死への漠然とした不安を感じさせる曲です。 中間部は天国で来るであろうな宗教的な達観を感じさせるシンプルな曲です。

第3曲 間奏曲 ハ長調
3
テーマは東洋的な五音音階で作られていますが、ドイツ的な生真面目さを併せ持った「giocoso」です。

第4曲 狂詩曲 変ホ長調
4
堂々としたファンファーレのような重厚な和音によるテーマで幕を開け非常に交響的な曲です。 最後は重々しい変ホ短調で劇的に終わります。

ブラームス 4つの小品♫~ケンプ
ブラームス 4つの小品♫~ぺライア
ブラームス 4つの小品♫~ルプー
ブラームス 4つの小品♫~リヒテル
ブラームス 4つの小品♫~シフ
ブラームス 4つの小品♫~ルドルフ・ゼルキン


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ブラームス 6つの小品 Op.118/Brahms 6 Stucke Op.118

「ピアノのための6つの小品作品118」は1893年に完成したブラームス最晩年のピアノ小品集です。 存命中に出版された最後から2番目の作品でクララ・シューマンに献呈されております。

ブラームスは初期・中期のオーケストラをそのままピアノに移したような雄大な曲想のソナタ・変奏曲を多く書いた後で、1871年の「8つの小品作品76」から「4つの小品作品119」まで5つの小品集を書いております。

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第1曲 間奏曲
1
ブラームス特有の音域の広い和声が非常に美しいです。

第2曲 間奏曲
2
単独で演奏される事が多い作品です。
ブラームス 6つの小品 Op.118-1,2♫~キーシン

第3曲 バラード
3
力強い和音による情熱的な曲です。

第4曲 間奏曲
4
ブラームス 6つの小品 Op.118-3,4♫~キーシン

第5曲 ロマンス
5
タイトルの「ロマンス」の通り甘い曲想の作品です。
ブラームス 6つの小品 Op.118-5♫~キーシン

第6曲 間奏曲
6
暗い曲想の作品で最後は疲れ果てたように静けさの中で終わります。
ブラームス 6つの小品 Op.118-6♫~キーシン

ブラームス 6つの小品♫~シフ
ブラームス 6つの小品♫~ぺライア
ブラームス 6つの小品♫~ルプー
ブラームス 6つの小品♫~グリモー


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ブラームス 3つの間奏曲 作品117/Brahms 3 Intermezzi Op.117

ブラームス(1833~1897)の初期の作品は大規模でエネルギッシュなものが多いですが、晩年は内省的な小品を多く作曲しております。

3つの間奏曲作品117はブラームスが1892年に作曲したピアノ独奏曲ですが、3曲ともブラームスの晩年の小品の特徴を備えております。

作品117の3曲はいずれも対位法的な処理が美しく神秘的な雰囲気をたたえております。

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第1曲 アンダンテ・モデラート 変ホ長調
1
楽譜の冒頭にスコットランドの子守歌が添えられており音楽的にも子守歌的な作風です。
ブラームス 3つの間奏曲 Op.117-1♫~ケンプ

第2曲 アンダンテ・ノン・トロッポ・エ・コン・モルタ・エスプレッシオーネ 変ロ短調
2
簡素な印象の中に巧妙かつ複雑な対位法的書法がなされており難曲です。
ブラームス 3つの間奏曲 Op.117-2♫~ケンプ

第3曲 アンダンテ・コン・モート 嬰ハ短調
3
ブラームス 3つの間奏曲 Op.117-3♫~ケンプ


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ブラームス 7つの幻想曲 Op.116/Brahms Fantasien Op.116

「7つの幻想曲Op.116」は1892年の夏、ブラームス59歳の時に作曲を完成したピアノ曲集で、1879年に作曲された「2つのラプソディ」以来12年ぶりのピアノ曲です。

7曲の内のいくつかは1892年までにすでに書き上げられていたと思われますが、これに続いて同年の夏までにOp.117,118,119というブラームスの集大成ともいえる傑作群の3つの曲集を作曲しております。

作曲当時、友人や身内の死からの衝撃で、作品には暗く沈んだ気分が反映されており、晩年の孤独と諦観が描き出されております。

出版は1892年の11月ベルリンのジムロック社から出版されました。

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第1曲 奇想曲
1
エチュード風の作品です。
ブラームス 幻想曲集 Op.116-1♫~キーシン

第2曲 間奏曲
2
幻想的な雰囲気を持つ作品です。
ブラームス 幻想曲集 Op.116-2♫~キーシン

第3曲 奇想曲
3
ブラームスの晩年の技巧をよく示していることで有名な作品です。
ブラームス 幻想曲集 Op.116-3♫~キーシン

第4曲 間奏曲
4
ノクターン風の作品です。
ブラームス 幻想曲集 Op.116-4♫~キーシン

第5曲 間奏曲
5
強拍に音をおかないで独特の雰囲気を生み出しています。
ブラームス 幻想曲集 Op.116-5♫~キーシン

第6曲 間奏曲 
6
優しい雰囲気を持った曲です。
ブラームス 幻想曲集 Op.116-6♫~キーシン

第7曲 奇想曲 
7
右手と左手が逆に進行する印象的な作品です。
ブラームス 幻想曲集 Op,116-7♫~キーシン


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ブラームス 8つの小品 Op.76/Brahms 8 Stucke Op.76

「8つの小品」はブラームスが作曲したピアノの為の性格的小品集です。

1878年の夏頃、オーストリアの避暑地ペルチャッハで作曲されましたが、第1曲の初稿のみ1871年に書かれております。

1879年10月22日第2曲だけイグナーツ・ブリュルによって先行して作曲され、全曲の初演は10月29日ベルリンでハンス・フォン・ビューローによって行われました。

ピアノ独奏曲は「ワルツ集」の独奏版以来13年ぶりの出版でしたが、この頃シューマンやショパンの作品の校訂をブラームスが行った事がピアノ曲の作曲の要因になったのではないかと思われます。

ブラームスの「後期」への入り口にあたる作品とされております。

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第1曲 奇想曲
1
1871年9月13日のクララ・シューマンの誕生日に贈られたとされております。
ブラ―ムス 8つの小品 Op.76-1♫~ケンプ

第2曲 奇想曲
2
スタッカートを中心にした軽快な作品で演奏機会も多いです。
ブラームス 8つの小品 Op.76-2♫~ケンプ

第3曲 間奏曲
3
ブラームス 8つの小品 Op.76-3♫~ケンプ

第4曲 間奏曲
4
ブラームス 8つの小品 Op.76-4♫~ケンプ

第5曲 奇想曲
5
この曲集の中では規模の大きい部類に入りピアノの技巧的にも比較的難度のある曲です。
ブラームス 8つの小品 Op.76-5♫~ケンプ

第6曲 間奏曲
6
ポリリズムが用いられた落ち着いた作品です。
ブラームス 8つの小品 Op.76-6♫~ケンプ

第7曲 間奏曲
7
ブラームス 8つの小品 Op.76-7♫~ケンプ

第8曲 奇想曲
8
華やかなピアニスティックな作品です。
ブラームス 8つの小品 Op.76-8♫~ケンプ


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ブラームス パガニーニの主題による変奏曲 イ短調 作品35/Brahms Variationen uber ein Thema von Paganini a-moll Op.35

「パガニーニの主題による変奏曲」はブラ―ムス(1833~1897)が1862年から1863年にかけて作曲したピアノ独奏曲です。

1865年11月にブラームス自身によってチューリッヒにおいて初演されました。

パガニーニの有名な「カプリッチョ第24番イ短調」を主題とした変奏曲です。

パガニーニ 24の奇想曲 第24番♫~ハイフェッツ

*****パガニーニ 24の奇想曲 第24番*****
ニコロ・パガニーニのヴァイオリン独奏曲の「24の奇想曲 作品1」の最終曲第24番です。 全曲をまとめるのにふさわしい華々しい変奏曲で、主題と11の変奏曲それに終曲が付きます。 主題はわずか16小節ですが、ロマン派作曲家が競ってピアノ作品に改作・編曲しております。


1862年ブラームスは生活の本拠をウイーンに移しました。 そこで彼はリストの弟子の名ピアニスト、タウジッヒ(1841~1871)の技巧に魅了され親交を結びます。 そのタウジッヒがパガニーニの主題による華やかな変奏曲を書かないかとブラームスに提案しますが、シューマンの作品3や作品10、リストのパガニーニの主題による練習曲を見てそのような練習曲を作ってみたいと考えていたブラームスはタウジッヒの提案を受け変奏曲を作曲いたします。

リストの門下のタウジッヒの提案で作曲された上、もともと練習曲として構想された事もあり、超絶技巧の難曲となっております。(初版の表紙には変奏曲の横に小さく練習曲と書かれておりました。)

弟子のピアニスト、シュトックハウゼンに献呈されております。

2巻に分けられておりそれぞれパガニーニの主題の後に13の変奏が続いております。 それぞれの最後に超絶技巧を要する華麗で長めの終曲が置かれております。

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第1巻
1

2

第2巻
3

4

ブラームス パガニーニの主題による変奏曲♫~キーシン
ブラームス パガニーニの主題による変奏曲♫~ミケランジェリ
ブラームス パガニーニの主題による変奏曲♫~シフラ


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ブラームス ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 変ロ長調 作品24/Brahms Variationen und Fuge uber ein Thema von Handel B-Dur Op.24

「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ」はブラームス(1833~1897)が1861年に作曲したピアノ独奏曲です。

当時28歳のブラームスがハンブルク近郊のハムで書いた作品で出版されたもののうち、唯一のフーガ作品を伴う大曲です。

初演は1861年12月7日ハンブルクにてクララ・シューマンによって演奏され、出版は翌1862年に出版されました。

バッハの「ゴルトベルク変奏曲」、ベートーヴェンの「ディアべり変奏曲」、シューマンの「交響的練習曲」と並ぶ音楽史上の変奏曲を代表する作品です。

主題と25の変奏とフーガから成り主題はヘンデルの「クラヴィーア組曲第2巻第1番変ロ長調HWV434 3.アリアと変奏」からとられております。
ヘンデル クラヴィーア組曲第2巻第1番変ロ長調HWV434♫~シフ

変ロ長調を基本としながらも第5、第6、第13変奏で変ロ短調を用い、第21変奏ではト短調が用いられております。
テーマ
1

第5変奏
2

第6変奏
3

第13変奏
4

第21変奏
5

ブラ―ムスがヘンデルやバッハ等のバロック音楽を熱心に研究しさらにそれに独自の個性を打ち立てた成果が反映されております。

1864年ウイーンに滞在したワーグナーのもとを訪れた際、ワーグナーが「古いものでも熟達した作曲家の手にかかると新鮮なものになるものだ」と感激したというエピソードが残っております。

ブラ―ムス ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ♫~ケンプ
ブラ―ムス ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ♫~リヒテル
ブラームス ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ♫~アラウ
ブラームス ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ♫~ぺライア
ブラ―ムス ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ♫~チェルカスキー
ブラームス ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ♫~コヴァセヴィッチ
ブラ―ムス ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ♫~イヴ・ナット


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ブラームス ハンガリーの歌の主題による変奏曲 ニ長調 作品21-2/Brahms Variationen uber ein ungarisches Lied D-Dur Op.21-2

1853年ハンガリー系ヴァイオリニストの友人レメーニと演奏旅行に出かけたブラームスは、多分その際に知ったと思われる主題をもとに1856年までに13の変奏とコーダを持つ「ハンガリーの歌の主題による変奏曲」を書きます。

出版は1862年ジムロック社から出版されております。

主題は3/4拍子と4/4拍子が1小節ごとに交代した独特のリズム感です。
1

この拍子は第8変奏まで保たれ、第9変奏では6/8拍子に変わります。
2

第10変奏では2/4拍子に変わります。
3

その後チャールダーシュ風のコーダに向かって進みロンド風のコーダの後、再び主題に回帰して曲は終わります。
4

ブラームス ハンガリーの歌の主題による変奏曲♫~リヒテル
ブラ―ムス ハンガリーの歌の主題による変奏曲♫~オピッツ


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ブラームス 自作主題のテーマによる変奏曲 ニ長調 作品21-1/Brahms Variationen uber ein eigenes Thema D-Dur Op.21-1 

ブラームス(1833~1897)の「自作主題のテ―マによる変奏曲」は1857年に作曲され、初版は1862年3月に出版されました。 子守唄のような優しい雰囲気を持つテーマと11の変奏曲から成っております。

作品9の「シューマンの主題による変奏曲」に比べると異なった手法が用いられており、彼の変奏技法の転換点という意味で重要な作品です。

和声またはバスの音が主題との厳密な関連を保ち全体の統一を図っているものの、旋律は主題旋律から離れ新しい旋律へと変化しております。

各変奏は独立したキャラクターを持ちながらも、調や拍子は頻繁に変化することはなく、主題の小節構造も維持され音楽的な配慮も十分見られる作品です。

クララ・シューマン(1819~1896)によって1865年10月31日フランクフルトにて初演されました。

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ブラームス 自作主題のテーマによる変奏曲♫~リヒテル
ブラームス 自作主題のテーマによる変奏曲♫~マリア・グリンベルク
ブラームス 自作主題のテーマによる変奏曲♫~ゲルハルト・オピッツ


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ブラームス 主題と変奏(弦楽六重奏曲第1番より) ニ短調 作品18b/Brahms Thema und Variationen d-moll Op.18b

この曲はブラームス(1833~1897)の作品「弦楽六重奏曲第1番」の中の第2楽章をブラームス自ら1860年にピアノ独奏用に編曲したものです。

1853年シューマン夫妻と出会ったブラームスはシューマン夫妻を尊敬し続けます。 その後故人となったロベルト・シューマンの妻クララをブラームスは変わらず精神的に支え続けますが、クララの41歳の誕生日の記念としてブラームスはこの曲をクララにプレゼントいたしました。

1865年10月31日にフランクフルトで初演されております。

主題と6つの変奏から成りベートーヴェン的でもあり民謡風でもある主題から情熱的に始まります。

ブラームス 主題と変奏♫~ツイメルマン
ブラームス 主題と変奏♫~バレンボイム
ブラームス 主題と変奏♫~ルプー


弦楽六重奏曲第1番変ロ長調作品18はブラームスが1860年に作曲した弦楽六重奏曲です。 ブラームスが27歳の時に作曲した若々しく情熱的な曲風の作品です。 作曲の同年にブラームス自身によって第2楽章がピアノ独奏用に編曲されクララ・シューマンの誕生日にプレゼントされました(1927年出版)。 第2楽章はルイ・マル監督の映画「恋人たち」で用いられている事でも知られております。
ブラームス 弦楽六重奏曲第1番第2楽章


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ブラームス スケルツォ 変ホ短調 作品4/Brahms Scherzo es-moll Op.4

ブラームス(1833~1897)はその生涯を通して自作の出版には極めて慎重で、自己批判の末破棄された作品は数多くあります。 ハンブルクで作曲された曲の大部分は破棄されましたが、その中で残り出版されたものとしてOp.4は貴重な作品です。

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スケルツォ作品4はブラームスが18歳の時に作曲した唯一の独立したスケルツォです。

1851年8月ハンブルクで完成し、1854年2月に出版された、出版作品の中では第1作目にあたります。 ブラームスの友人でピアニストのヴェンツエルに献呈されております。

ブラームスは1853年デュッセルドルフのシューマンを訪れる前に、ワイマールのリストを訪れておりますが、その時に持参した自作の曲の楽譜の中にこのスケルツォも含まれておりました。

リストがその自筆譜を初見で演奏してブラームスを驚かせたという有名なエピソードが残っております。

ブラ―ムス スケルツォ♫~ツイメルマン
ブラームス スケルツォ♫~アラウ
ブラームス スケルツォ♫~バックハウス
ブラームス スケルツォ♫~ケンプ


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ブラームス シューマンの主題による変奏曲 嬰へ短調 作品9/Brahms Variationen uber ein Thema von Schumann fis-moll Op.9

主題はシューマンの「Bunte Blatter(色とりどりの小品)作品99」の中の4番目の曲の「Funf Albumblatter I.Ziemlich langsam(5つの音楽帳第1曲)」からとられております。

シューマン 色とりどりの小品 作品99♫~リヒテル

ブラームスは第1変奏から第9変奏、第12変奏から第16変奏までを1854年6月、第10,11変奏を1854年8月12日の聖クララの日に、デュッセルドルフで作曲しております。

シューマンは病院での療養生活を送っており、その妻のクララは家族を維持することに全力を傾けておりました。 ブラームスはクララへの慰めとシューマンへの敬意をかねてこの変奏曲を書きクララに捧げました。

シューマンもクララもこの楽譜を見て喜び、シューマンは「何と独創的で創意に溢れていることか」とその多様さ、すばらしさについて記しております。

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ブラームス シューマンの主題による変奏曲 作品9♫~オピッツ
ブラームス シューマンの主題により変奏曲 作品9♫~コブリン

なおブラームスは「シューマンの主題による変奏曲 変ホ長調 作品23(連弾)」も書いております。


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ブラームス 4つのバラード 作品10/Brahms 4 Balladen Op.10

ブラ―ムス(1833~1897)の「4つのバラード作品10」はブラ―ムス初期の作品集です。 ショパンやリストの叙事詩的なバラードと異なり叙情的な小品集となっております。 単独で演奏されることもありますが、調性上の関係から4曲まとめて演奏される事が多くあります。

1853年ブラームスはハンガリーのヴァイオリニストのレメーニと演奏旅行に行き、旅行の途中デュッセルドルフのシューマン家を訪れます。 そしてその時にブラームスのクララ・シューマンへの生涯にわたる愛が始まり、ブラームスはシューマン夫妻が最も信頼する音楽家となっていきます。

バラード4曲は、作品9「シューマンの主題による変奏曲」とほぼ並行して1854年夏にデュッセルドルフで書き上げられ、1856年に出版、友人でピアニストのマリウス・オットー・グリムに捧げられております。

ブラームスは作品5「ピアノ・ソナタ第3番」でピアノ独奏用のソナタから離れ、ピアノ独奏曲では変奏曲と小品の世界へと向かいます。

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第1番 ニ短調
1
バラードとしての性格が最も強く劇的な曲です。 この曲はドイツロマン派の詩人ヘルダーの「諸民族の声」の中の「スコットランドのバラード<エドワード>」からインスパイアされて作曲され「エドワード・バラード」とも呼ばれております。 この詩は父を殺したことを静かに問い詰める母と、罪の意識にさいなまれる息子エドワードの対話から成っております。
ブラームス バラード作品10-1♫~ツイメルマン

第2番 ニ長調
2
優しい雰囲気を持つ曲想です。 この曲はブラームスのモットー(Frei aber froh 自由にしかし喜ばしく)の各語のイニシャルに基づきFis-A-Fisの進行となっております。
ブラ―ムス バラード作品10-2♫~ツイメルマン

第3番 ロ短調
3
4つのバラードの中で間奏曲的な位置を占めスケルツォ的な性格を持ちます。
ブラ―ムス バラード作品10-3♫~ツイメルマン

第4番 ロ長調
4
シューマンの影響があらわれており、ブラームスの特徴の「癒されぬ郷愁」も感じられます。 「親しみのある感情をもって、しかし旋律をあまり強調しないように」とのブラームス自身の指示があります。
ブラームス バラード作品10-4♫~ツイメルマン

ブラームス バラード作品10♫~ミケランジェリ
ブラームス バラード作品10♫~ギレリス


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ブラームス 2つのラプソディ Op.79-2/Brahms 2 Rhapsodien Op.79-2

ブラームスの「2つのラプソディ」はブラームス(1833~1897)が46歳の時の1879年に作曲したピアノ独奏曲です。 また弟子のエリザベート・フォン・シュトックハウゼンに献呈されております。

この曲は第70回全日本学生音楽コンクールの中学校の部の本選の課題曲の一つにもなっておりますので少し書いて見たいと思います。

1879年にはブラ―ムスはヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」の作曲をした他、前年作曲されたヴァイオリン協奏曲二長調Op.77の初演を自身の指揮で行っております。 またブラスラウ大学より名誉博士号も授与されております。

ブラームスは1877年から1879年にかけて夏の間、オーストリア南部のペルチャッハという町で過ごしました。 ペルチャッハはアルプスの山々に囲まれた保養地として名高い風光明媚な土地です。

ブラームスはこのペルチャッハの自然の美しさを好みクララに宛てて感動を書き送っております。

「ラプソディ」も3回目の滞在の1879年の夏に同地で作曲に着手しており、翌年1880年にブラームス自身によって初演されております。

ブラームスは1850年代(初期)にピアノ・ソナタを3曲作曲しその後「パガニーニの主題による変奏曲Op.35」などの変奏曲に取りくみます。 1860年代から70年代にかけては「ハンガリー舞曲集」などの連弾作品があります。 そして1879年の「ラプソディ」に至りますがこれ以降1892年から93年になるまでピアノ作品には手を付けておりません。 また1892年から93年頃に作曲されたのは小品でありブラームスのピアノ作品が当初の大きな規模の作品から小品へと移っていった事が分かります。

タイトルのラプソディは元来は古代ギリシャの吟遊詩人の歌を指しており19世紀初めから器楽曲の標題に用いられるようになりました。

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ブラ―ムス ラプソディ 2番♫~アルゲリッチ
ブラームス ラプソディ 2番♫~ルービンシュタイン
ブラ―ムス ラプソディ 2番♫~リヒテル
ブラ―ムス ラプソディ 2番♫~シュナーベル
ブラームス ラプソディ 1番、2番♫~ぺライア


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ブラームス ピアノ三重奏曲 第1番 ロ長調 作品8/Brahms Klaviertrio Nr.1 H-Dur Op.8

ブラ―ムス(1833~1897)のピアノ三重奏曲第1番の初稿はブラームスがまだ20歳の1854年に作曲され、ジムロック社から出版されましたが、作品の出版権がブライトコプフ・ウント・ヘルテル社に移った際ブラームスは主題の差し替え等大幅な改訂を施し1891年改訂叛が出版されております。

ブラームスは曲を改訂すると初版はすぐに破棄するのが常であったため2つの版が現存するのはブラームスの作品の中ではこの作品のみです。 今日では改訂版が演奏される事が多く、また多楽章の大規模な作品としては最初のものです。

若きブラームスの情熱と素朴さと真摯さが現れた美しい旋律でブラ―ムスの個性がよく表現された作品です。

初版の初演は1855年11月27日、ニューヨークにおいてウイリアム・メイソンのピアノで、改訂版の初演は1890年1月10日、ブタペストにおいてブラームス自身のピアノによって行われております。

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第1楽章 アレグロ・コン・ブリオ
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第2楽章 スケルツォ
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第3楽章 アダージョ
3

第4楽章 アレグロ
4

ブラームス ピアノ三重奏曲 第1番♫~ピリス(ピアノ)
ブラームス ピアノ三重奏曲 第1番♫~ハメリン(ピアノ)、ジョシュア(バイオリン)、イッサ―リス(チェロ)
ブラームス ピアノ三重奏曲 第1番♫~アックス(ピアノ)、ヨーヨーマ(チェロ)
ブラームス ピアノ三重奏曲 第1番♫~アイザックスターン(ヴィオリン)、カザルス(チェロ)
ブラームス ピアノ三重奏曲 第1番♫~オボーリン(ピアノ)
ブラームス ピアノ三重奏曲 第1番♫~カッチェン(ピアノ)、スーク(バイオリン)、シュタルケル(チェロ)

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パウル バドゥーラ=スコダ(ピアノ)


ピアニスト谷真子公式サイト

ブラームス ハンガリー舞曲集/Brahms Ungariche Tanze WoO.1

ブラ―ムス(1833~1897)のハンガリー舞曲集はブラームスがハンガリーのジプシー(ロマ)音楽に基づいて編曲した舞曲集で、もともとは四手用(連弾)のピアノ曲として書かれました。 全部で21曲あります。

ブラームス ハンガリー舞曲 第5番♫~連弾(ランラン)

ブラームスは1850年代前半、エドゥアルド・レメーニの伴奏者としてドイツ各地で演奏旅行を行い、その時レメーニからジプシー音楽(ロマの民族音楽)を教えられ魅了されます。

それ以来ブラームスはそれをハンガリーの民族音楽と信じて採譜を続け、1869年に第1・2集(1~10番)、1880年に第3・4集(11~21番)を刊行いたします。

1869年の発表直後から当時のヨーロッパを席巻した「チャ―ルダーシュ人気」とヨーロッパの家庭にピアノが普及した19世紀半ば当時の「連弾ブーム」に乗って連弾のブラームス編曲「ハンガリー舞曲集」は大ヒットいたします。

後にレメーニは、ハンガリー舞曲集の大成功を知るとこれは他のチャ―ルダーシュの作曲家達の曲でブラ―ムスの盗作であるとしてブラームスを相手に訴訟に持ち込みますが、ブラームスが「作曲」ではなく「編曲」としておいた事が幸いしてブラームスが勝利いたします。

1872年には第1・2集(1~10番)はピアノ独奏曲としてブラームス自身によって編曲されております。

ブラームス ハンガリー舞曲 第1番♫~キーシン(ピアノ)
ブラームス ハンガリー舞曲 第2番♫~キーシン(ピアノ)
ブラームス ハンガリー舞曲 第3番♫~キーシン(ピアノ)

また1873年にはブラームス自身の指揮で演奏会で取り上げるためブラ―ムスが第1・3・10曲を管弦楽用に編曲しております。

残りの18曲は様々な音楽家が管弦楽用の編曲を手がけており第4集(17~21番)はドヴォルザークが管弦楽用の編曲をしております。 ドヴォルザークはまた、ブラームスの助言でロマの民族音楽の性格と特徴を取り入れ自作の主題によって連弾と管弦楽「スラヴ舞曲集」も作曲しております。

ブラ―ムス ハンガリー舞曲集 全曲♫~ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団、アバド指揮

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ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団、アバド指揮


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ブラームス 16のワルツ 作品39/Brahms 16 Walzer Op.39

1862年ブラームスは故郷のハンブルクを離れウイーンへ移り住む事になりますが、その3年目の1865年1月に「16のワルツ作品39」は作曲されました。

初めブラームスはこれらのワルツをピアノ連弾用として作曲しますが、ビ-ダーマイヤー時代における家庭音楽への需要の高さから売り上げは非常に好調で、ほぼ並行してピアノ独奏用に編曲し、さらに技巧的に容易な子供用のものまで書き、のちに抜粋で二台ピアノ用の編曲も行いました。

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ビーダーマイヤー
19世紀前半のドイツやオーストリアを中心にもっと身近で日常的で簡素なものに目を向けようとして生まれた市民文化の形態の総称

ブラームスを支持していた音楽評論家のエドゥアルト・ハンスリックに献呈されましたが、ハンスリックは「まじめで無口なブラームス、あのシューマンの弟子で北ドイツのプロテスタントで、シューマンのように非世俗的な男がワルツを書いた。」と驚いたそうです。

当時ウイーンでは、ヨハン・シュトラウスが「ワルツ王」と呼ばれ全盛を極めており、ワルツは完全に娯楽的な踊るための音楽と考えられていましたので、ブラームスがワルツを作曲した事は驚きだったのでしょう。 

シュトラウスのワルツに比べてブラームスのワルツは、規模の小さな小品でショパンのような高雅な洗練さには欠けるものの親しみやすいものです。 

楽曲ごとに性格の違いが見られ、貴族が舞踏会で踊るウインナー・ワルツよりも南ドイツの農民が踊っていた民俗舞踊のレントラーに近い味わいを含んだもの、リズムに凝ったもの、スラヴ風の憂いを含んだもの、ハンガリー風のにぎやかな曲想を持つもの、子守歌風のもの、ノクターン風のものと様々で、簡潔で素朴でブラームス作品の特徴が凝縮されており、ショパンの「24のプレリュード作品28」に似た特質を持っております。

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ブラームス 16のワルツ 作品39 全曲
ブラームス 16のワルツ 作品39 1番~4番♫~キーシン

ピアノ独奏版と二台ピアノ版は連弾とは調が異なる曲があり、ピアノ独奏版の13番はロ長調、14番は嬰ト短調、15番は変イ長調、16番は嬰ハ短調で書かれております。

また15番は特に有名で「愛のワルツ」として世界中で愛奏されております。
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ブラームス16のワルツ作品39 第15番 変イ長調♫~キーシン


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ブラームス ピアノ協奏曲第1番 二短調 作品15

MESSAGE
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ヨハネス・ブラームス(1833~1897)は全部で2曲のピアノ協奏曲を残しておりますが、1858年2月に完成されたこの第1番は最初からピアノ協奏曲として着想されたものではありませんでした。 

ブラームスが20歳の1854年3月に「二台のピアノのためのソナタ」としてひとまず完成した曲がありました。 これはブラームスがシューマンと出会いシューマンによって世に紹介された半年後の事でしたが、ブラームスはこの曲に納得せずこれを交響曲に改作しようと試みます。  しかしこの改作も断念し最終的に1858年2月25歳の時ににピアノ協奏曲として完成させる事になりました。

この年齢はベートーヴェンが最初のピアノ協奏曲を書いた年齢と同じですが、ウイーンでの最初の公開演奏会でベートーヴェンが大成功を収めたのに比べハノーファーでブラームス自身によって初演されたブラームスのピアノ協奏曲第1番は評価はあまり良いものではありませんでした。

ブラームスは20歳の時、シューマンと出会い、シューマンは「来るべき作曲家が現れた」との論評でブラ―ムスを広く世に紹介します。 シューマンと仲間の作曲家はブラームスに交響曲の作曲を勧めますがブラ―ムスはなかなか大作にとりかかりませんでした。 しかしシューマンの死でブラームスは強い決心を抱き「2台のピアノのためのソナタ」を土台に交響曲作曲に取り掛かります。
 が自らの非力を悟ったブラームスは交響曲を書くのをあきらめピアノ協奏曲を作り始めたのでした。

19世紀中頃はリストの作品のような響きや、ショパンのような甘い旋律が好まれており、ブラームスの重厚で古典的な響きは聴衆の耳に馴染みませんでした。 また当時の常識を破るように管弦楽が主体となっており、難しいピアノ・パートでありながらその響きが管弦楽と融けあっているこの曲の真価は当時は理解されませんでした。 この曲の美しさが聴衆の心を打つようになったのは初演から30年を過ぎての事でした。

第1楽章は古典的な協奏曲の影響があり協奏曲風ソナタ形式で書かれております。 悲劇的な情熱を秘めた力強い表現で最後は力強いクライマックスで終わります。

第2楽章は宗教的な静かさをたたえた楽章でシューマンへの追悼が込められていると言われております。

第3楽章はピアノが表面に出てきて躍動感あふれておりピアノ協奏曲としての魅力が十分に出ております。

ブラームス ピアノ協奏曲第1番♫~ポリー二(ピアノ)
ブラ―ムス ピアノ協奏曲第1番♫~ツイメルマン(ピアノ)
ブラームス ピアノ協奏曲第1番♫~エレーヌ・グリモー(ピアノ)
ブラームス ピアノ協奏曲第1番♫~ブレンデル

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ケンプ

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ブレンデル

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ポリー二

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バックハウス


明日はショパンの英雄ポロネーズについて書きます。






 


ブラームス チェロ・ソナタ 第1番、第2番

カテゴリー「室内楽」の欄に入っています。↓
http://masakotani.jp/blog-entry-105.html

ブラームス ピアノ・ソナタ 第1番、第2番、第3番

MESSAGE
モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

ヨハネス・ブラームス(1833~1897)はバッハ、ベートーヴェンと並び三大Bと呼ばれるロマン派を代表する作曲家です。 歌曲、合唱曲、室内楽曲に多くの作品を残していますがピアノ・ソナタも3曲書いています。

<まず初めはソナタ第1番と呼ばれるハ長調 作品1について書いてみます。>
ブラームス楽譜ヘンレ版
ブラームスピアノ・ソナタ1番

この作品は第1番と言われていますが実際には第2番より後の1853年に作曲されたものです。 シューマンの紹介でブライトコプフ・ウント・ヘルテル社より出版しましたが、ソナタ第2番より先に作品1として出版したためそういう事になりました。 同年、ライプツイヒのゲヴァントハウスで行われた公開初演はブラームス自身の演奏で行なわれ、 後に友人のヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムに献呈されています。 公開初演ではリストやベルリオーズも聴きにきて賞賛したそうで、ブラームスの後の構築的な作風がすでに示されています。

第1楽章の冒頭ではベートーヴェンの「ハンマークラヴィーア」に似た主題が出てきますが、これが全曲を統一する要素となっております。 第2楽章の冒頭には「古いドイツのミンネリートによる」と記されておぴ最初の主題にはその歌詞が書かれています。 ミンネリートとは中世ドイツ語で「愛の歌」という意味です。 2楽章はこの主題の後3つの変奏が続きます。

ミンネリートの日本語訳を書いておきます。 
「静かに月は昇る、青い青いかわいい花、銀色の小さな雲を抜けて動く、青い青いかわいい花、谷間のばら、広間の乙女、おお美しいばらよ!」
ブラームスピアノ・ソナタ第1番2楽章楽譜冒頭

以前、フランツ・シューベルト・ソサエテイについての記事を書きましたが、その時ドイツ文学者の瀧崎安之助さんの「ドイツ・リート詞華選」という本を瀧崎先生のお宅までわざわざ取りに行って送って下さった山地良造さんとおっしゃるドイツ文学ご専門のフランツ・シューベルト・ソサエテイ運営委員の方が、「大作曲家ブラームス」という本を訳していらっしゃいます。 音楽之友社から「大作曲家」シリーズとして出ている本のブラームスの巻ですがご紹介いたします。

山地良造訳「大作曲家ブラームス」~音楽之友社
山地良造訳「大作曲家ブラームス」

フランツ・シューベルト・ソサエティについての記事
http://masakotani.jp/blog-entry-56.html

リヒテル ブラームス ピアノ・ソナタ1,2番
(リヒテル ブラームス ピアノ・ソナタ 第1,2番)
ウゴルスキー ブラームス ピアノ・ソナタ1,2番
(ウゴルスキー ブラームス ピアノ・ソナタ 第1,2番)

ブラームス ピアノ・ソナタ ハ長調 作品1~クリスティアン・ツイメルマン
1楽章 Allegro
https://www.youtube.com/watch?v=YDLtjMIT9-0
2楽章 Andante
https://www.youtube.com/watch?v=mCGz-5RJdVQ
3楽章 Scherzo
https://www.youtube.com/watch?v=P4_2Ncgt4Ps
4楽章 Finale
https://www.youtube.com/watch?v=5hSafTOh88I


書法はまだ拙いですが、青年ブラームスの覇気が感じられ、同時に清らかな情感と淡い憂愁もあります。 私は高校生の時このブラームスのソナタの1番と2番を勉強しましたが好きな作曲家の一人でした。



<ブラームス ピアノ・ソナタ 第2番>
ブラームスピアノ・ソナタ2番

ブラームスの最初のピアノ・ソナタであるピアノ・ソナタ第2番は1852年19歳の時ハンブルクで作曲され、翌1853年ブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から作品2として出版され、シューマンの妻クララに献呈されました。 初演されたのは30年後のウイーンです。 第1番同様、第2番も2楽章では古いドイツのミンネ・リートが主題として使われその後3つの変奏が続いています。

まだハンブルクから出た事がない青年ブラームスが作った曲らしく情熱的で感情の変転が激しく、また若者らしい感傷的なところもある作品です。 第1番に比べると少し地味かもしれません。
ブラームス ピアノ・ソナタ第2番、2つの狂詩曲Op.79、ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 作品24、Intermezzo Op.117-1
(シュヌアー教授 ブラームス ピアノ・ソナタ 第2番他)

ブラームス ピアノ・ソナタ 第2番 嬰ハ短調 作品2~クリスティアン・ツイメルマン
1楽章 Allegro
https://www.youtube.com/watch?v=s8pDqRkwdus
2楽章 Andante con espressione
https://www.youtube.com/watch?v=PWfOGRwfyPQ 
3楽章 Scherzo
https://www.youtube.com/watch?v=RlxLj3qvlnU
4楽章 Finale
https://www.youtube.com/watch?v=g5MgLvYK5-A



<ブラームス ピアノ・ソナタ 第3番>
これは1853年20歳の時デュッセルドルフで作曲されたもので作品5と呼ばれています。 これはまだお勉強しておりませんがいつか弾いてみたいと思っている作品です。
ブラームス ピアノ・ソナタ 第3番

2楽章のANDANTEの楽譜の冒頭にはシュテルナウの「若き恋」という詩の一節が記してあります。
ブラームス ピアノ・ソナタ 第3番 2楽章楽譜

また4楽章のINTERMEZZOの楽譜には副題としてやはり同じシュテルナウの詩のタイトルから「Ruckblick(回顧)」という言葉が引用されています。
ブラームス ピアノ・ソナタ 第三番 4楽章楽譜

ブラームス ピアノ・ソナタ 第3番 f-moll 作品5~エフゲ二ー・キーシン
https://www.youtube.com/watch?v=Abby2S5OSXM 

明日は続けてブラームスのチェロ・ソナタ第1番について書いてみようと思います。 これは2014年10月9日阿部裕之先生と上村昇さんが大阪倶楽部で演奏された曲です。





プロフィール

谷真子 masakotani

Author:谷真子 masakotani
東京音楽大学卒業

ADRESS
奈良市学園前

ピアニスト谷真子公式サイト
http://masakotani.co
奈良市学園前 谷真子ピアノ教室 教室ブログ「musica」
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