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2015_07
31
(Fri)09:00

ベルギーのCelllist Nicolas Deletailleニコラ・デルタイユ氏の古楽器の音に心が癒される音楽

今日はべルギーのチェリストのニコラ・デルタイユさんとのデュオコンサートのエピソードについて書きます。

 

 ニコラ・デルタイユさんとは芦屋にある♪サロン・クラシック♪のオーナーの中西淳子さんのご紹介で二度デュオ・コンサートを行いました。

ニコラ・デルタイユさんは若手のチェリストですがベルギーのブリュッセル王立音楽院の准教授でもいらっしゃいます。音楽に敬虔に向き合われる姿勢は若きピューリタンという感じの方です。

一度目は私の自宅でチェロの小品を何曲か演奏致しました。その時の演奏はyou tubeにアップしております。         
https://www.youtube.com/watch?v=nYYP-f00kgg         
https://www.youtube.com/watch?v=bZhb69jev40 (他)

ニコラ・デルタイユさんはアルぺジョーネという古楽器にも深い造詣がおありになりウイーンの巨匠のPaul Badura-SkodaとシューベルトのCDを出していらっしゃいます。私の自宅のCDラックに、廃盤になった古いPaul Badura-Skodaのピアノフォルテによるベートヴェンのピアノ・ソナタ全集があるのを見つけられて大変驚いていらっしゃいました。またハイドンやモーツアルトの生家の古楽器の絵葉書を見つけられてとても懐かしそうにされていました。          
アルぺジョーネCD紹介 http://ml.naxos.jp/album/FUG529

私の家にはイタリア語、ドイツ語、フランス語と辞書がとても多いのですがその中に伊英辞典を見つけられ「Io parlo italiano anche.」と嬉しそうにイタリア語でお話しされていました。デルタイユさんは日常会話はフランス語ですがクリスチャンの多いヨーロッパの人にはイタリア語は憧れの言語のようです。

二度目は芦屋のサロン・クラシックでドビュッシーのチェロ・ソナタを演奏致しました。この曲はお互いが拍に厳格に弾かないと合わないのですが本番はドビュッシーの世界を表現できたのではないかと思っています。

ニコラ・デルタイユさんのチェロは音楽が穏やかにゆったりと流れていきヨーロッパの風景が目に浮かんでまいります。喧噪の日本ではあの緩やかなテンポを保つのは難しくデルタイユさんのチェロには聴いていて心が癒されるものがあります。
                  
ドビュッシー チェロ・ソナタ              
 https://www.youtube.com/watch?v=maujknp81qE              
 https://www.youtube.com/watch?v=wRyxH2OU8ug 

ニコラ・デルタイユ氏公式サイト
                                
2015_07
30
(Thu)09:26

15歳の時からお世話になった関孝弘先生の思い出(東京)

私は中学3年の9月から東京音楽大学に進学するまで毎週日曜日、新幹線に乗って1日がかりで東京の等々力の関孝弘先生とおっしゃるピアニストの方のご自宅にレッスンに通っておりました。 関先生は東京芸術大学大学院を卒業された後イタリアのブレーシアという所に留学されそのまま長くイタリアに住んでらした方です。

私が伺った時は帰国された直後で、日本人というより外国人という感じでいらっしゃいました。レッスンは日本語でされましたがそれ以外の普段の会話はイタリア語で話されお宅はまるでイタリアでした。お玄関を入った時の家のにおいもいつもガーリックとオリーブオイルのにおいがし、奥様のマリアンジェラさんがイタリア語で迎えて下さいます。

ご自分のピアニストとしてのライフ・ワークはイタリアのピアノ音楽を日本に紹介しイタリアと日本の架け橋となる事とされていらっしゃいましたが、私へのレッスンはピアノの基本を大切にされバッハの平均律、ショパンのエチュード、ベートーヴェンのソナタ、近現代の音楽と何時間もかけて丁寧にレッスンして下さいました。

 東京音楽大学に進んだ後も引き続きご自宅でプラィベートレッスンをして頂きましたが、私が今ピアニストとして演奏活動を続けていく事ができる根っこの部分は関先生が作って下さったのかもしれないとも思います。

1曲につき基本的には3回しかレッスンはしない、つまり言い換えれば3回で仕上げるという事ですが今私の手元に残っているレッスンのテープ、DAT, MDは膨大な数になります。

関先生にご指導頂いた曲の中で、高1の時第5回高校生国際芸術コンクールで入選した「シューマンの幻想小曲集」と大学の卒業の時教授会でご推薦を受けた新人演奏会の曲の「ラヴェルのスカルボ」を今you  tubeにアップしております。また頂いた外国の写真集(作曲家の生家の写真集)の素敵な装丁など新ホームページのMy Historyの項目に掲載します。

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一見、東京への往復の時間がもったいないように思いますがそれだけの時間をかけてお伺いするからこそレッスンで何かを吸収して来ようと思いますし、(ピアノを弾くという作業は感性を消耗する作業ですので)土地を変わるというのは感性の補充にもなり有意義な時間だったと思います。

シューマン 幻想小曲集~谷真子♬
ラヴェル スカルボ~谷真子♬

ピアニスト関孝弘氏公式サイト
2015_07
29
(Wed)09:19

1991年京都ピアノコンクール 3位受賞の思い出(小4)

"a memory of '91 KYOTO PIANO CONCOURS, the third prize (10 years old)"
古都京都で毎年開催されるコンクールに「京都ピアノコンクール」というのがあります。昔の要項を見ていますと私が師事する阿部裕之先生は当初からこのコンクールの審査員に入ってらしたようです。

実は私は小学4年の時先生に勧められ'91京都ピアノコンクールに参加して総合で3位という素晴らしい賞を頂いた事があります。その当時と今は少しコンクールの形式が変わっているようですので詳細は下のアドレスからご確認下さい。
2016年京都ピアノコンクール詳細はこちら

私がエントリーしたのは小学4年で第9回京都ピアノコンク―ルでした。中田喜直さんの変奏的練習曲を演奏しましたが、特別な気負いもなかったせいか気持ちよく楽しく弾け結果は総合第3位という素晴らしい賞を頂く事になりました。本選の京都会館第2ホールの大きな舞台で当時出たばかりのヤマハのCF-3という立派なピアノを弾けるだけでも子供心に誇らしく感じましたが、賞まで頂けて大変嬉しくまた大きな励みになったのを覚えています。

1位と2位は京都の堀川高校の方でしたので表彰式の時は私は一人小さく、京都新聞社の方から頂いたトロフィーを大きく感じました。

翌日の京都新聞の記事にコンクールの結果が掲載されまた協賛の(株)JEUGIAさんから素敵なパネル写真を頂き今でもそれは大切に飾って励みとしております。新ホームページのMy Historyの項目に当時の写真や資料を掲載致します。

20150804230127.jpg

 

    
話は変わりますが、同じ小学4年生の時にオーストリアの作曲家ハイドンのピアノ協奏曲二長調1楽章を演奏し初めてコンチェルトを体験致しました。小さい時にコンチェルトを経験した方が良いという先生のお勧めもあったのですが、その時の演奏のビデオを主催者の方が制作して下さり記念に頂きましたのでその時の演奏をyou tubeにアップしております。

モーツァルトやハイドンというウイーン古典派の作曲家は楽譜は一見簡単ですが、音符の少ない分演奏者には究極の難しい作曲家だと私は考えております。モーツァルトやハイドンを淡々と弾き人に感銘をもし与えられたらそれは素晴らしい事ですが、遠い目標のようです。

     Haydon Piano Concerto D-dur 1st mov.
             ハイドンピアノ協奏曲Hob.18-2二長調第1楽章
           https://www.youtube.com/watch?v=5vhDV2SmBfs
2015_07
28
(Tue)09:06

第9回日本ピアノ教育連盟ピアノ・オーディシヨン全国優秀者演奏会(小5)

今日は私が小学5年の時、第9回日本ピアノ教育連盟ピアノ・オーディションで全国優秀者演奏会(当時は入選者演奏会と呼ばれていました)に出場した時の思い出とこのコンクールの詳細について書こうと思います。
P1020165.jpg
上野学園 石橋メモリアルホール全国優秀者演奏会にて 
W.A.Mozart Piano Sonata No.16 C dur K.545 2Satz,3Satz♫       


毎年7月になると「JPTA 公益財団法人 日本ピアノ教育連盟 ピアノ・オーディション」というコンクールの要項が発表され今年は第32回になります。通称[教育連盟」といったり「ピアノ・オーディション」と簡略に言われますが,年齢別に8つの部門に分かれておりまず地区予選が行われます。そこで優秀賞と奨励賞が出され優秀賞をもらった人は全国大会に進みます。

課題曲は全日本学生音楽コンクールほど難しいものではありませんのでピアノを真面目にお勉強している人にとって挑戦はしやすいですが、優秀賞を頂いて全国大会に進むのは相当に厳しい関門だと言えると思います。その当時は優秀賞を頂くと「本選出場之証」という賞状を当時の審査委員長の故安川加壽子さんのお名前で頂きました。


次は東京で行われる全国大会ですが課題曲は地区予選とは別のものになります。全国から選抜された人が集まってきますのでこの全国大会で弾けるだけでも素晴らしい事です。私もそれしか考えておらず課題曲の中から自分で選んだモーツァルトのピアノ・ソナタ16番K.545ハ長調を無心に練習した思い出があります。

全国大会は家族旅行を兼ねて家族全員で東京には行きましたが、父と姉が東京見物をするのを横目で見ながら私はスタジオを借りて練習をしました。全国大会は銀座のヤマハホールで行われましたが、緊張する事なくいつも通りに弾けたように思います。

結果発表で私の番号が呼ばれ翌日の入選者演奏会で演奏させて頂ける事になりました。母は慌ててピアノスタジオの予約を取りに電話まで走って行ったそうです。

翌日の入選者演奏会はトップバッターの奏者でしたので、翌朝6時ごろから渋谷の宮益坂にある三浦楽器の方にお願いしてピアノの練習室を貸して頂き早朝練習をして演奏会に出ました。

その時一緒に出演した方々も皆さん今も音楽活動を精力的に続けていらっしゃいます。

後日教育連盟の方から会報と石橋メモリアルホールでのパネル写真を送って頂きましたが、その会報の中にお亡くなりになられた藤田晴子さんが入選者演奏会での奏者へのコメントを書いて下さっていました。私のモーツァルトを大変褒めて頂けたので一生懸命頑張って良かったと子供心に思った思い出があります。

小さい時の大変さは大人が思う程には子供は覚えていません。中学、高校となるとやらなくてはいけない事も増えてまいりますので、時間のある小さい時にピアノの基礎を身に付けておくのは良い事なのではないかと思います。

JPTA公益財団法人 日本ピアノ教育連盟ピアノ・オーディション公式サイト♪             
2015_07
27
(Mon)09:27

旧ワルシャワ高等音楽院院長Prof.Kazimierz Gierzodの思い出(中学生)

旧ワルシャワ高等音楽院(ショパン音楽大学)元院長ゲルジョード先生に初めてお目にかかったのはまだ中1になったばかりの頃でした。 ♪ゲルジョード先生♪は相愛大学客員教授でもいらしたので相愛音楽教室の熱意ある生徒は相愛大学で個人レッスンをして頂く事ができました。

私はその年の全日本学生音楽コンクール中学校部門の本選の課題曲の「ショパンのスケルツォ1番」を見て頂きました。初めは聞き慣れないポーランド語に驚いたのを今でも覚えています。

まず大きくアドヴァイスを受けたのが真ん中のクリスマスキャロルの部分でした。「ここのメロディはポーランドでは誰もが知っている有名な民謡です。」と原曲の民謡のメロディを大きな声で歌って下さいました。 そしてショパンの作曲したスケルツォ1番のクリスマスキャロルの部分を弾いて下さったのですがその心に染み渡る音楽は初めて聴くピアノでした。
Prof. Kazimierz Gierzod performs  F.Chopin.(ゲルジョード先生のショパン演奏)♬          

その当時お習いしていた故片岡みどり先生(相愛大学名誉教授)とゲルジョード先生は個人的に親しくなさっていたのでその後も何度も片岡先生のお宅でプラィベートレッスンをして頂きました。バッハのいろいろな曲やモシュコフスキーやショパンのロンドやショパンの華麗なる変奏曲などを見て頂きましたが、いつも音楽の基本を厳しくご指導頂いたように思います。

中1の時、学音の本選で弾き入賞したショパンのスケルツォ1番を(コンクール直前のレッスンの際片岡先生のお宅で先生に言われて録音したものですが)クリスマスキャロルの部分から最後まで楽譜の一部と共に現在you tubeにアップしております。
F.Chopin  Scherzo  No.1  h-moll  Op.20 ( Masako Tani)ショパンスケルツォ1番クリスマスキャロルより♬      

今もゲルジョード先生のお元気で演奏されるお姿をyou tubeで拝見し中学生時代に厳しくレッスンして頂いた事を懐かしく思い出します。
ゲルジョード先生と(中1)

参考ブログ
ショパン スケルツォ1番について
ショパン スケルツォ2,3番について