2017_03
17
(Fri)09:52

グリーグ 抒情小曲集/Grieg Lyriske smastykker

グリーグ(1843~1907)の抒情小曲集は1867年から1903年にかけて作曲され全66曲からなるピアノ曲集で全部で第10集まであります。

第1集 作品12
1867年に出版されました。 ニーナ・ハーゲルップと結婚した年で、翌1868年にピアノ協奏曲を作曲するなど、創作意欲の充実した時期です。 後の作品集と比較すると、音形は単純で、複雑な技巧は必要とせず、初心者の教材として良く用いられますが、すでにグリーグらしさは発揮されております。
アリエッタ
ワルツ
夜警の歌
妖精の踊り
民謡
ノルウェーの旋律
アルバムの綴り(アルバムリーフ)
祖国の歌

第2集 作品38
1883年に出版されました。 第1集から16年経っております。 ピアノ協奏曲、『ペール・ギュント』の音楽で名声を確立しておりましたが、、以降ピアノや歌曲、室内楽作品等を中心に手がけるようになっていきます。
子守り歌
民謡
メロディ
ハリング(ノルウェー舞曲)
飛びはね踊り
エレジー
ワルツ
カノン

第3集 作品43
1884年に作曲されましたが、出版は1886年です。 ヨーロッパ各地への演奏旅行の合間に書かれた曲で、全体的に春の喜びに溢れております。
ちょうちょう(蝶々)
孤独なさすらい人
故郷にて
小鳥
愛の歌
春に寄す

第4集 作品47
1888年の出版です。 「アルバムの綴り」、「ハリング」、「飛び跳ね踊り」等、他の曲集と重複する名前の曲があります。
即興的ワルツ
アルバムの綴り
メロディ
ハリング
メランコリー
飛びはね踊り
悲歌(エレジー)

第5集 作品54
1891年に出版されました。 完成度の高い作品で、最初の4曲はグリーグにより「抒情組曲」として管弦楽へ編曲されております。
羊飼いの少年
ノルウェーの農民行進曲
小人の行進
夜想曲
スケルツォ
鐘の音

第6集 作品57
1893年に出版されました。 フランスの保養地マントンで作曲され、祖国への郷愁とヨーロッパ的なスタイルが同居している作品です。
過ぎ去った日々
ガーデ(ゲーゼ)
幻影
秘密
彼女は踊る
郷愁

第7集 作品62
1895年に出版されました。 トロルドハウゲンで作曲され、体調が次第に悪化していった時期の作品です。
風の精
感謝
フランス風セレナード
小川
夢想
家路

第8集 作品65
1896年に出版されました。
青春の日々から
農民の歌
憂うつ
サロン
バラード調で
トロルドハウゲンの婚礼の日

第9集 作品68
1898年に書かれ1899年に出版されました。 2~3分の小さな曲ばかりです。
水夫の歌
おばあさんのメヌエット
あなたのそばに
山の夕べ
ゆりかごの歌
憂うつなワルツ

第10集 作品71
1901年5月に作曲されました。
パック
昔々
夏の夕べ
小妖精
森の静けさ
ハリング
過去
余韻

グリーグ 抒情小曲集から♫~ギレリス
グリーグ 抒情小曲集から♫~リヒテル


ピアニスト谷真子公式サイト
2016_07
29
(Fri)09:19

グリーグ ノルウェー民謡による変奏曲形式のバラード ト短調 Op.24/Grieg Ballade i form av variasjoner over en norsk folketone g-moll Op.24

「ノルウエー民謡による変奏曲形式のバラード」はグリーグ(1843~1907)が作曲したピアノ曲で単に「バラード」とも呼ばれます。

グリーグの代表作「ペール・ギュント」が完成された1875年から1876年にかけて作曲されたピアノ曲で、主題として使用されているノルウエー民謡は、ノルウエーの作曲家リンデマンが採取したヴァルドレス地方の民謡「北国の農民」で、グリーグはそれを主題とし14の変奏とコーダを作曲しております。

グリーグのピアノ作品の中では初期のもので、ピアノ・ソナタ同様頻繁には演奏されないものですが、作曲当時は両親を亡くし妻とも不仲、また自身の大作への創作能力にも疑問を持っていたため、グリーグのピアノ作品中最も野心的な作品だとも言われており、演奏に際しては構成力が求められます。

グリーグ バラード♫~ボレット
グリーグ バラード♫~チッコリーニ


ピアニスト谷真子公式サイト
2016_07
27
(Wed)11:30

グリーグ ピアノ・ソナタ ホ短調 作品7/Grieg Klaviersonate e-moll Op.7

「ピアノ・ソナタホ短調作品7」はノルウエーの作曲家グリーグ(1843~1907)が作曲した唯一のピアノ・ソナタで創作の最初の頃に作曲されました。

ドイツのライプツィヒ音楽院で学んだグリーグは1862年に卒業すると母国ノルウエーに戻りピアニスト・作曲家として活動を始めます。

1863年にデンマークの作曲家ニルス・ゲーゼを訪問するためコペンハ―ゲンに行きしばらく同地に住みますが、同地でノルウエーの作曲家リカルド・ノルドロークと知り合います。 グリーグはノルドロークの影響を受けて国民主義的な音楽を書くことを決心致します。

このピアノ・ソナタはそれから2年ほど経った1865年に作曲されましたが、このソナタにはさほどノルウエー的なものは強く示されてはおりませんが、旋律の端々にはグリーグの後の作品に聴かれるような彼らしい特徴が見られます。

全4楽章の構成ですがめったに演奏されない作品です。

グリーグ自身が1903年5月2日パリで第3,4楽章を録音しておりアンスネスやグールドも録音しております。

グリーグ ピアノ・ソナタ第3楽章♫~グリーグ
グリーグ ピアノ・ソナタ第4楽章♫~グリーグ
グリーグ ピアノ・ソナタ♫~グールド
グリーグ ピアノ・ソナタ♫~ラローチャ
グリーグ ピアノ・ソナタ♫~ギンズブルク

2016_02
24
(Wed)08:04

グリーグ ピアノ協奏曲 イ短調 作品16/Grieg Piano Konsert a-moll Op.16

ノルウェーの作曲家グリーグ(1843~1907)のピアノ協奏曲イ短調作品16はグリーグが完成させた唯一のピアノ協奏曲で、古今のピアノ協奏曲の中でも重要な位置を占める名曲です。

1868年グリーグが25歳の時デンマークで作曲したグリーグの初期の傑作で、親友のエドムント・ノイぺルトに捧げられており完成の翌年ノイぺルトによって初演されました。

グリーグはその後何度も改訂を行い現在演奏されるのは最晩年の1906年から1907年頃にかけて改訂され1917年に出版されたものです。

グリーグのピアノ協奏曲は同じイ短調という事もありシューマンのピアノ協奏曲とよく比較されますが、実際にグリーグはシューマンのピアノ協奏曲をライプツィッヒ音楽院に留学していた1856年にクララ・シューマンの演奏で聴いておりそれに大きく影響を受けております。

1870年グリーグと面会したリストはグリーグの手稿譜を初見で弾き絶賛したというエピソードが残っております。

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第1楽章
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ティンパニーのクレッシェンドに導かれて登場するピアノの流れ落ちるような冒頭のフレーズはテレビのBGMなどでもしばしば使われる非常に有名な音楽です。 これは北欧のフィヨルドに注ぐ滝の流れを表現したものと言われております。
グリーグ ピアノ協奏曲 第1楽章♫~キーシン

第2楽章
2
第2部でようやく現れるピアノのパートはそれまでの弱音器を付けた弦楽器の柔らかい和音の旋律を受け継ぎながら発展して行くパッセージであり印象的です。 アタッカで次の楽章へと続きます。
グリーグ ピアノ協奏曲 第2楽章♫~キーシン

第3楽章
3-1
マーチによる導入の後ピアノのカデンツァで開始します。 ノルウェー舞曲を思わせる第1テーマはピアノが提示し中間部ではフルートが叙情性にあふれた牧歌的なメロディを歌い上げます。

3-2
その後クアジ・プレストにテンポを急迫させます。

3-3
最後はアンダンテ・マエストーソとなり堂々とした終曲に至ります。
グリーグ ピアノ協奏曲 第3楽章♫~キーシン

グリーグ ピアノ協奏曲♫~リヒテル
グリーグ ピアノ協奏曲♫~ルービンシュタイン
グリーグ ピアノ協奏曲♫~ルプー


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2016_01
03
(Sun)09:55

グリーグ ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ短調 作品45

グリーグ(1843~1907)は北欧のショパンと呼ばれたノルウェーの作曲家ですが、ノルウェーの民族音楽から着想を得て国民学派の作曲家として注目されました。

グリーグは1858年から3年半の間ドイツのライプツィヒ音楽院で作曲とピアノを学んだ後1863年から3年間デンマークのコペンハーゲンに居住しニルス・ゲーゼに作曲を学び、ヴァイオリン・ソナタ第1番などの初期の作品はこの頃作られました。

妻はいとこのソプラノ歌手のニーナ・ハーゲルップで結婚した後の歌曲はほとんどニーナ夫人のために作曲されております。

1867年現オスロのフィルハーモニー協会の指揮者に就任いたします。

1877年からノルウェーの旧首都のベルゲン東方のハダンゲル地方に住み民族音楽・民族楽器に傾倒していきます。

42歳の時ベルゲン近郊のトロールハウゲン(妖精の丘)に住家を建築しベルゲン出身でデンマークで活躍した劇作家ホルベア(1684~1754)の生誕200年のためにピアノ組曲「ホルベアの時代から」を作曲いたします。

グリーグは1867年まだ20歳代前半の若い時に第2番のヴァイオリン・ソナタを作曲して以降、20年近くヴァイオリン・ソナタを作曲しておりませんでした。 若い頃はドイツ流・デンマーク流とノルウェー要素の折衷の手法をとっておりましたが、後半生にはノルウェーの山峡地帯での生活体験から得たノルウェ―気質を作品に反映させるようになっていきました。

彼は1885年42歳の時にベルゲンの東南およそ10キロほどの小規模なフィヨルド状入り江に面したトロウドハウゲンに瀟洒な家を建て生活の本拠としましたが、移住の翌年若いイタリアの女流ヴァイオリニストのテレジーナ・トゥアが訪れます。 そのヴァイオリンを聴いてグリーグはノルウエイの伝説の中に出てくる妖精が民族楽器のフィッドルを演奏する姿を連想し「フィッドルの小妖精」と呼んだくらい感動いたします。

そこで彼女に弾いてもらうべくヴァイオリン・ソナタ第3番を作曲するのですが、実際に初演したヴァイオリニストも献呈された人物も別の人物で、初演はライプツィヒのゲヴァントハウス・コンサートでロシアの高名なヴァイオリニストとグリーグのピアノで初演されました。

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グリーグは堅固に身に付けていたドイツ古典の基盤の上に創造のファンタジーを展開させ急ー緩ー急の3楽章構成のヴァイオリン・ソナタ第3番を作曲致しましたが第1楽章は情熱的で協奏曲風の趣をたたえています。
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第2楽章はノルウェーの民族色豊かなロマンスです。
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第3楽章は室内交響曲風の趣を持つ終曲です。
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グリーグ ヴァイオリン・ソナタ第3番♫~アシュケナージ(ピアノ)、アレクサンダー・ラブコ(ヴァイオリン)
グリーグ ヴァイオリン・ソナタ第3番♫~ギンズブルク(ピアノ)、コーガン(ヴァイオリン)


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