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2017_08
17
(Thu)09:56

ラフマニノフ ピアノ三重奏曲第2番

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ラフマニノフのピアノ三重奏曲第2番は、ラフマニノフがモスクワ音楽院卒業後の1893年に作曲したもので、モスクワ音楽院在籍中の1892年に作曲」された第1番と合わせて「悲しみの三重奏曲「と呼ばれております。

1893年11月、チャイコフスキーの訃報を聞きわずか1か月余りで完成されたもので、翌1894年にラフマニノフ自身のピアノによって初演されました。

ロシア音楽の特徴である故人を偲んで室内楽を作曲するという発想はチャイコフスキーによって確立されましたが、ラフマニノフもその伝統を受け継いで作曲したものと思われます。

楽曲構成はチャイコフスキーの「偉大な芸術家の思い出に」と類似しております。



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2017_04
05
(Wed)09:17

ラフマニノフ 2台のピアノのための組曲 第2番/Rakhmaninov Suite No.2 Op.17

組曲第2番はラフマニノフが2台のピアノのために作曲したピアノデュオの作品です。

ラフマニノフ(1873~1943)は1892年モスクワ音楽院を卒業後、順調に作曲を進めておりましたが、1897年の「交響曲第1番」の失敗で自信を喪失ししばらくの間作曲ができなくなってしまいます。

そんなラフマニノフが自信を取り戻しつつあった1900年12月から1901年4月にかけて組曲第2番は作曲されました。 並行して作曲された曲にピアノ協奏曲第2番があります。

初演は1901年11月24日モスクワでラフマニノフとジロティのピアノで行われました。

第1楽章 序奏♫~関本昌平、ガブリリュク
第2楽章 ワルツ♫~関本昌平、ガブリリュク
第3楽章 ロマンス♫~関本昌平、ガブリリュク
第4楽章 タランテッラ♫~関本昌平、ガブリリュク


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2017_03
31
(Fri)12:01

ラフマニノフ 2台のピアノのための組曲 第1番 「幻想的絵画」 作品5/Rakhmaninov Suite No.1 "Fantasie-tableaux" Op.5

「二台のピアノのための組曲第1番」はラフマニノフ(1873~1943)のピアノデュオ曲ですが、ラフマニノフが20歳の時の1893年に作曲されました。

ラフマニノフは1891年18歳でモスクワ音楽院ピアノ科を首席で卒業し、翌1892年には同院作曲家を首席で卒業します。 1892年10月にはモスクワ電気博覧会で後ラフマニノフの代表作となる「前奏曲嬰ハ短調”鐘”」を初演致します。

「二台のピアノのための組曲第1番」の初演は1893年11月30日にモスクワでラフマニノフとパプストのピアノで行われ、才能を認め目をかけてくれていたチャイコフスキーへの感謝の思いから彼に献呈されましたが、初演を聴くことを約束していたにも拘わらずチャイコフスキーは11月6日初演を聴く前に亡くなってしまいました。

各楽章冒頭にラフマニノフが作曲のインスピレーションを受けた詩が載せられており、インスピレーションを基に絵画的に作曲された作品です。

第1楽章 バルカローレ
ロシアの詩人レールモントフの詩「ベネチア」の一節が引用されております。

(ミハイル・レールモントフ)
おお、涼しいゆうべの波が、
ゴンドラのオールを静かに打つ。
―あの歌がまた! またギターで鳴る!
―遠くでいまは、憂鬱そしてまた幸せに、
聞こえるのは古い舟歌の響きか、
「ゴンドラは水面を滑り、
時も愛とともに飛び去る、
水はふたたび穏やかになり、
情熱はもはや高まらない」

第2楽章 夜と愛と
イギリスの詩人バイロンの詩が記されています。

(ジョージ・ゴードン・バイロン)
ナイチンゲールの高いさえずりが
枝から聞こえる時刻に、
恋人同士の誓いあう囁きが、
穏やかな風や近くの水音が、
孤独な者の耳に音楽となる。

第3楽章 涙
ロシアの詩人チュッチェフの同名の詩が引用されています。

(フョードル・チュッチェフ)
人の懸念、おお、人の涙!
お前は朝から晩まで流れ、
人知れずに、目に見えずに、
無限に、無数に流れる、
まるで土砂降りの雨のように、
秋の夜の深遠の中に流れる。

第4楽章 復活祭
ロシアの詩人ホミャコフの同名の詩が引用されています。

(アレクセイ・ホミャコーフ)
強大な鐘の音が大地を越えて鳴り、
大気のすべては嘆き、おののき、苦しむ。
美音の銀色の雷鳴は、
聖なる勝利の知らせを告げる。

ラフマニノフ 2台のピアノのための組曲 第1番♫~ラベック姉妹


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2017_03
20
(Mon)08:28

ラフマニノフ パガニーニの主題による狂詩曲 イ短調 作品43/Rakhmaninov Rapsodie sur un theme de Paganini pour Piano et Orchestre a-moll Op.43

ロシア革命(1917)の中、アメリカへ亡命したラフマニノフ(1873~1943)はアメリカでピアニストとして名声を獲得し演奏家としての活動に追われておりました。

そのような中で1934年6月スイスのルツェルン湖畔に建てた別荘で作曲を開始しわずか2か月で仕上げたのがこの「パガニーニの主題による狂詩曲」です。

初演は1934年11月ラフマニノフのピアノ独奏で行われました。

「パガニーニの主題による狂詩曲」は主題と24の変奏から成り、独奏ピアノとオーケストラというピアノ協奏曲スタイルで作曲された狂詩曲ですが、パガニーニのヴァイオリン曲「24のカプリシャス」の第24番「主題と変奏」の主題を用いてラフマニノフが変奏させたものです。

パガニーニ 24のカプリシャス 第24番

構成はパガニーニの主題の断片による8小節の序奏の後、まず先に第1変奏がおかれ、その後で主題があらわれ、第2変奏へと続いていきます。

ラフマニノフ パガニーニの主題による狂詩曲♫~トリフォノフ



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2017_03
03
(Fri)09:32

ラフマニノフ ヴォカリーズ 嬰ハ短調/Rakhmaninov Vocalise Op.34-14

ラフマニノフの歌曲「ヴォカリーズ」は1912年6月に作曲され1913年に出版されたソプラノまたはテノールのための歌曲です。

ラフマニノフ ヴォカリーズ♫~ソプラノ(キリ・テ・カナワ)

最初の草稿ではピアノ伴奏でしたが、1916年1月初演時には管弦楽版で初演されております。

献呈は初演者のソプラノ歌手アントニーナ・ネジタノーヴァに献呈されております。

母音「アー」でため息のような旋律が歌われ、淡々と和音と対旋律をピアノが奏でます。

ロシア語の制約を受けないためラフマニノフの歌曲の中では最も有名な歌曲となっており、様々な編曲の器楽曲としても良く演奏されます。

ピアノ独奏版の編曲としては有名なのがアラン・リチャードソン版、コチシュ・ゾルターン版、アール・ワイルド版の3つあります。

ラフマニノフ ヴォカリーズ♫~ピアノ独奏(エフゲニー・キーシン)

ラフマニノフ ヴォカリーズ♫~チェロ(宮田大)
ラフマニノフ ヴォカリーズ♫~ヴァイオリン(パールマン)



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