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2023_09
19
(Tue)12:50

音について


音というものが分かりやすい作曲家であったと思います。(故西村朗 作曲家東京音楽大学教授)

ソナタと書かれていても、いったい内容が何を意味するのか、タイトルと音楽的内容が必ずしも一致しない作品が多い中で(出版社が後からつけたものも多いため)、まず、タイトルと音楽が一致する作曲家。

ワーグナーなどの、固定楽想は、「ドレミフアソラシド〜ソラソラソ〜」という旋律がある特定の主人公を物語ると言われても言葉で説明されない限り、それが何の意味を成すのか、理解できないという人もいるのです。

ベートーヴェンなどの第1テーマを一つ一つの音を言葉として理解するというのは難しくとも、このようなヘテロフオニーなどの音による集合体、音響(効果)は誰にでもわかりやすく、音が天空を舞うとか、それが何らかのメッセージを持って聴衆に語りかけてくる音による建築物=音楽ということが理解しやすいと思います。

そう言う意味では、一つ一つの音がソルフエージュ的に重要でない現代音楽は現代人に理解しやすいとも言えます。

微分音=ヘテロフオニー=振動=1より小さい音(ドとレの間にある音)

そのようなことがプラトンの「法律」という著書に書かれているとのことです。





楽譜の下方の連打部分も、弾き方によってはペダルを踏んで打鍵をぼかすように弾くと、ヘテロフオニーのように感じます。古代音楽のように弾くのも、もちろん現代的に、連打のテクニック披露することも可能だと思います。

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2023_09
13
(Wed)21:15

イブ・アンリ先生のレッスンを受けに参りました。

salon classicにて、イブアンリ先生のレッスンを受けて参りました。

ショパンピアノソナタNo.2 op35。

4月から練習を始めて、この夏の猛暑の暑さとどう練習するかというのも課題でした。

イブアンリ先生のレッスンは、主に音色重視のレッスン。特に弱音。弱音については、so far(遠くから)という表現をよく使われていましょした。

最近は、音楽学校受験と、コンクールを受けるということは、また、違うということを考えていますが、海外では、レッスンで、音色について、よく言われると思います。

昨日アンリ先生がお話しされていて多かったのは、

Do you think~?(あなたはどのように考えますか?どのように思いますか?)

一人で曲を仕上げていく時に、指の都合や、曲の流れに沿って仕上げて弾くだけではなく、作曲学上、構成上、各モテイーフの関連性や繋がりをどのようにするか自分で考え、それに沿って仕上げていくことで、自分でも曲調を仕上げていけるようになるのだと思いました。

素晴らしいレッスンでした。

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こちらはフランスの現代曲。デユテイユー。

イブアンリ先生にコンサート直前にレッスンして頂いての演奏。(2022年9月13日)





もっと音源の良いのでは、映像付きでDVDにも収録しております。(2022年9月4日演奏会ライブ)

記事はこちら



帰りはスペイン料理を頂きました。



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2023_08
26
(Sat)14:11

日本ピアノ教育連盟の会報

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日本ピアノ教育連盟の会報です。

日本ピアノ教育連盟ピアノオーディションとは、まだ成長段階にある子どもたちの健全な情操の発達と、ピアノ愛好者等の生涯にわたるピアノ学習の一助、さらには豊かな音楽性が培われることを目的に開催されるものです。(要項より引用)

全日本学生音楽コンクールの課題曲が4月に発表になり、秋まで本選が開催されますが、日本ピアノ教育連盟ピアノオーディションは7月1日に発表になり、11月上旬より予選が開催され、全国大会は3月末に行われますので、ご指導される先生方にとっても、良い一年のサイクルとなっております。

地区大会と全国大会の2段階式で開催され、今年からは全国大会への推薦枠を拡大し、ピアノをお勉強されているたくさんの方々に参加していただけるよう、準備が進められているとのことです。

幼児部門の課題曲は、

①「メトードローズ・ピアノ教則本」よりブーレ、お父さま、ああ かわいい、冬さんさようなら、むかしの歌

②「トンプソン現代ピアノ教本第一巻」より ピアノのくに、はさみとぎ、妖精にハープ、舞い落ちる木の葉、ポップコーン屋さん、

③「グローバー・ピアノ教本・vol1」よりアイススケート、古い柱時計、歯ブラシのマーチ、

④「フアーストピアノ レパートリーアルバム」より1、チュルク 2つのマーチより No.1ト長調2、チュルク2つのマーチよりno.2ヘ長調 3、デイアベリ 主題

より任意の2曲を選択するとなっております。

普段の教本と平行して、または、エチュード、バッハ等(課題曲にバロックが入っている場合は不要)は続けて、曲集をコンクールの課題曲を練習するというカリキュラムをこなせるようでしたら、十分参加可能レベルにあります。先生とご相談という形になりますが、ただ、コンクールの雰囲気は厳格、審査もお遊びのようなものではなくコンクールとしてかなり厳しいものとなっております。

学年ごとに習得しなければならない曲が課題曲となっており、毎年参加していくことで、お勉強の進め方に迷いのないカリキュラムとなっており、無駄なくピアノのお勉強を進めていくことができます。

高校生部門となると選択制自由曲が取られており、音楽高校は課題曲が多いですが、大学となると(音楽大学)選択制自由曲が多いですので、進学への準備やリハーサルとして活用することもできますし、高校生部門もそのままコンクールと音楽学校の受験を両立して自然に受けていくことができ受験のためにコンクール活動をストップさせなくても良いシステムになっております、

そのような意味で、私も小学生1、2年生のころから積極的に活用し、小学校の間は参加し続けてきたわけですが、音楽大学の卒業試験のように、審査の先生方(ほとんどが音楽大学の先生方)が会場の真ん中か前の方にずらっと横に一列に並ばれ厳格な雰囲気で、講評も頂き、参加賞のようなトロフィーも頂き、目標や励みとなりながらも、温かくも厳しい雰囲気に小さいながらも舞台袖から会場内の先生方の様子を覗いているとその様子が見えて、東京芸大の音楽学校受験の演奏待ちの学校の保健室にあるような仕切りカーテンのような奥で待たされているほど殺風景ではないものの胃の痛くなるような思いも同時にしてきたとも言えます。

結果はどうであれ、参加することで現在の自分の勉強の進度が適切であるか確認できますので、そういう意味では参加することに意義があるのではないでしょうか。ピアノ学習者のためのそのようなオーディションとなっております。


日本ピアノ教育連盟ピアノオーディション公式サイト

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2023_08
10
(Thu)11:30

グリーグ叙情小曲集Op.12-1アリエッタ

第77回全日本学生音楽コンクール課題曲のグリーグ叙情小曲集Op.12-1アリエッタから。

この曲はとても静かな曲で、指先のコントロールが求められる曲です。

冒頭はバス、真ん中の声部の伴奏部分、ソプラノをよく弾きわけて、ペダルの踏み方もバスの響きがなくなってしまわないように、注意が必要です。

全体をA +B +最後の1小節の短いコーダと捉え、2回反復し、最後は消えていくようにというようにコンクールでは大きなフレーズ感も求められるでしょう。


よくカンタービレでピアノを歌わせることができるかという点を見る課題となっております。

エレジーという曲とどちらか選択することになっていますが、自分の好きな曲の方を選曲することが大切です。(課題曲発表から本番までの長い日程をモチベーション高く持ち続けには、選択曲に迷いがないことも一つの大きな要素です。)




グリークのように個性豊かな作曲家が課題曲になっている場合は、全ての先生がバッハのインベンションのように日頃熱心に研究して精通しているとは限らず、北欧に旅したことまではなくとも、その子どもがグリークの作品を(オーケストラ作品でも構わない)多くそれまでも聞いてきたかの音楽体験の積み重ねが勝因になることもしばしば起こりうると言えます。


→第77回全日本学生音楽コンクール公式サイト



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2023_03
17
(Fri)06:50

チェロとの合わせとチェロ室内楽ニコラ先生のレッスン通訳へ

2月21日に、salon classicでのチェロのコンサートでシューマンの幻想小曲集作品73を演奏するため、芦屋市まで合わせに参りました。

ウイーンの名巨匠パウールバドウーラ・スコダにも薫陶を受けたことがあるそうで、最初は通して合わせます。後は細かいところの音楽的な打ち合わせです。

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トルコの楽器メーカーのチェロを数年前に買われたと以前お話しされていましたが、先日のトルコ地震で楽器製作者のご兄弟が亡くなられたため、エルガーの愛の挨拶を録画し、すぐに送られていました。

その後は、コンサートに出られる方が、ベルギーブリュッセル音楽院のニコラ・デルタイユ先生による室内楽レッスンを受講されるので、その通訳をしました。

ニコラ先生はネイティブはフランス語で(ベルギーでは主にオランダ語とフランス語が地域によって使われるようです)、普段はフランス語をお話しになられますが、ジュリアード音楽院にも留学されていたので、レッスンや合わせの時には英語も使えます。


レッスンをお聞きしながら、英語← →日本語変換によるレッスン通訳を致しました。

挨拶のような感じから始まり、音楽的に深い内容を英語、日本語で先生と受講生の方にお伝え致しました。

ヤナーチェクのおとぎ話という曲で、大変美しい曲ですが、王女様と王子様によるおとぎ話が題材となっています。
音楽による物語の描写や、拍の取り方、音楽の持って行き方などを詳しくレッスンされ、みるみるうちに変化致しました。


訳していると、ただ言葉だけではない、音楽的な内容からアドバイスした方が分かりやすいかなと感じられるところでは、同じピアノ奏者としての視点から、噛み砕いてまた直訳ではありませんが音楽的な内容を含めてお伝え致しました。

レッスンでは概して言葉だけの問題ではなく、内容による意思疎通が出来ないことが往々にしてあるためです。

通訳というのは普段あまりしませんが、語学←→語学だけの脳を使う時より、音楽、楽譜を読む、演奏する時は、数学的脳を使うこということがよく分かりました。それに加えて、他言語だと語学脳も使います。


要は楽譜を読む時は拍を数えることにより、無意識に、拍子による数の計算をしているということが実感として分かりました。これは楽譜を指導する時にも、楽譜を読む脳の使い方として、役立ちそうだなと思いながら、終了となりました。

受講生はよく日本語でお話しされる方でしたので、ニコラ先生のレッスンの内容より、どちらかと言うと雑談を英語でニコラ先生にお伝えするという形になりました。レッスンでは、完璧に通訳しなくとも、ポイントだけでも、音楽から感じ取れたり、音楽を通してコミュニケーションを取れるところが十分にございますので、訳するのは、難しいポイントだけでも良いのかなという気も致します。


レッスン受講生の方より、先生と通訳者に御礼にお菓子を頂きました。

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