2015_08
31
(Mon)07:26

メンデルスゾーンのピアノ独奏曲、ピアノ三重奏曲、ヴァイオリン協奏曲、歌曲

MESSAGE
モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

メンデルスゾーン(1809~1847)と聞けば私がまず思い出すのは「無言歌集」ですが、子供の時にこの楽譜を先生から頂いた時はまるで一冊の絵本のようにファンタジックに感じました。 無言歌はドイツ語ではLied Ohne Worte(言葉のない歌)と言いますが、まさしく歌詞のない器楽のための歌でメンデルスゾーン自身が付けた名前です。
アンドラーシュ・シフ
ロマン派の時代に無言歌集のようなピアノ小品が多く作られるようになったのは、近代的なアクションを持つピアノ構造の基礎が1823年に確立した事が大きく影響しています。 この時、リストは12歳、ショパンとシューマンが13歳、メンデルスゾーンが14歳ですからロマン派の作曲家達が活躍する頃には、近代的な構造を持つ性能の良いピアノが広く普及していたわけです。

ロマン派の作曲家を演奏する時は、この事も考慮に入れなくてはいけないと思います。

さて無言歌集の中のOp.67ー4の「紡ぎ歌」は、私が小5の時の第9回日本ピアノ教育連盟ピアノ・オーディションで全国優秀者演奏会に出演した時の予選の課題曲の一曲でしたし、翌年の第47回全日本学生音楽コンクール小学校の部大阪大会で入選した時の予選の課題曲の一曲でもありました。 ですから楽譜がぼろぼろになるほど練習した曲ですが、糸を紡ぐ車のイメージを表現した曲ですのでプレストの指示通り大変速い曲で高度なテクニックを要求される曲です。

メンデルスゾーン「無言歌集」より紡ぎ歌Op.67-4♫~ダニエル・バレンボイム(楽譜付き)

メンデルスゾーン「無言歌集」より紡ぎ歌Op.67-4♫~エミール・ギレリス(映像あり)




次にメンデルスソーンの思い出の曲は小学4年の発表会で弾いた「3つのエチュード 作品104b」です。 大変ヴィルトゥオーゾな曲ですので子供心に嬉しく張り切って練習した思い出があります。
ニキタ・マガロフ
 
メンデルスゾーン「3つのエチュード 作品104b」♫~ニキタ・マガロフ

このように難易度の高いエチュードを体の柔らかい小さい間に弾く事で将来ピアニストとして必要なテクニックが養われていくのだと思います。 ちなみに演奏しているニキタ・マガロフはマルタ・アルゲリッチの先生ですが、その端正なピアノを母が好んでいたらしく私がこの曲を練習している期間は良く家の中で上のマガロフのCDがかかっておりました。




次は私の好きなメンデルスゾーンの作品をご紹介しようと思います。 まずはメンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64」です。 有名な曲ですので皆さんご存知だとは思いますが、私もCDが擦り切れるほど良く聴いています。
グリュミオー

メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」♫~Violin Sayaka Shoji




次は私の好きなメンデルスゾーンの歌曲をご紹介します。 これも学校の音楽の授業等で良く使われますので皆さんすでにご存じだとは思います。 歌詞はドイツの詩人ハイネの詩によるものですが、タイトルはメンデルスゾーンが付けたものです。
歌の翼に
歌の翼に

メンデルスゾーン歌曲「6つの歌作品34」から「第2曲歌の翼に」♫~エディタ・グルベローヴァ




次にご紹介するのはメンデルスゾーンピアノ三重奏曲です。  メンデルスゾーンはドイツロマン派の作曲家・指揮者・ピアニスト・オルガニストですが、1839年メンデルスゾーン自身のピアノで初演されたのが4楽章からなる「ピアノ三重奏曲第1番ニ短調作品48です。 メンデルスゾーンはピアノの名手だったためにピアノのパートが高度な技巧を要求され聴く以上にピアノの人は大変な思いをして弾いております。 晩年の1845年に作曲されたのがやはり4楽章からなる「ピアノ三重奏曲第2番ハ短調作品66」です。 第1番はシューマンにベートーヴェン以来のピアノ三重奏だと絶賛されましたが、晩年に作曲された第2番はそれ以上の作品だと言われています。
メンデルスゾーンピアノ三重奏曲
メンデルスゾーンピアノ三重奏曲

いつもお世話になっている芦屋のサロン・クラシックのオーナーの中西淳子さんから来年メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番と第2番の両方をしてみたらどうかとお声をかけて頂きましたので、今阿部先生にレッスンをして頂いて勉強をしております。

[#またコンサートの日程が確定致しましたらホームページやブログでお知らせさせて頂きますので、その折は多くの方のご来場をお待ち申し上げております。#]
 
メンデルスゾーンピアノ三重奏曲第1番
メンデルスゾーンピアノ三重奏曲第1番♬~キーシン、マイスキー
メンデルスゾーンピアノ三重奏曲第2番♫~レフ・オヴォーリン(ピアノ)、スヴェトスラフ・クヌシェヴィツキー(チェロ)、ダヴィッド・オイストラフ(バイオリン)


名曲ですので楽しみにお待ち下さい。

(門下の方は上でご紹介したメンデルスゾーンのCDをお貸しします。 他に1835年メンデルスゾーン自身が指揮者に就任したライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団演奏のオラトリオ「エリア」のCDもございます。 これはハイドンの「天地創造」、ヘンデルの「メサイア」とともに三大オラトリオと言われていますが、メンデルスゾーンの宗教音楽の作曲家としての一面も良く知れる作品です。 受付までお尋ね下さい。)
オラトリオ「エリア」
ヘンデル「メサイア」


明日はメンデルスゾ―ンが1829年20歳の時、バッハの死後初めてベルリンで復活上演させたバッハの「マタイ受難曲」について書きます。




















 
2015_08
30
(Sun)08:31

フイールド、ショパン、フォーレのノクターンと、フォーレのチェロ小品

<8月30日2稿目>

「ノクターン」と言えばショパンが代名詞のように言われますが、実はいろいろな作曲家がノクターンを作っています。 先日ご紹介しましたリストの「愛の夢第3番」もそうですが、数あるノクターンの中でも特に知られているのがショパンの「ノクターン2番Op.9-2」ではないかと思います。 ショパンコンクールの覇者ユンディ・リーの演奏にリンクしたいと思います。

ショパン「ノクターン2番」~ユンデイ・リー


「ノクターン」(夜想曲)はイギリスのピアニスト・作曲家ジョン・フィールド(1782~1837)が初めて付けたピアノ曲の名称でラテン語のnox(夜)が語源です。 フランス語ではnocturne、イタリア語ではnotturnoと言われますが、夜の瞑想をイメージしたキャラクター・ピースを表し何か形式的な決まり事があるというわけではありません。 ジョン・フィールドの作曲したノクターンは左手のアルぺージョの伴奏にのってメロディが歌いあげられるという技巧的にはそんなに難しいものではありません。

ジョン・フィールド「ノクターン2番」♫


ジョン・フィールドのノクターンをすでにワルシャワ時代に聴いていたと思われるショパンですが、ショパンはノクターンを全部で21曲作っており作曲の時期も20歳から晩年までに渡っております。 フィールドのノクターンをもっとベルカントにそして技巧的にも深く進化させていったショパンですが、その中でも20番の「遺作嬰ハ短調」は映画の戦場のピアニストで使われ一躍人気曲となりました。 大変美しい曲ですのでyou tubeに私の演奏をアップしております。リンク致します。

ショパン「ノクターン20番嬰ハ短調遺作」~谷 真子


この曲は私が中3から帰阪するまでプライベートでお習いしていた東京在住のピアニストの関孝弘先生がアンコールで必ず弾かれていた曲ですが、全音から楽譜も出されていますのでご紹介します。
関孝弘先生校訂ショパンノクターン20番嬰ハ短調遺作全音楽譜

次にショパンの影響を受けた作曲家にフオーレ(1845~1924)がいます。 フォーレは13曲のノクターンを作っていますが亡くなる直前の1921年に作曲された「ノクターン13番ロ短調作品119」はフォーレの最後のピアノ独奏曲でフォーレの人生観の良く分かる素晴らしい作品です。 またノクターンの6番は1894年に作曲された曲ですが、フォーレのノクターンの中だけでなくロマン派のピアノ曲の中でも最高傑作の作品の一つと言われている大変美しい曲です。

フォーレのこの2曲のノクターンにリンク致しますが、今日はフランスの女流ピアニストのお二人をご紹介致します。 
一人目はイヴォンヌ・ルフェビュール(1898~1986)です。 コルトーの弟子で教育者としても名高いピアニストの方でパリ国立高等音楽院教授を務められた方です。 リパッテイ、フランソワの先生としても有名です。 
二人目はマクダ・タリアフェロ(1898~1986)です。 やはりコルトー、そしてフォーレの弟子ですがフォーレの作品を数多く演奏した事でも有名です。 

Yvonne Lefebure(イヴォンヌ・ルフェビュール)~フォーレ「ノクターン6番、13番」♫


Magda Tagliaferro(マクダ・タリアフェロ)~フォーレ「ノクターン6番」♫


門下の皆様にとても良いご本を一冊ご紹介致します。 それはマクダ・タリアフェロ氏を安川加寿子氏から紹介され晩年の女史にパリで師事された田村安佐子さんとおっしゃるピアニスの方が書かれた「ピアニストへの基礎」というご本です。

「ピアニストへの基礎」~田村安佐子(筑摩書房)
ピアニストへの基礎
ピアニストへの基礎

(門下の方はお貸し致しますので受付までお尋ね下さい。)

あとお一人フランスの女流ピアニストの方をご紹介させて頂きます。 アンリエット・ピュイグ=ロジェさん(1910~1992)とおっしゃるフランスの女流ピアニストの方ですが、長く東京芸術大学で教鞭を取ってらしたので日本にも数多くのお弟子さんがいらっしゃいます。 
私が小さい時お習いしていました故片岡みどり先生(相愛大学名誉教授)にそのお名前を教えて頂いたピアニストの方ですが、ピアノに対する厳格な姿勢には片岡先生もご尊敬申し上げていると良くロジェ先生のお話をされていました。 審査員に入る時は必ず楽譜を持って入りましょうと皆様にお話されていたそうです。
私もフォーレのノクターンの6番の入ったCDを1枚持っております。
アンリエット・ピュイグ=ロジェCD
アンリエット・ピュイグ=ロジェCD

(門下の方でお聴きになられたい方は受付までお尋ね下さい。)  

最後に1稿でご紹介しましたニコラ・デルタイユ氏(チェロ)と私がデュオ・コンサートで演奏しましたフォーレの「エレジー」他小品の演奏をyou tubeにアップしておりますのでリンク致します。 お楽しみ頂けたらと思います。

フォーレ「夢のあとに/シチリアーノ/エレジー」~ニコラ・デルタイユ(チェロ)、谷真子(ピアノ)♫


明日はメンデルスゾーンについて書いてみようと思います。











2015_08
30
(Sun)06:54

ドビュッシー チェロ・ソナタ 二短調、12の練習曲

MESSAGE(8月30日1稿目)
モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

チェロという楽器は何故か人の心に染み渡る音色を持っている魅力的な楽器ですが、私が今までソロで生を聴いたチェリストはミッシャ・マイスキーと上村昇と宮田大とニコラ・デルタイユ各氏の4人です。

どなたも世界的な素晴らしい演奏家の方ですがそれぞれに個性がありいつもチェロの音には心を癒されて帰宅致します。 ピアノも人の声のような、そしてチェロのような音が出せればと日々練習をしておりますが高い目標です。

さてドビュッシー(1862~1918)のチェロ・ソナタですが、この曲はドビュッシー最晩年の作品で(1915)当初は「いろんな楽器のための6つのソナタ」を作る構想だったようですが、3つ完成したところでドビュッシーは亡くなり未完に終わったようです。 しかし3つのソナタはどれも名曲でそれぞれ今も多くの演奏家に愛奏されております。(「バイオリン・ソナタ」、「フルート・ヴィオラとハープのためのソナタ」、「チェロ・ソナタ」)

ドビュッシーのチェロ・ソナタは第1楽章がPrologue 第2楽章がSerenade 第3楽章がFinalとなっておりますが、第2楽章と第3楽章はアタッカで結合されており続けて演奏されます。 

お聴きになられた事のない方も多いと思いますのでyou tubeにアップしておりますニコラ・デルタイユさんと私の演奏にリンク致します。
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ドビュッシー チェロ・ソナタ第1楽章~ニコラ・デルタイユ(チェロ)/谷 真子(ピア)♫

ドビュッシー チェロ・ソナタ第2・第3楽章~ニコラ・デルタイユ(チェロ)/谷 真子(ピアノ)♫

ドビュッシー チェロ・ソナタ♫~アルゲリッチ、マイスキー

ドビュッシーについては各種の文献が出されており私も演奏する際にはこれらの本に目を通すわけですが、今日はドビュッシー本人が書いた評論とインタビューが集められ一冊の本としてフランスで出版されたものを、日本語に翻訳した本がありますのでそれをご紹介したいと思います。 評論の方は生前ドビュッシー自身が選んだ自選集のようです。

「Monsieur Croche autres ecrits」(1971)~Francois Lesure編集・校訂 ガリマール書店
「ドビュッシー評論集~音楽のために」 杉本秀太郎訳(フランス文学者) 白水社
ドビュッシー評論集 杉本秀太郎訳 白水社
ドビュッシー評論集目次



ドビュッシーの曲でもう1曲ご紹介致したいと思います。 「12の練習曲」の中の11曲の「Pour les arpeges composes」(アルぺージョのための」という曲です。 「12の練習曲」はドビュッシーの遺言書とも言える晩年の曲ですが、彼のピアノ書法が全て表されておりこの曲の後はピアノ独奏曲は作曲しておりません。 ギーゼキングを始めこの曲は何枚かCDを所有しておりますがその中で貴重なCDをご紹介したいと思います。

安川加寿子 ドビュッシー・ピアノ音楽全集
 安川加寿子 ドビュッシー・ピアノ音楽全集

安川加寿子さんはメトードローズやラジリティなどの教則本の校訂でもお名前が知られている日本を代表される女性ピアニストの方ですが、生まれてすぐフランスに行かれ18年間フランスで育たれたそのエレガントな優美さは今の私達にとっても憧れのピアニストの方です。

you tubeには安川加寿子さんのこの曲はアップされていませんので内田光子さんのドビュッシーの「12の練習曲」のコンプリート版にリンク致します。 「アルぺージョのための」は第11曲になります。

ドビュッシー「12の練習曲」~内田光子

フランス近代風景画展図録より
ちなみにyou tubeにドビュッシーの「12の練習曲」より第11曲の私の演奏もアップしております。 よろしければお聴き頂ければ嬉しく思います。

ドビュッシー 「12の練習曲」より第11曲「重複するアルぺージョのための」~谷 真子




最後に、この記事の初めのドビュッシーのチェロ・ソナタで登場しましたベルギーのチェリストのニコラ・デルタイユ氏のCDをご紹介致します。
F. Schubert 「アルぺージョとピアノのためのソナタ」D821
チェロ~ニコラ・デルタイユ/ピアノ~パウル バドゥーラ=スコダ(ウイーンを代表する巨匠の方です。)
ニコラ・デルタイユCD
アルぺージョという古楽器で演奏されたシューベルトのアルぺージョ・ソナタですが心癒されるベルギーのニコラ・デルタイユ氏のアルぺージョの音色とウイーンのスコダ氏の熟練されたピアノを楽しめるのではないかと思います。

Nico;as Deletaille公式サイト(現在ベルギーブリュっセル王立音楽院准教授)♪


ドビュッシーの「12の練習曲」については別に詳しく書いておりますのでそちらもお読み頂ければと思います。

ドビュッシー 12の練習曲 ブログ











 
2015_08
29
(Sat)07:28

リスト「愛の夢 3つのノクターン」

MESSAGE
モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

リスト「愛の夢 3つのノクターン」の第3番S.541はとても有名な曲で映画、ドラマ、フィギュアスケートの試合等良く使用される名曲ですが、まだお耳にされた事がないという方のためにyou tubeにアップされている私の演奏をまずお届け致します。

リスト「愛の夢 3つのノクターンより 第3番S.541」~谷真子
https://www.youtube.com/watch?v=JVvoRvMEM0U

このリストの「愛の夢」はもともとリストが作曲した歌曲でしたが、それをリストがピアノ独奏用に編曲したものです。 歌曲の第3曲のS.298の歌詩はドイツの詩人のフェルディナント・フライリヒラート(1810~1876)の「O lieb, so lang du lieben kannst !」(おお、愛しうる限り愛せ)という詩からです。 フライリヒラートの詩は人類愛を唱えた道徳的な内容のものですが、リストは初めの5節に付曲しており親子、夫婦、友人などの人間愛を歌い上げた大変きれいな歌曲です。 you tubeにリンク致しますのでお聴き下さい。

リスト「愛の夢 第3曲 S.298 おお 愛しうる限り愛せ」~DIANA DAMRAU(ソプラノ)、HELMUT DEUTSCH(ピアノ)
"O lieb, so lang du lieben kannst"
https://www.youtube.com/watch?v=RnSM0MzymMg

ドイツ文学者井上正蔵(1913~1989)訳「フライリヒラート詩集」より
”おお、愛しうる限り愛せ”

愛しうるかぎり愛せよ
愛したいとおもうかぎり愛せよ
墓場にたたずみ なげきかなしむ
ときがくる ときがくる

なんびとか 愛のまごころを
あたたかくおまえのためにそそぐとき
おまえは 胸に愛をいだいてあたため
ひたぶるにその炎をもやすがいい

胸を おまえのためにひらくひとを
できるかぎり愛せよ
いかなるときもそのひとを悦ばし
いかなるときも そのひとを嘆かすな

わが舌をよくつつしめよ
あしざまの言葉をふと口にしたら
ああ それは けっして悪意からではなかったのに
けれど その人は去り そして悲しむ

愛しうるかぎり 愛せよ
愛したいとおもうかぎり愛せよ
墓場にたたずみ なげきかなしむ
ときがくる ときがくる

その時おまえは墓のほとりにひざまづき
うれいに濡れた まなざしを おとす
もはやそのひとの影もない
ほそい しめった 墓場の草ばかり

「あなたの墓に涙をながしている
このわたくしをごらんください
わたくしが あなたをののしったのも
ああ それはけっして悪意からではなかったのです」

がそういってもその人は聞きもしないし見もしない
喜んでおまえをいだきにもこない
しばしばおまえに接吻したその人のくちびるは
ふたたび「とうに許しているよ」とも語らない

あの人は 許したのだ とうにおまえをゆるしていたのだ
おまえのおかげで おまえのきたない言葉のために
あつい涙をとめどなく流していたけれど
今は しずかに眠っている もうふたたび目をさましはしない

愛しうるかぎり愛せよ
愛したいとおもうかぎり愛せよ
墓場にたたずみ なげきかなしむ
ときがくる ときがくる

リスト 愛の夢 第3番♫~エフゲニー・キーシン
リスト 愛の夢 第3番♫~アルトゥール・ルービンシュタイン

ほとんど弾かれませんが、リスト「愛の夢」の第1番と第2番(ピアノ独奏)にもリンクしておきます。

リスト「愛の夢 第1番」~ピアノ独奏
https://www.youtube.com/watch?v=qlLcRbi_Qa0

リスト「愛の夢 第2番」~ピアノ独奏
https://www.youtube.com/watch?v=pmYn46Sr3pI

明日はドビッシーのチェロ・ソナタ他について書きます。





2015_08
28
(Fri)12:39

阿部裕之先生御選定によるヤマハC3X購入のご案内(三木楽器)

INFORMATION
ハイドン

阿部裕之先生御選定によるヤマハC3X購入のご案内(三木楽器)
阿部裕之先生御選定ヤマハC3X購入のご案内(三木楽器)

<選定とは?>
グランドピアノを購入する際には数台のピアノの中から自分の好みに合った音色のピアノを一台選びますが、その選ぶ作業の事を「選定」と呼びます。 通常はプロのベテランのピアニストの方や技術の方に一緒に選んで頂いて選定のためのアドヴァイスをして頂きます。 今回、ピアニストの阿部裕之先生のご好意でお忙しい中、その選定の作業に立ち会って下さる事になりました。 プロのピアニストとしての長いキャリアに基づいた貴重なご意見を頂けますので、安心してピアノをご購入頂けるのではないかと思います。

阿部裕之先生ご紹介記事
http://masakotani.jp/blog-entry-31.html

<三木楽器営業木村伸一さんから>
一組3台のピアノをご用意致しておりその中からお選び頂けます。 この度C3Xは値上がり致しましたが、値上がり前のお値段でご購入頂けます。 残り3枠ですのでお早くお申込み下さい。

<先生から門下の方へ>
8月24日のブログにも書きましたが、(電子ピアノはもちろんですが)アップライトピアノとグランドピアノとは構造の全く違う別の楽器です。 コンクール入賞や専門の道へ進む事をお考えのお宅は、お子さんにグランドピアノを用意してあげるのが、まず先決かと思います。 購入しやすいように、楽器店の方でいろいろ工夫して下さっていますので、この際門下の方には思い切ってご検討してみられてはいかがでしょうか? 希望者の方は受付までお尋ね下さい。

門下以外の方でももしご希望の方がいらしたらご紹介致します。 お問い合わせ下さい。(もし3枠一杯になりましたらお許し下さい。)     0742-46-2302(谷宅)まで




2015_08
28
(Fri)07:35

F. リスト 巡礼の年第2年「イタリア」よりソナタ風幻想曲「ダンテを読んで」

MESSAGE
モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

リスト(1811~1886)の「ダンテを読んで」はリストの巡礼の年:第2年「イタリア」の中の最後の曲ですが、<第2年「イタリア」>は、イタリアの文学と絵画に焦点が当てられて作曲されています。

1番目の「婚礼」は、イタリアの画家ラファエロ(1483~1520)の名画「聖母の婚礼」に、 2番目の「もの思いに沈む人」はイタリアの彫刻家、詩人のミケランジェロ(1475~1564)の彫刻と詩に基づいて作曲されています。 3番目の「サルヴァトール・ローザのカンツォネッタ」のサルヴァトール・ローザ(1615~1673)はイタリアの画家、詩人、作曲家の名前です。 4、5、6番目の「ペトラルカのソネット」はイタリアの叙情詩人でイタリアでのルネッサンス運動の主唱者の一人であるペトラルカ(1304~1374)のソネットに、そして最後の「ソナタ風幻想曲”ダンテを読んで”」はイタリアの詩人ダンテ(1265~1321)の「神曲」に基づいて作曲されています。

この「ダンテを読んで」というタイトルはフランスの小説家、詩人のヴィクトル・ユーゴー(1802~1885)の「内なる声」という詩集の第27編のタイトル「ダンテを読んで」から取られています。 ダンテの神曲は聖書と同じくキリスト教の世界観を描いた物語です。ダンテを読み、またユーゴーを読んだリストがインスパイアされてこの難曲と言われる「ダンテを読んで」を作曲したのだと思いますが、まずは聴かれた事のない方のために私がyou tubeにアップしています<リスト ソナタ風幻想曲「ダンテを読んで」>をお聴き頂ければと思います。

リスト 巡礼の年:第2年「イタリア」より第7曲「ダンテを読んで」ソナタ風幻想曲♫~谷 真子

リスト「ダンテを読んで」推薦楽譜~谷真子
リストエディトムジカブタペスト版

「ダンテを読んで」地獄篇楽譜冒頭
ダンテ地獄篇楽譜冒頭

「ダンテを読んで」煉獄篇楽譜冒頭
ダンテ煉獄篇楽譜冒頭

「ダンテを読んで」天国篇楽譜冒頭
ダンテ天国篇楽譜冒頭

レッスンはピアノを使ってでないと伝えきれないところがありますがレッスンの側面補強になるような事を書きたいと思います。

ダンテの「神曲」は14世紀に書かれた現代の日本人にはとても難解な叙事詩ですが、要約しますとダンテが三人の案内人に案内されて地獄、煉獄、天国へと導かれて行き、最後は神の愛の象徴の白いバラを見つけ、この世は全て神の愛、心で動いている事を悟り神の愛の偉大さと美しさを知るという長大な韻文で書かれた叙事詩です。 

15世紀に入ると「Divina Commedia」と呼ばれるようになりますが、ダンテ自身はラテン語ではなく当時の俗語で書いている事や、最後が静穏で終わる事から「Commedia」(喜劇)と名付けたようです。

リストは「ダンテシンフォ二ーS.109」という交響曲も作曲しています。 ピアノ独奏曲よりも分かりやすいかと思いますのでリンク致します。 (ワーグナーのアドヴァイスにより天国篇は描写されず地獄篇と煉獄篇の2楽章で、煉獄篇の最後のマ二フィカトは女性合唱で天を見上げながら静かに終わります。  時空を超えてダンテが生きた14世紀のイタリアにに飛びファンタジーを膨らませてお聴き下さい。)

リスト「ダンテシンフォ二ー」

ダンテ「神曲」の中に登場するダンテの案内人の一人のウェルギリウス(Virgil)は紀元前70年から紀元前19年に生きた古代ローマの詩人です。 ダンテが我が師と仰いでいた詩人ですが地獄と煉獄を案内しています。

天国を案内するのはベアトリーチェという女性ですが、ダンテが愛した実在の女性とも言われていますが別説もあります。
ダンテ(シエナ美術展図録より)
ダンテ
ベアトリーチェ(シエナ美術展図録より)
ベアトりーチェ

エンピレオを案内するのは聖人のベルナルドゥス(1070~1153)ですが、そこでダンテは神を見付けこの世は全て神の愛で動いている事を知るというお話です。

リスト ダンテを読んで♫~チョ・ソンジン

参考に東京と大阪のイタリア文化会館(イタリア大使館文化部)にリンクしておきます。
東京イタリア文化会館
大阪イタリア文化会館

明日は皆に親しまれているリストの「愛の夢」について書こうと思います。



2015_08
27
(Thu)07:37

武満徹と文学

MESSAGE
モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

武満徹(1930~1996)は日本だけでなくTORU TAKEMITSUとして欧米でも大変有名な現代作曲家ですが、彼の文章で使われる言葉は音と同じくらいの綿密な集中力をもって選び抜かれた感銘を与える言葉が多く、沈黙は金なりとは言いますが沈黙以上の言葉ではないかと感じます。

武満徹は詩人滝口修造(1903~1979)のもとに集まった芸術家で結成された「実験工房」(1951~1957)の結成時のメンバーでもあります。 「遮られない休息 1」(1952)を初演した若き日のピアニストの園田高弘氏(1928~2004)も同人でいらっしゃいました。  

武満徹著作集1に収められている「音、沈黙と測りあえるほどに」(1971)のエッセイの前文に、滝口修造が「余白に」という文を寄せていますが、これを読むと武満徹の音楽が良く分かります。 また指揮者の小澤征爾氏(1935~)との対談集も興味深い話題が多く、現在の若い音楽家(私もそうですが)への警鐘の対談かもしれません。

武満徹著作集
武満徹と小澤征爾対談「音楽」


次は詩人の滝口修造の詩「遮られない休息」から武満徹がインスパイアされて作曲した「遮られない休息」をご紹介しようと思います。
「遮られない休息」他~ロジャー・ウッドワード
TORU TAKEMITSU CD

「遮られない休息 1」(初演1952年 園田高弘)~高橋アキ(ピアノ)
https://www.youtube.com/watch?v=GIhMOghwxio

「遮られない休息 2」(初演1959年 笠間春子)~高橋アキ(ピアノ)
https://www.youtube.com/watch?v=vqobGGQCIok

「遮られない休息 3」(初演1959年 笠間春子)~高橋アキ(ピアノ)
https://www.youtube.com/watch?v=n6DVKyU-pOs

3曲で7分弱の短い曲ですが、詩の情景を描写したというより詩を読んで感じた印象を音楽にされたようです。
生前、保守的で有名なウイーンフィルも武満徹の曲を演奏したそうで武満氏は大変喜ばれたそうだす。

ちなみに滝口修造翻訳の名著「芸術の意味」をご紹介します。
滝口修造訳「芸術の意味」
http://www.msz.co.jp/book/detail/00108.html
長く読まれているベスト・セラーの本ですが、門下の方で興味のある方はお貸ししますので受付までお尋ね下さい。

明日はリストの「ダンテを読んで」について書いてみようと思います。
 




2015_08
26
(Wed)16:56

交響曲の父「ハイドン」

MESSAGE 
モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

ハイドン(1732~1809)は「交響曲の父」と呼ばれ、 その時代からすれば長生きをした人です。 モーツァルトも随分慕っていたようで、ハイドンがイギリスに立つ前の今生の別れとなった日の事は、ハイドンにも心にひっかかるものがあったようです。  モーツァルト(1756~1791)の方が先に亡くなるわけですが、ハイドンのお葬式にはモーツァルトのレクイエムが流されたそうです。 

ハイドンのシンフォ二ーは誰でもが音楽の授業などで聴いた事があるという曲が多いですが、一説ではハイドンの作曲ではと言われていた「Toy Symphony」(おもちゃのシンフォ二ー)はどなたでも小さい時歌い踊った覚えがあるのではないかと思います。(おもちゃのシンフォ二ーはL.モーツァルトの作曲、エドムント・アンゲラーの作曲という説もあり、作曲者は諸説ありますが、いずれにしても楽しい曲です。)

♫「おもちゃのシンフォ二ー」にリンク致しますのでどうぞお楽しみ下さい。♫

ハイドン
ハイドン
ハイドンの生家
ハイドンの生家
ジュニア音楽図書館「交響曲の父ハイドン」~私が子供の頃読んでいた本です。
ジュニア音楽図書館



ハイドン交響曲第101番「時計」、第94番「驚愕」
ハイドン交響曲101番、94番

♫ハイドン交響曲第101番「時計」にリンク致します。♫
この「時計」という標題はハイドンが付けたものではありません。 しかし当時ウイーンで流行っていた音楽時計がハイドンの中にモチーフとしてあったのではないかと言う人もいます。  第2楽章の伴奏のリズムが時計を連想させてくれます。

♫次はハイドン交響曲第94番「驚愕」にリンク致します。♫
この「驚愕」という標題もハイドンが付けたものではありませんが、当時から人々はそう呼んでいたようです。 2楽章のアンダンテの静かな部分で突然ティンパニーなど全楽器がforteになりますので、ハイドンが聴衆を眠らせないためにそう作ったのではないかとささやかれ当時から「surprise]と呼ばれていたようですが、真偽は確かではないようです。

ハイドン交響曲第94番「驚愕」、第92番「オックスフォード」、第104番「ロンドン」
ハイドン交響曲「ロンドン」他

ハイドン交響曲第104番「ロンドン」にリンク致します。
一連のロンドン協奏曲(ザロモン・セット)の最後の曲ですがこの標題もハイドンが付けたものではありません。 締めくくリに相応しい堂々とした曲です。 

この曲を演奏した後、ハイドンはウイーンに戻り、その後は交響曲は一曲も作曲しておりません。
ハイドンはオーストリアを代表する作曲家ですが、パパハイドンと呼ばれ多くの人に敬愛されていたようです。 

CDや本に興味のある門下の方は受付までお尋ね下さい。

明日は武満徹と文学について書きます。

参考ブログ
室内楽を聴く楽しさ(ハイドン弦楽四重奏曲)」





















2015_08
25
(Tue)07:57

ストラヴィンスキーの「兵士の物語」

MESSAGE(門下の方はどうか各自の答えを見つけてみて下さい。)
モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

ストラヴィンスキー(1882~1971)の「兵士の物語」を聴かれた事があるでしょうか? 本来は「読まれ、演じられ、踊られる」ユニ-クな新しい音楽のジャンルですが、まずは聴かれた事のない方のためにバレンボイムの音楽にリンク致します。

ストラヴィンスキー「兵士の物語」♫~指揮ダニエル・バレンボイム


登場人物は語り手、悪魔、兵士、王女の4人です。 音楽は7人の室内オーケストラによって演奏されます。 音楽にはストラヴィンスキーの友人のスイスの指揮者アンセルメがアメリカ演奏旅行から帰国した際ストラヴィンスキーに贈ったアメリカのラグタイムやディキシーランド・ジャズの音とリズムの影響があり、ストラヴィンスキーがそれを彼独自の分析で作曲に活かしています。 

台本はアファナシェフというロシアの民族学者の書いたロシア民話集の中の物語からラミューズという小説家が執筆したものですが、第一次世界大戦の直後という時代背景もこの作品の誕生には大きく影響していたようです。

私の所有するCDはコクトー版と呼ばれるものですが、朗読と音楽でパフォーマンスが進んでいきます。 
ストラヴィンスキー兵士の物語コクトー版
(門下の方でご興味のある方はCDお貸し致しますので受付までお尋ねください。)

物語は休暇で故郷に帰る兵士の話ですが、途中悪魔と出会い自分のヴァイオリンと物欲との交換を持ち出されます。 それに応じた兵士は夢のような時を過ごしますが3日のつもりだったのが、実は3年経っていたのです。

周りの状況はすっかり変わっています。 時を悪魔に盗まれたと知った兵士は怒りますが、夢を手に入れた代わりに自分には愛がないのに気付きます。 兵士はすでに楽しんだ物欲をかなぐり捨てバイオリンを取戻し愛する王女も手に入れます。

全てを手に入れようとする兵士に語り手は 「すべてを手に入れる権利はないのだ。 それこそ禁断。 幸福はひとつで充分。 二つとなったら幸福などなくなったのと同じ事。」と告げます。 

しかし兵士は全てを手に入れようと今の自分と昔の自分の二つを手に入れるために王女を連れて昔に帰ろうとします。

答えはこの作品の中では出ていません。 

私は人間の欲望に優劣や貴賤はないのではないかと思っています。 ささやかな事でも自分が欲しいもの何か一つ手に入れられたら人間は幸せなのではないかと思います。 全ての欲望を手に入れる事は不可能なのではないでしょうか。 辛い事、大変な事、厳しい事、そういうやりたくない事はやらないで、楽しい事、嬉しい事、喜ばしい事だけを魔法のように手に入れる事ができるなら良いですが、何かを手に入れるためにはその何倍もの人知れない努力がいるのではないかと思っています。


+++追記+++ 

兵士の物語 ピアノ編曲版 楽譜♪~アカデミア・ミュージック



明日はINFORMATIONの写真のハイドンのシンフォニーについて書こうと思います。 


2015_08
24
(Mon)08:13

シューベルトとドイツリート

MESSAGE
モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

今日はシューベルト(1797~1828)とドイツリートについて書こうと思います。

シューベルトモデルベーゼンドルファー
(シューベルト生誕200年記念シューベルトモデルのベーゼンドルファー~元日本ベーゼンドルファー大阪ショールームお披露目会にて)

オペラの伴奏をする時はオーケストラの代わりにピアノを代用しているわけですが、ドイツリートの伴奏は伴奏というより歌とピアノといった方がいいのではないかと思います。 最近はプログラムにもあまり伴奏という言葉は使われなくなってきているのではないでしょうか。 ドイツリートは歌が登場人物だとするとピアノはその背景や情景描写の役目を担っています。 シューベルトの歌曲などはピアノの情景描写が上手くないと歌手の人は大変歌いにくいという話を聞きます。 オペラでもそうですが、ドイツリートにおけるピアノの役割はかなり重要なのではないかと思います。

さてドイツリートと聞いてまず私が思い浮かべるのはシューベルトとシューマンですが、中でもシューベルトは私の好きなウイーン出身(正確にはウイーン郊外)という事もあり歌曲のCDはソプラノ、バリトンと何枚も持っております。 シューベルトは後にウイーン少年合唱団となる宮廷礼拝堂附属の合唱団出身ですが、「歌曲の王」と呼ばれるくらいメロディの美しい詩心にあふれた曲を多く作曲した天才作曲家です。 

(門下の方でシューベルトの歌曲をお好きな方はCDお貸ししますので受付まで申し出て下さい。)

シューベルトについての詳細は下記のアドレスのフランツ・シューベルト・ソサエティ(FSS)のホームページをクリックなさって見て下さい。 シューベルトを愛好される立派な方々が作られている伝統のある会ですが、シューベルトのお好きな方ならどなたでも入会できます。  またいろいろな良質のシューベルトの演奏会の紹介などの企画もなさっています。

フランツ・シューベルト・ソサエティ(事務局 東京都文京区小石川)♪


フランツ・シューベルト・ソサエティ
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ドイツ文化センター
ドイツ文化センターで
さて学生時代を含めドイツリートの伴奏は数多くしてまいりましたが、私の好きな歌曲とそのCDについて何曲か書いてみようと思います。 言葉で語るよりも音楽を聴いて頂くのが一番分かりやすいと思いますので何曲かリンク致します。

<シューベルト「音楽に寄せて」、「水の上で歌う」、「野ばら」~エリー・アーメリング、ルドルフ・ヤンセン/ダルトン・ボールドウィン(ピアノ)>↓
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シューベルト「音楽に寄せてD.547(作品88の4)」♫~エリー・アーメリング
(シューベルトの音楽への感謝の気持ちが力強いピアノにのって堂々と歌われます。)

瀧崎安之助訳ドイツリート詞華選表紙
音楽に寄せて 詩
(音楽に寄せての詩)


シューベルト「水の上で歌うD.774(作品72)」♫~バーバラ・ボニー、ジェフリー・パーソンズ(ピアノ)
(ピアノで水を表現します。)

→♫シューベルト/リスト「水の上で歌う」~エフゲニー・キーシン


野ばらD.257(作品3の3♫~ぺーター・シュライアー、ルドルフ・ブッフビンダー(ピアノ) 
(ゲーテの詩によるものですが愛らしい作品です。)
シューベルト「ゲーテの詩による歌曲集」ベーレンライター版
(シューべルト 「ゲーテの詩による歌曲集」楽譜)



シューベルト「魔王」~フィッシャー=ディースカウ、アルフレッド・ブレンデル(ピアノ)
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シューベルト「魔王D.328」♫~ディートリッヒ・フィッシャー=ディスカウ


→♫シューベルト/リスト「魔王」~エフゲニー・キーシン


シューマン「リーダークライス作品39」~フィッシャー=ディースカウ、アルフレッド・ブレンデル(ピアノ)
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シューマン「リーダークライス作品39」より第5曲「月の夜」♫~エリー・アーメリング、イエルク・デームス(ピアノ)



シューベルティアーデ
シューベルト
(Bーtech Japan Osaka studioにて)

シューベルトは貴族社会の作曲家から市民社会の作曲家と時代が変遷していく中の人でロマン派の人と言っても良いのではないかと思いますが、音楽はウイーン古典派に近いものを持っているのではないかと思います。 後の多くの作曲家に多大な影響を与えましたが、日本でも私の祖母の年代の方(昭和4年生まれ)ではシューベルトの野ばらや菩提樹をみんなで良く口ずさんでいたという方は多いのではないかと思います。

ネット社会の現代の中で心癒される作曲家の一人ではないかと思います。
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明日はストラヴィンスキーの「兵士の物語」について書きます。






















 
2015_08
22
(Sat)07:03

Balazs MIKUSI ,PhD モーツァルトK.331自筆譜発見(ハンガリー国立セニーチェ図書館)

MESSAGE
モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

8月17日のブログで触れましたハンがリー国立セニーチェ図書館の世界を驚かせた出来事であるモーツァルト/ピアノ・ソナタK.331の自筆譜を発見されたのは、私がシューマンの写稿譜の事でお世話になった音楽部門主任のバラシュ・ミクシ氏でした。

8月17日ハンガリー国立セニーチェ図書館についての私のブログ


Dr. Mikusiにはシューマンの写稿譜をお送り頂く時、大変お世話になりました。

Dr. Mikusiのシューマンに関してのメール
ハンガリー国立セニーチェ図書館
ハンガリー国立セニーチェ図書館

今回自筆譜の一部が発見されたモーツァルト/ピアノ・ソナタK.331は専門の人でなくても「トルコ行進曲付」として皆さん良く知っている曲ですのでなおさら大きな話題になっているのだと思いますが、いくつかの参考になる記事を掲載致します。

自筆譜によるハンガリーのピアニスト/コチシュのK.331の演奏♫(AFPフランス通信社ホームページより)


ハンガリー国立セニーチェ図書館と自筆譜映像


ザルツブルクでの国際モーツァルト会議でのDr. Mikusiの発表の要約(日本語訳)♪


REUTERS(ロイター)~イギリス通信社

THE NEW YORK TIMES掲載記事(アメリカの新聞)♪


the guardian(イギリス新聞)♪
2015_08
22
(Sat)07:02

ミラノスカラ座東京公演と、オペラ序曲

MESSAGE
モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

さて今は家族旅行で海外に行くのは珍しい時代ではありませんが、発想を変えてもし機会があればイタリアのミラノに行ってオペラを見てくるとかドイツのライプッィッヒに行って教会でバッハを聴いてくるなどの個人の家族旅行はいかがでしょうか? クラシック音楽をお勉強される今のお子さん方は海外へ小学生から研修やコンクールを受けにいったり演奏会を聴きに行ったりするという事はそんなに珍しい話ではないようです。 インターネットで簡単にチケットを予約する事ができます。 

私は2003年に東京渋谷のNHKホールでミラノスカラ座東京公演オペラ「オテツロ」を見た事があるのですが、序曲が始まる時のあの感動は言葉では表現できないものがあります。
ミラノスカラ座東京公演
ミラノスカラ座東京公演
ヴェルディとボーイト

「オテッロ」というのはイタリア語で英語では「オセロー」と言いますが、シエイクスピアの有名な戯曲「オセロー」が原作です。 初めはヴェルディはシェイクスピアをオペラ化する事に慎重だったようですが、ボーイトという友人を得てともに長い年月をかけて台本を練り上げていったようです。
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 you tubeへリンク致しますので美しいオペラの序曲の世界を楽しんで頂き、まだオペラを見られた事がない方は是非一度オペラ公演へ足を運んでみて下さい。

ヴェルデイ/歌劇「運命の力」序曲
https://www.youtube.com/watch?v=thxOV5_YCh4
ヴェルディ/歌劇「マクベス」前奏曲
https://www.youtube.com/watch?v=77k_jcVYypc
ヴェルディ/歌劇「ナブッコ」序曲
https://www.youtube.com/watch?v=0GQFepsVaHw
ヴェルディ 歌劇「ナブッコ」全幕♫~ムーティ指揮
ドニゼッティ/歌劇「ランメルモールのルチア」より
https://www.youtube.com/watch?v=0Qvi2L5OF7E
→リスト/ドニぜッティ「ランメルモールのルチアの回想」~アルフレッド・ブレンデル
https://www.youtube.com/watch?v=VlWb12wHh9w
ロッシーニ歌劇「ウイリアムテル」序曲
https://www.youtube.com/watch?v=HlXWmLuZYUk
→ロッシーニ/リスト 「ウイリアムテル」序曲(ピアノ版)
https://www.youtube.com/watch?v=RG559J6eW0w&spfreload=10

ヨーロッパにはオペラの素晴らしい作品は数多くありとてもご紹介はしきれませんが、ピアノを弾く人達にはオペラを聴いたりまたバレエを見たりする事はピアノの練習と同じくらい大事かもしれません。 

門下の方はオペラのアリアのCDをお貸し致しますので受付まで申し出て下さい。



2015_08
21
(Fri)07:31

スカルラッティ(1685~1757)とイタリア、ベッリーニのオペラ

スカルラッティはバッハやヘンデルと同年の1685年生まれのイタリアの作曲家です。 前半生はイタリアで後半生はスペインで過ごした音楽家ですが、イタリア的なメロディ、スペイン的なリズム、ラテン的な陽気さ、多彩な転調とハーモニー、ユーモアのある音楽などとても魅力的な音楽家です。 

最近は全日本学生音楽コンクールの小学校の部の課題曲としても指定されている年が多く、お勉強になる作曲家なのかもしれません。

私もyou tubeに2曲アップしておりますが、イタリア語で話している感じが出せればと思って演奏致しております。 リンク致しますのでお聴き頂けましたら嬉しく思います。

スカルラッティ ソナタ K.25 嬰へ短調~谷真子
https://www.youtube.com/watch?v=4kBRK7Xj8-M
スカルラッティ ソナタ K.29 ニ長調~谷真子
https://www.youtube.com/watch?v=ShObsEMkwCg
18世紀頃のイタリア
18世紀のイタリア
イタリアキジアーナ音楽院スカルラッティの間
キジアーナ音楽院スカルラッティの間



さてイタリアと言えば私の好きな作曲家の一人にベッリーニ(1801~1835)というオペラの作曲家がいます。 ショパン、リスト、ツエルニー他数多くの音楽家に多大な影響を与えたイタリアの天才作曲家ですが、どの曲にも流れている美意識の素晴らしさに驚かされます。 (明日はオペラについて書いて見ようと思っておりますが、)今日は続いてイタリアのベッリーニの美しい曲のいくつかをご紹介したいと思います。

ベッリーニ(V. Bellini) 「ノルマ」 序曲
https://www.youtube.com/watch?v=Y8zyy7Elsng
→リスト/ベッリーニ 「ノルマの回想」~アルフレッド・ブレンデル
https://www.youtube.com/watch?v=EvkqtaZdj2E
ベッリーニのオペラ「ノルマ」を聴いて触発されたリストがピアノ曲「ノルマの回想」を作曲しましたが、ベッリーニの「ノルマ」の全曲のどの部分をリストがアレンジしたのかをCDを聴いて見つけるのも面白いです。
 
門下の方はベッリーニのオペラ「ノルマ」の全曲版CDをお貸し致しますので受付まで申し出て下さい。
ベッリーニ「ノルマ」CD
べツリー二「ノルマ」スコア
べッリー二「ノルマ」スコア



ベッリーニ 「カプレーティ家とモンテッキ家」 序曲
https://www.youtube.com/watch?v=Cn0_x-0aJlo



ベッリーニ「清教徒」
https://www.youtube.com/watch?v=v1rHXxIM3Xo
→リスト/ベッリーニ 「清教徒の回想」
https://www.youtube.com/watch?v=G86A2xP7ULs



他にベッリーニの「清教徒」というオペラからショパンが触発されて作曲した変奏曲がありますが、この曲は私が中3から帰阪するまでプライベートでお習いしていた関孝弘先生が「知られざるショパン」というご自身のCDの中に入れてらっしゃいます。

7月30日関孝弘先生の思い出の記事
http://masakotani.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
→ショパン/ベッリーニ 「ベッリーニの<清教徒>の行進曲による変奏曲」~関孝弘先生(10番目の曲)
https://www.youtube.com/watch?v=N7TP2txCOiE

明日は私が見て感動したミラノスカラ座オペラ東京公演の話や綺麗なオペラの序曲の演奏などご紹介したいと思います。




            
2015_08
20
(Thu)08:10

チャイコフスキー「序曲 1812年 作品49」(二台ピアノ)

今日はロシアの作曲家チャイコフスキーの「序曲 1812年 作品49」について書いて見ようと思います。

この曲はチャイコフスキーの管弦楽曲の中でも大変親しまれている曲ですが、以前東京音楽大学校友会関西支部の企画で二台ピアノによって演奏を致しました。 編曲は共演の日西麻紀さんの知人の方によるものです。 この記事の最後にyou tubeにアップされている私達の二台ピアノの演奏にリンクしておりますので楽しくお聴き頂ければ嬉しく思います。  まずはまだこの曲をご存じない方のためにカラヤン指揮の「序曲 1812年」の世界をご紹介しようと思います。 

チャイコフスキー「序曲 1812年」♫~カラヤン指揮/フィルハーモニアオーケストラ

この曲は1812年の有名なロシアの史実を音楽で表現したものですが、文学で表現したものにトルストイの「戦争と平和」があります。

チャイコフスキーのこの曲は、1812年当時破竹の勢いで全ヨーロッパを席巻していたナポレオン軍とロシアの戦いを音楽を通して再現しておりますが、初めにギリシャ正教の聖歌が出てまいり、次にロシア国歌がうたわれ、そしてフランス国歌が高鳴りナポレオン軍の勝利が描かれています。 そして民族舞曲や民謡でモスクワ市民の抵抗が描かれ、二つの国の国歌が入り乱れ、初めのギリシャ正教の聖歌が流れ、祝砲が鳴り、最後にロシア国歌が高らかにうたわれてロシア軍の勝利が描かれています。

チャイコフスキー「序曲 1812年」 スコア(オーケストラのスコアを研究して史実と楽譜を照らし合わせます。)
チャイコフスキー 序曲1812年スコア
チャイコフスキー序曲1812年スコア
チャイコフスキー序曲1812年スコア

大砲の音をピアノで表現するのは苦労いたしましたが、聴きながら曲の中で見つけて頂けたらと思います。 

専門的な事はピアノを通してのレッスンでないとなかなかお伝えしきれないのですが、色々な事を少し知るだけでピアノが大きく変わるという事は良くあります。 レッスンの時間は限られておりますのでその中でお伝えできない事をブログを通して門下の方に毎日お伝えしておりますが、クラシック音楽を愛好される多くの方にもこの私のブログを楽しく読んで頂けたらと思って書いております。
谷真子(向かって右)、日西麻紀(向かって左)
共演の日西麻紀さんと
大先輩日本センチュリー交響楽団首席トロンボーン奏者近藤孝司さんと
大先輩近藤孝司さんと
近藤さんにはリハーサルで貴重なアドヴァイスを頂きました。 ♪7月23日の記事♪に近藤孝司さんのCDのお話を書いております。

1812年頃のヨーロッパ
1812年頃のヨーロッパ

チャイコフスキー「序曲 1812年」(二台ピアノ)♫~谷真子・日西麻紀


2015_08
19
(Wed)07:39

東京ゲーテ記念館とゲーテ・インスティトゥート(ドイツ文化センター)

ピアニストにとっては各国の輸入の楽譜や音楽書を見るときにも語学は必要なものですが、私も東京音楽大学の授業でドイツ語とイタリア語を履修するのと同時に、東京赤坂にあるゲーテ・インスティトゥート(ドイツ文化センター)へドイツ語を習いに通っておりました。 イタリア語はオペラの伴奏をする時に、ドイツ語はドイツリートを伴奏する時に、歌詞が理解できるとより音楽が理解できますし、また歌の方とも緊密にコミュニケ―ションがとれるような気が致します。

ドイツ文化センターは青山通りをはさんで赤坂御所の目の前にあり閑静な佇まいの素敵な建物です。 ドイツの芸術、文化を紹介する公的機関ですので一歩中に入るとそこはドイツそのものです。 帰阪してからも偶然ドイツ文化センターで声楽の伴奏をする機会があり久し振りに訪れて学生時代を懐かしく思い出しました。
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ゲーテ・インスティトゥート公式サイト
http://www.goethe.de/ins/jp/ja/lp.html?wt_sc=japan_

さて東京にはもう一つドイツと縁の深い場所があります。 北区にある東京ゲーテ記念館です。 日本でゲーテを知りたければここに行けば全て分かるというくらい膨大な資料が保管されています。 
東京ゲーテ記念館
ゲーテ記念館
ゲーテ記念館
ゲーテ記念館
ゲーテ記念館
ゲーテと言えばドイツの「詩人」として文学者の顔が有名ですが、政治家、図書館長、翻訳者、画家、演劇人、弁護士、編集者、自然科学者の側面も持っていました。 また世界市民を称していた人ですが多くの音楽家に影響を与えています。 専門的な事は文学者の方にゆだねるとしても、音楽の勉強をする時にはその入口だけでも知っておく必要はあると思います。

天才と言われる作曲家達が作曲をする時は音楽、文学、美術、哲学と各ジャンルの相関関係の上で作曲をしていますのでそれらを再現する時は各ジャンルに対して幾ばくかの知識が必要になります。 それぞれの道のプロフェッショナルの人の導入のご本などを読んで参考にさせて頂くわけですが、ピアニストが一曲を仕上げるには楽譜から音を出す前に、準備にかなりの時間をとられます。  素人の方にとってはピアニストは舞台でスポットライトを浴びて弾く姿だけがイメージに残りますが、陰の苦労も多くそれを感じさせず聴衆の方に音楽を楽しんで頂くのは練習しかないかも知れません。
東京ゲーテ記念館公式サイト
http://goethe.jp/
2015_08
18
(Tue)07:36

ラヴェルとフランス絵画・工芸展

今日はフランスを代表する作曲家の一人であるモーリス・ラヴェル(1875-1937)と私が趣味で訪れる絵画・工芸展の中からフランスの画家、作家の展覧会について書いて見ようと思います。

私がプライベートで師事するピアニストの阿部裕之先生はラヴェルの直弟子のV.ぺルルミュテール氏にラヴェルの全作品を習われた方ですが、「Hiroyuki Abe Plays Ravel」というCDでその演奏を楽しむ事ができます。 ラヴェルの演奏では内外に定評のあるピアニストの方ですが、阿部先生についてのご紹介は8月1日のブログで書いておりますのでそちらを是非お読み頂きたいと思います。
8月1日阿部裕之先生のご紹介の記事


阿部裕之先生CDジャケットより
阿部裕之先生CDジャケット


私がyou tubeにアップしているラヴェルの曲は「スカルボ」と「マ・メール・ロワ」と「高雅にして感傷的なワルツ」の3曲ですが、東京音楽大学卒業の時奈良県と奈良市の二つの新人演奏会へ教授会全会一致でご推薦を受けた「スカルボ」について書いて見ようと思います。

ラヴェル 夜のガスパール
ラヴェルのスカルボの入っている「夜のガスパール」という曲のタイトルは同じフランスのアロイジウス・ベルトラン(1807-1841)という詩人の散文詩の題名からとられたものです。 ベルトランは絵画的な手法で古いパリの街を表現しフランスで初めて散文詩を書いた人ですが、ラヴェルはその詩を読んで感銘を受けたのだと思いますが曲の冒頭にベルトランの詩を付けております。

このスカルボという曲がプログラムの中に入っているとチューナーの方が緊張されるというくらい難曲中の難曲の作品です。you tubeに阿部裕之先生の弾かれる「スカルボ」がアップされておりますのでリンクしておきます。
夜のガスパール 楽譜
阿部裕之先生演奏ラヴェル「スカルボ」♬


次にラヴェルの「マ・メール・ロア」は英語では「マザー・グース」と言いますが、ラヴェルが友人のお子さんのために作曲したピアノ連弾用の曲です。 ラヴェルは後にオーケストラ用に編曲をしまたバレエ組曲も作っています。 その名の通り童話を題材にした曲ですが、私が小学3年の時この曲を姉と連弾をしそれにオーケストラを付けてもらうという珍しいコンチェルトをした事があります。
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ラヴェル「マ・メール・ロア」(小学3年)~谷真子

ラヴェル「スカルボ」(大学生)~谷真子

ラヴェル「高雅にして感傷的なワルツ」~現在
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フランスの作曲家をお勉強しようとした時に大きな壁となるのが色彩の表現ではないかと思います。 フランスの絵画、工芸など見た事がないというお子さんにいくらそのイメージを音や言葉で伝えてもお子さんの中に創造の源がなければ表現する事は難しいです。 私は美術館に行きそのあふれる色彩に触れると自分の音色の絵の具が増え筆(テクニック)を使ってどんな絵を描こうかとインスパイアーされます。 もし美術館に行く事が叶わないお子さんでも、自宅で画集をめくってみるだけでもイメージは膨らむのではないかと思います。 私が行ったフランスの絵画・工芸の展覧会の一部ですがチラシ他の写真を添付致しますので、また親御さんは美術館や博物館へ是非お子さんを連れて行ってあげてほしいと思います。
フランス」19世紀絵画展
モネ、ルノワール、シャガール、コーポレートアート展
ルネ・ラリック展
東京ブリジストン美術館ルノアール展図録
ルノアール展図録
東京ブリジストン美術館ルノアール展ファイル
ルノアール展ファイル
半券(オルセー美術館所蔵のこの絵を見るため2度行きました。)
ルノアール展








2015_08
18
(Tue)07:35

立原道造と音楽

立原道造パステル画(中学生)
(立原道造パステル画~中学生)

立原道造(1914~1939)という建築家・詩人をご存じでしょうか? 私はその名前を母から聞き、初めてそういう人がいたという事を知ったのですが記念館に行って驚きました。 大正・昭和の初期の日本にこういう人がいたのだと思いました。 クラシック音楽を大変愛好された建築家・詩人の方のようで、日本で初めてベートーヴェンの協奏曲第3番が演奏された時も生でその演奏を聴きに行ったと年譜に書いてありました。

自分の背広も自分でデザインをし、また詩集の装丁も全部ご自分でされ、大変感性の豊かな天才でいらしたようです。 その詩には作曲家の三善晃さんも曲を付けておられ合唱コンクール等では今も良く歌われているようです。

24歳という年齢で結核で夭折されたようですが、その詩集は全ての無駄を削ぎ落とされたシンプルなものです。 もしかしたら全てを知られた方の究極の表現方法だったのかなとも思います。 現代に生きる私達は簡単に外国の楽譜も手に入りますし、洋書も簡単に取り寄せ自由に読む事ができますし、インターネットで世界中の情報をリアルタイムで知る事ができます。
立原道造詩集「さふらん」
 
先人の努力に感謝しつつ、21世紀を生きなくてはいけないなと思います。
立原道造
(2011年大勢の人に惜しまれながらも母校の東大弥生門前の記念館は閉館となったそうです。)

2015_08
17
(Mon)08:09

シューマンとハンガリー国立セニーチェ図書館

今日はシューマンについて徒然に書いてみようと思います。 シューマンと聞くと私には文学を愛した音楽家というイメージがあるのですが、妻のクララ・シューマンとの数多いエピソードでも有名な音楽家です。 ロベルトとクララの二人の往復書簡集が各国語に訳されて出版されておりますが、東京の本郷にあるアカデミア・ミュージックという輸入の楽譜や音楽書を扱っている書店で以前イタリア語の書簡集を見つけ求めました。 挿絵と構成の素敵な本ですが簡単なイタリア語ですので楽しく読めるかと思います。 装丁の一部ご紹介致します。
クララとロベルタの往復書簡集
アカデミア・ミュージック公式サイト


さてyou tubeに抜粋をアップしておりますシューマンの幻想小曲集Op.12は私が高校1年の時、第5回高校生国際芸術コンクールで入選した曲です。 初めは9曲の小品から成る曲でしたようですが1838年出版されるにあたって8曲にカットされたようです。第2曲の「飛翔」は良く発表会などでも単独で弾かれ有名ですが、本来は全曲で一つのシューマンの詩集となっているのではないかと思います。 標題は後からシューマンが付けたようです。

シューマンの幻想小曲集は元日本ベーゼンドルファー社代表の吉澤直記氏に高1の時この曲を聴いて頂いて大変音が美しいとお褒めの言葉を頂いた思い出の曲でもあります。(8月3日のブログに吉澤直記氏のお話を書いています。)

専門的な事はピアノを通してのレッスンでないとなかなか伝えきれないところがございますが、またyou tubeの演奏を聴いて頂けたらと思います。

ところで私は今大学の博士課程前期課程で「シューマンの幻想曲Op.17における演奏法と解釈」という論文を書きピアノ演奏の側面補強としております。 楽譜が出版される前の自筆譜というのは作曲家の心が素直に表れていますので、それを見るとピアニストは暗示を感じイマジネーションが広がってまいります。ファクシミリでも手に入れば是非見てみたいとピアニストは考えるものですが、シューマンの幻想曲の自筆譜は誰か個人の方の所有になっており閲覧する事はできないようです。 ハンガリーの国立図書館に限りなく自筆譜に近い写譜が保管されていると聞きハンガリー国立セ二ーチェ図書館に問い合わせたところ親切に対応して下さりCD-Romで送って下さいました。 音楽をしている私にはそれを再生する時の気持ちには心高ぶるものがあります。

ハンガリー国立セニーチェ図書館ではモーツァルト/ピアノ・ソナタK.331の自筆譜の楽譜が最近発見された事でも話題になっております。

ハンガリー国立セニーチェ図書館公式サイト

ハンガリー国立セニーチェ図書館
ハンガリー国立セニーチェ図書館
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音で表現する事を言葉で表現するのは思いの外難しいものがあり、プライベートで師事するピアニストの阿部裕之先生にはピアノレッスンを通して多くの事を教わっております。 ラヴェルの「鏡」やメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲も読譜しておりますので練習と論文の作成との時間配分に少し苦労致しております。(8月1日のブログに阿部裕之先生のお話を書いております。)

ピアニストというお仕事は自宅にいながら時空を超えて旅をしているようなもので、ある時は飛行機で世界を飛び回りまたある時はタイムマシーンで過去に言ったりとしているお仕事です。 厳しい長い道のりを経てなれるわけですが、ピアニストにしか分からない喜びも多くございます。 今は結果のなかなか出ない事は敬遠される時代ですが、こんな時代だからこそピアニストという仕事は必要なのではないかと思っております。 ピアニストになりたいけど、どこに行けばなれるのか、どうすればなれるのか分からないというお子さん方には私の経験が少しでも役に立てばと思っております。

作曲家の木(MADE IN FRANCE)
作曲家の木
古代書物の原型(VATICANA)
書物の原型
現代画家カンディンスキー(GERMANY)
カンディンスキー展チラシ

高1の時の幻想小曲集抜粋と最近の幻想曲全曲をyou tubeにリンク致しますのでお聴き頂けましたら幸いです。
シューマン/幻想小曲集Op.12より

シューマン/幻想曲Op.17

8月1日阿部裕之先生の記事

8月3日元日本ベーゼンドルファー社代表吉澤直記氏の思い出の記事
2015_08
16
(Sun)07:27

ショパンスケルツォ第2、3番とツイメルマン、アヴデーエワのピアノ

今日はショパンのスケルツォ第2番、第3番とポーランドのピアニストのクリスティアン・ツイメルマンとロシアのピアニストのユリアンナ・アヴデーエワそしてドイツの巨匠ヴィルヘルム・ケンプについて徒然に書こうと思います。

ショパンのスケルツォ第3番嬰ハ短調(1839)は私が中学3年になったばかりの時、恩師の勧めでプラハ音楽院で開催されるコンクールを受けに行った時弾いた曲で3位を頂いた思い出の曲です。 華やかで技巧的にもかなり難しいドラマチックな曲ですので一生懸命お勉強をした思い出があります。(プラハ音楽院の記事は7月26日に書いております。)
プラハコンクール

ショパンのスケルツォ第2番変ロ短調(1837)は全日本学生音楽コンクールの中学生部門や高校生部門でも時々課題曲になりますが、大変感動的な美しい名曲です。 しかし音符で書かれたショパンの言葉をピアノで再現し美しい一冊の詩集にしようと試みると、辿り着けない奥の深いものがございます。
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ショパンスケルツォ第1番については昨日の8月15日のブログに詳しく書いております。 スケルツォ第1番は世界史的には七月革命が起きた頃、また祖国ポーランドではロシア領からの独立を願う若者のワルシャワ蜂起の事件が起きた頃作曲されたものです。 ショパンはその時にはすでにポーランドを離れていたわけですが、駆けつける事のできない焦燥がスケルツォ第1番には込められているのではないかと言われています。 中間部のクリスマスキャロルの部分はポーランドの人なら誰でもが知っている民謡が元になっていると、ワルシャワ音楽院(現ショパン音楽大学)の元院長ゲルジョード先生がお話されていました。 元の民謡「眠れ幼きイエス」の楽譜を下に掲載致します。 メロディーだけでも音を出されてみられたらと思います。 とてもきれいな心に染みる歌です。 私が中学生の頃の思い出ですが、ゲルジョード先生の思い出は7月27日のブログに詳しく書いております。 ゲルジョード先生の最近のyou tubeでのショパン演奏にもその記事の中でリンクしておりますのでお聴きき下さい。 ショパンは怒涛のような短い人生を生きた作曲家ですが常に祖国ポーランドへの郷愁を胸に抱いていたのではないかと思います。 ですが上の2曲はスケルツォ第1番とは少しショパンの込める心情はまた違うのではないかと思います。
ショパンスケルツォ第1番中間部クリスマスキャロル原曲「眠れ幼きイエス」
クリスマスキャロル原曲
クリスマスキャロル原曲

7月27日のゲルジョード先生の思い出の記事(中学生)♪


EUROPE AFTER THE CONGRESS OF VIENNA(1815)
EUROPE AFTER THE CONGRESS OF VIENNA(1815)
EUROPEAN POSSESSIONS AT THE END OF THE 19TH CENTURY
19世紀終わりのヨーロッパ

それぞれの曲についての専門的なお話はピアノを通してのレッスンでないとお伝えしきれない所がございますが、今日は聴衆としてショパンを楽しむ事ができた良質のコンサートやお勧めのCDについて書いてみようと思います。

ショパンというとルービンシュタインやコルトーのCDを擦り切れるほど聴いたという方が多いのではないかと思いますが、私が推薦したいもう1枚のCDにクリスティアン・ツイメルマン(ピアノ&指揮)、ポーランド祝祭管弦楽団演奏のショパン/ピアノ協奏曲第1・2番というCDがあります。
クリスティアン・ツィメルマンCDジャケット

ツイメルマンはショパンコンクールの覇者ですが録音スタジオも自分で作りオーケストラも自分で結成するという程の音楽へのこだわりの強いピアニストです。 ドイツの巨匠のアルフレッド・ブレンデルに負けないくらいの楽譜に忠実な真摯な演奏にピアニストとして誠実なものを感じます。

生の演奏は東京にいた時に東京芸術劇場へ聴きに行った事があります。 東欧のガラス工芸のような透き通る繊細な美音には息をのむばかりです。 ショパンに限らずベートーヴェン、モーツァルト、シューベルト、ブラームスとドイツ音楽にも高い実力の持ち主で私が新曲をさらう時は必ずチェックをするピアニストの一人です。
クリスティアン・ツイメルマン演奏会チラシ
プラハ国立美術工芸博物館ファイル
プラハ国立美術工芸博物館
ウイーンのロブマイヤー
ウイーンロブマイヤー

もう1枚珍しいCDにドイツの巨匠のヴィルヘルム・ケンプが演奏するショパンのノクターン第3番が入っているCDがあります。これは広島世界平和記念聖堂のパイプオルガン除幕式でのケンプの言葉やピアノ演奏、ベートーヴェンについてケンプ自身が語っている声の入った非売品の「多才な音楽家の肖像」というCDですが(ケンプのベートーヴェンピアノ・ソナタ全集のCDに付いています。)、ショパンの演奏にも心打たれるものがあります。
ケンプCDジャケット

さて女性ピアニストですがやはりショパンコンクールの覇者でロシアのピアニストにユリアンナ・アヴデーエワというピアニストがいます。 テレビでモーツァルトのコンチェルトが放映されていたのを生の演奏会を聴いた後聴きましたが、録音機械では集録できなかったのか生の音の千変万化とは程遠いものがありました。 まだ若手の方ですが次回の来日でまた生の演奏が聴けるのを楽しみに待っております。
ユリアンナ・ァヴデーエワ演奏会チラシ

you tubeの方に私の中3の時のショパンのスケルツォ第3番と最近の演奏の第2番をアップ致しております。
お聴き頂けましたら嬉しく思います。
ショパン スケルツォ第3番(中3)~谷 真子

ショパン スケルツォ第2番~谷 真子

8月15日ショパンスケルツォ第1番の記事

7月26日プラハ音楽院の記事














2015_08
15
(Sat)07:10

ショパン スケルツォ第1番とショパンについて徒然に

ショパンはピアノの詩人と呼ばれている作曲家ですが、日本人だけではなくどこの国の方にも人気のある作曲家のようです。私が中学3年から帰阪するまでプライベートレッスンでお世話になっていた東京在住のピアニスト関孝弘先生も(7月30日の記事に関先生の思い出を書いております。)、イタリアでもプログラムにショパンを入れると聴衆の数がアップするとお話されていました。

詳しい伝記や評伝については数多くの書籍が出版されておりますが、写真入りでとても分かりやすい本に、小さい時の恩師故片岡みどり先生(相愛大学名誉教授)から頂いた音楽之友社出版の田村進著「音の詩人 ショパン」という本があります。
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ショパンというと素人の特に女性の方の場合は「素敵」とか「綺麗」とか「繊細」などのイメージを抱く方も多いのではないかと思いますが、私にとってのショパンは音楽で祖国ポーランドの独立のために戦った音楽家というイメージがあります。
EUROPE AFTER THE CONGRESS OF VIENNA
EUROPE AFTER THE CONGRESS OF VIENNA(1815)
THE MOST PERFECT ORDER PREVAILS IN WARSAW
1830年頃のヨーロッパ
 
中1の時から数度、ショパンの祖国ポーランドのワルシャワ音楽院(現ショパン音楽大学)の元院長のProf. Kazimierz Gierzodにレッスンをして頂いた事があるのですが(7月27日の記事にゲルジョード先生のお話を書いております。合わせて是非お読み下さい。)、ショパンのスケルツォ第1番ロ短調(1831~1832)の真ん中のクリスマスキャロルの部分はポーランドの人なら誰でもが知っている有名なポーランドの民謡のメロディが元になっているそうです。 祖国ポーランドの独立のために駆けつける事が出来なかったショパンの思いがこのスケルツォ1番に良く表れており、今でもこの曲を弾いたり聴いたりする度にスケルツォ1番を作曲した時のショパンの祖国を思う気持ちの強さを感じます。
スケルツォ第1番中間部原曲「眠れ幼きイエス」楽譜
クリスマスキャロル原曲
クリスマスキャロル原曲
ゲルジョード先生と(中1)
ショパン スケルツォ1番楽譜

 フランス時代のショパンはプレイエルというフランスのピアノを好んだそうですが、下のショパンの言葉からプレイエルのピアノに寄せるショパンの思いが良く伝わってくると思います。
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プレイエルピアノパンフレット

音で綴られたショパンの詩集であるショパンの音楽をピアノで再現する時、その世界を表現するためには相当に難易度の高いテクニックが必要になってきます。コンクールや試験では必ずショパンのエチュードが課題に出されますが、ショパンのエチュードは単なる指の練習曲と考えてもそれを完璧に弾くのはかなり難しいですが、ましてや1冊の芸術作品の詩集のように全曲を演奏会で弾くなどという事はピアニストには大変高いハードルです。 先日、ピアニストで東京音楽大学専任講師の菊地裕介さんが大阪シンフォ二ーホールで全曲演奏会をされていたので聴きに行ってまいりましたが素晴らしい演奏でした。

明日はショパン スケルツォ2番、3番の曲や私の好きなピアニストでショパンコンクールで1位になったクリスティアン・ツイマーマン、ユリアンナ・アヴデーエワのCDやコンサートの話など徒然に書こうと思います。

you tubeに中1の時、全日本学生音楽コンクール大阪大会本選で入賞したショパンのスケルツォ1番をクリスマスキャロルからアップしております。 またお聴き頂ければ嬉しく思います。(学音のお話は7月24日の記事に書いております。)
全日本学生音楽コンクール大阪大会歴代入賞者一覧より
you tubeスケルツォ1番クリスマスキャロルより(中1)~谷真子

関孝弘先生の記事

ゲルジョード先生の記事

第48回全日本学生音楽コンクール大阪大会の記事








 

2015_08
14
(Fri)07:33

プラハ国立美術工芸博物館ボヘミアングラス展を見に行ってきました。

神戸市立博物館へプラハ国立美術工芸博物館ボヘミアングラス展を見に行ってきました。 ピアノを弾くという作業は非常に感性を消耗致しますので時々感性の補充をしないとイメージが枯渇してしまいます。 お子さんの場合も練習はもちろん大切ですが、公園で遊んだり自然に触れたり、また音楽以外の芸術に触れる時間を作ってあげる事がピアノのお勉強に大変役に立ちます。

プラハという街へは私が中学3年になったばかりの時、恩師の勧めでピアノコンクールを受けに行った事があるのですが、その時初めて見たヨーロッパの街の風景は今だにまだ私の脳裏に焼き付いております。 特にガラス工芸の文化の深さには驚くばかりで私も小さなお人形や花瓶を求め今だに大切に致しております。

研修を受けたプラハ音楽院の事などは7月26日のブログに書いておりますので合わせてお読み頂けたらと思います。

写真でお楽しみ頂くのがベストだと思いますので何点か写真を掲載致します。
お楽しみ下さい。
ボヘミアングラス展チラシ
ボヘミアングラス展チラシ
プラハ国立美術工芸博物館展
ボヘミアングラスのレリーフ
プラハ国立美術工芸博物館展
プラハ国立美術工芸博物館展
プラハ国立美術工芸博物館展
プラハ国立美術工芸博物館展図録(谷真子ピアノスタジオに置いておきますので門下の方はお手にとってご覧下さい。)
プラハ国立美術工芸博物館展図録
プラハの風景
プラハ
プラハ
プラハ
プラハ
プラハ
プラハ
プラハ
プラハとプラハ音楽院の記事
http://masakotani.blog.fc2.com/blog-entry-23.html








2015_08
13
(Thu)08:23

バッハの「イタリア協奏曲」の思い出

今日は私が小さかった時のバッハのお勉強の仕方について書いてみようと思います。趣味でピアノを習ってらっしゃる方にお聞きするとバッハはやっていないとおっしゃる方が多いように思いますが、バッハは西洋音楽の基本になりますのでたとえ趣味でされるにしてもバッハのお勉強はされた方が良いと私は思います。バッハのお勉強を致しますと楽譜の読み方が変わってまいります。

さて専門に進もうと考えているお子さんにとってはバッハは必修の作曲家ですが、難しいとか面白くないとか眠くなるなどの苦手意識を持っているお子さんが多いような気が致します。

私の場合は「子供のバッハ」、「インヴェンション」、「シンフォ二ア」、「フランス組曲」、「平均律」、「イギリス組曲」、他様々なバッハの作品を子供の時から弾いてまいりましたが、あまり苦手意識は初めからなかったように思います。

専門的なお話は難しくなりますが、バッハはポリフォ二ー音楽と言われ、簡単に言えば二人以上の人が歌を歌っている曲だと思えば良いと思います。 右手がメロディー、左手が伴奏という音楽ではなく、二声の場合は右手が女性の声、左手が男性の声だと考えれば分かりやすいと思います。 三声、四声とありますがどれも三人の人、四人の人が歌を歌っている曲だと考えられると楽しくお勉強ができるのではないかと思います。 

良く先生から右手と左手に分けて練習するのではなく、各声部に分けて練習しなさいと言われるのではないかと思いますが、楽譜の各声部をソプラノ、メゾソプラノ、アルト、テノール、バリトン、バスの歌手と考えて練習をすると楽譜が立体的に見えてきて構成も良く分かるのではないかと思います。(まず音を出す前に声部を分析する事が大事ですが。)

バッハは小学生の時から必ず先に分析をするという習慣を付けた方が良く、小さいお子さんでも同じテーマが繰り返し出てきているのは耳で聴いて分かりますからその部分に印を付けるというくらいの習慣は付けておいた方が良いと思います。

私は分析書としては小学生の時は音楽之友社の市田儀一郎著「バッハ インヴェンションとシンフォ二ーア 解釈と演奏法」を読んで自分で楽譜に分析をし、 また楽譜はその頃からヘンレ版とウイーン原典版を使っておりました。 二声の簡単な練習方法としては①上fスタッカート、下pレガート②上fレガート、下pスタッカート③上pスタッカート、下fレガート④上pレガート、下fスタッカートのような組み合わせで練習する方法がありますが、他にも練習方法を自分で工夫していろいろ編み出しては練習をしていたように思います。

中1の時、全日本学生音楽コンクールの予選の課題曲としてバッハの「イタリア協奏曲」が出されました。 全日本学生音楽コンクールのお話やその時の恩師のレッスンの思い出等は7月24日のブログや8月2日のブログに書いておりますが、今でも私のレパートリーになるほどお勉強を致し予選を通過し入選証を頂いた曲です。 楽譜を掲載するのが一番分かりやすいと思いますので記事の最後に楽譜を掲載致します。

バッハの時代は今と違う古い鍵盤楽器ですので現代のピアノで弾く場合いろんな考え方がありますが、古楽器で弾いてみるとバッハが良く分かります。 B-tech Japan(ベーゼンドルファーピアノの技術会社)のスタジオには小さな可愛いチェンバロが置いてあり私も先日それを弾いてみましたが現代のピアノで気付かない音色のバランスなど良く分かりお勉強になります。 B-tech Japanのお話は8月3日のブログに書いております。

バッハは旧約聖書と言われますが、誰が聴いても敬虔な気持ちになります。 趣味で習われる方も是非バッハの曲に挑戦してみて下さい。
バッハイタリア協奏曲1楽章楽譜
バッハイタリア協奏曲2楽章楽譜
B-tech Japan Osaka studio チェンバロ
you tube バッハ イタリア協奏曲 2・3楽章(中1)~谷真子
https://www.youtube.com/watch?v=bU2l707In5k
第48回全日本学生音楽コンクール大阪大会の記事
http://masakotani.blog.fc2.com/blog-entry-21.html
故片岡みどり先生(相愛大学名誉教授)の記事
http://masakotani.blog.fc2.com/blog-entry-28.html
B-tech Japan Osaka studioについての記事
http://masakotani.blog.fc2.com/blog-entry-30.html
 
2015_08
12
(Wed)07:56

小学生時代のベートーヴェンの思い出

将来専門に進むお子さんの場合は小学3年くらいででモーツァルトのピアノ・ソナタ、小4でハイドン、小5になるとベートーヴェンのソナタをする場合が多いですが、私も5年、6年はベートーヴェンのお勉強をしておりました。

 ウイーン古典派の作曲家達は近、現代の作曲家達に比べると楽譜が形式にのっとって作曲されていますので一見簡単そうに見えたり和声も古典的ですので読譜もしやすいですが、その様式感とそれぞれの作曲家の精神を表現するのはピアニストにとってもライフワークとなる大きな命題です。

良くバッハは旧約聖書にたとえられベートーヴェンは新約聖書にたとえられますが、音符一つ一つの持つ深遠さを思いますとやはりクラシック音楽はキリスト教の国で生まれた音楽だと感じます。 

小学生の思い出に残るベートーヴェンの曲といえばやはり「6 Variations on an Original Theme in F major Op.34」です。 師事しておりました相愛大学名誉教授故片岡みどり先生のおさらい会で演奏した曲ですが、ベートーヴェンの骨格をこの曲で勉強したような気が致します。故片岡みどり先生の思い出は8月2日のブログで書いておりますので合わせてお読み頂けたらと思います。

ベートーヴェンと言えば交響曲第5番や第9番など非常に壮大な曲が多いですが、発表会で良く弾かれる「エリーゼのために」や、イギリス国歌「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」をテーマに変奏していく「イギリス国歌”ゴッド・セイヴ・ザ・キング”による7つの変奏曲 ハ長調、WoO.78」や、他にも美しい曲がたくさんあります。 有名なピアノ・ソナタしか聴いた事がないという方には是非変奏曲や小品も聴いてみられる事をお勧め致します。

ベートーヴェンは試験やコンクールでは必ず弾かされますが、演奏会でピアノ・ソナタを全曲演奏するのは至難の技です。女性でもドイツ育ちのピアニストの小菅優さんが全曲演奏に挑戦されていましたが、そのテクニックの素晴らしさは当然の事ながら精神力の強さが大変な事だと思います。 二度大阪のいづみホールまで聴きにまいりましたがその演奏に感激致しました。

you tubeに6年の時のベートーヴェンの「6つの変奏曲」と最近の演奏の「熱情」をアップしております。 またお聴き頂けましたら嬉しく思います。

私は高1からウイーンのベーゼンドルファーというピアノを愛用しておりますが、ベートーヴェンはこのウイーンの老舗ピアノメーカー「ベーゼンドルファー社」の創業に大きく関わった作曲家です。

ウイーンベーゼンドルファー社公式サイト
http://www.boesendorfer.com/de/

昔のベーゼンドルファー
昔のベーゼンドルファー
高1からの私の愛用のベーゼンドルファー200
ベーゼンドルファー200


you tube ベートーヴェン「熱情」~谷真子
https://www.youtube.com/watch?v=RIXFRW8oczg
https://www.youtube.com/watch?v=mIMbjQYMaI8
you tube ベートーヴェン「創作主題による6つの変奏曲」(6年)~谷真子
https://www.youtube.com/watch?v=qqWtjWKPY80
故片岡みどり先生(相愛大学名誉教授)の記事
http://masakotani.blog.fc2.com/blog-entry-28.html

2015_08
11
(Tue)08:33

モーツァルト ピアノ・ソナタの思い出

私が本格的にモーツァルのトピアノ・ソナタ集に入ったのは小学3年生でした。それまでにもソナチネ集の中にモーツァルトやハイドンやベートヴェンの簡単なソナタは出てまいりますので読譜程度の事はしておりましたが、ソナタ形式をお勉強しているという意識はなかったと思います。

ソナチネ第1巻にも入っているモーツァルトのピアノ・ソナタに有名なソナタ第16番(旧モーツァルト全集では第15番)ハ長調K.545というのがあります。小学5年の時、第9回日本ピアノ教育連盟ピアノ・オーディションの全国大会の課題曲でしたが、小学5年生ですから当然幼少の時のような演奏というわけにはまいりません。一音一音、熟考し研究しながら全国大会に向けて毎日無心に練習を積み重ねた思い出があります。

今は一曲を弾くのに最低5人のピアニストのCDは聴いて楽譜を綿密に研究いたしますが、子供の時はCDを聴いてお勉強するという事はほとんどしなかったように思います。まず先入観なしに楽譜を正確に読譜し、読譜しながら楽譜から感じる音楽を自分の言葉で伝えるというお勉強の仕方をしていたように思います。母はイングリッド・ヘブラー、クララ・ハスキル、マレイ・ぺライア、アンドラーシュ・シフ、内田光子さんなどのモーツァルトのCDを良くかけて聴いていましたが、私がコンクールに向けて誰かのCDの真似をして仕上げるという事はしなかったと思います。

全国大会の当日は大きなプレッシャーもなく練習した通りに演奏する事ができ翌日の入選者演奏会(現在全国優秀者演奏会と改称)に出場できる事となり上野学園石橋メモリアールホールで再度モーツァルトのピアノ・ソナタ第16番ハ長調の2・3楽章を演奏いたしました。その時の詳しい様子は7月28日のブログに書いておりますので合わせて読んで頂けたらと思います。

子供の時はモーツァルトを何の屈託もなく弾いておりましたが、今では一番難しい作曲家はモーツァルトではないかと考えております。 音符が少ない分、一つの音に要求される質量は大変高く、モーツァルトを淡々と弾いてもし人に感動を与える事ができたらそれは何よりも素晴らしい事ではないかと思っております。

you tubeに5年の時のモーツァルトピアノ・ソナタ第16番ハ長調2・3楽章の演奏をアップしておりますのでもしよろしければお聴き下さい。

モーツァルトはプラハで熱狂的に受け入れられましたが、下の写真は私が中3の時にピアノのコンクールのため行ったプラハで写したヴォルタヴァ川(モルダウ)の写真です。
プラハ
モーツァルト ピアノ・ソナタ16番ハ長調(6年)~谷真子
https://www.youtube.com/watch?v=MRUJ6BASABw&feature=youtu.be
第9回日本ピアノ教育連盟ピアノオーディションの記事
http://masakotani.blog.fc2.com/blog-entry-25.html

2015_08
10
(Mon)10:03

子供の頃のコンチェルトの思い出

私は子供の頃二度コンチェルトをi致しました。

一度目は小学3年の時ですが、ラヴェルの「マ・メール・ロア」を姉と連弾をしそれにオーケストラを合わせるという珍しいコンサートでした。まず先に姉との連弾を仕上げます。それからオーケストラと合わせますが二度リハーサル、ゲネプロ(本番前の合わせ)が一度です。独奏でもオーケストラと音楽を合わせるのは大変ですが、連弾でオーケストラと合わせるとなると見た目以上に大変なものがあります。ドレスはルノアールの名画からヒントを得、母の知り合いの方に手作りで素敵なドレスを作って頂きました。you tubeにアップしておりますのでドレスも合わせてお楽しみ頂ければと思います。
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二度目は小学4年の時です。ハイドンのピアノ協奏曲二長調を時間の都合で1楽章だけ演奏致しました。ハイドンの協奏曲の中でもこの曲は良く子供が演奏するポピュラーな名曲ですが、ハイドンの生きた時代のピアノは現代のピアノとは違います。あまり歌い上げないで淡々と音を奏でながら端正な音楽を作り上げていくのは聴いている以上に高いテクニックを要求され難しいものがあります。こちらの方もyou tubeにアップしておりますので近代のラヴェルとは全く違うウイーン古典派の音楽の世界をお楽しみ頂ければと思います。

子供の頃いわゆる「合わせもの」の経験をしておきますと、大人になって室内楽などをする時にその経験が生きてくるような気が致します。もし機会に恵まれることがあれば子供の時に是非コンチェルトや室内楽などを体験されてみられたら良いのではないかと思います。

ピアノは一台でオーケストラの代わりをすることができる楽器ですので、オーケストラで使われる打楽器、管楽器、弦楽器などのいろいろな楽器の音色を要求されます。間近でこういう楽器の音を聴いた事がないと、表現するテクニックの有無以前に要求されている音がどんな音なのかイメージする事すらできません。

コンクールで賞を頂く事や発表会で上手に弾ける事ももちろん重要な事ですが、メディアを通してでもいろんな音楽に耳を傾けるとか、ご両親や兄弟姉妹の人と家で連弾をしてみるとか、お友達で別の楽器を習っている人がいれば一緒に合わせてみるとか、音楽に関わるのはレッスンの時だけというのではなく、日常の生活の中で音楽と常に関わっている事がピアノのお勉強には大切な事なのではないかと思います。

ラヴェル「マ・メール・ロア」~谷真子
 https://www.youtube.com/watch?v=A9Psi0jCCeM
ハイドン「ピアノ協奏曲二長調」~谷真子
 https://www.youtube.com/watch?v=5vhDV2SmBfs
ハイドンの生家

2015_08
06
(Thu)10:16

Prof.Klaus Schildeと(元)日本ベーゼンドルファー東京ショールーム

東京音楽大学に進んで東京で引き続きピアノのお勉強を続ける事が決まりベーゼンドルファーのグランドピアノを東京のバッハ館に移動する事になった時、(元)日本ベーゼンドルファー大阪ショールームの方から東京ショールームをご紹介頂きました。その後帰阪するまで東京滞在中は東京ショールームの方に大変お世話になりました。

東京ショールームは、(YAMAHAが経営に参加して以降新たに作られました)ベーゼンドルファー・ジャパンのお店が現在ある同じ場所の中野坂上にありましたが、大阪ショールームと同じく種々の良質の企画が開催されておりいつも愛好者で賑わっておりました。

私も元ミュンヘン音楽大学学長・東京芸術大学客員教授のクラウス・シルデ先生のプライベートレッスンを受講させて頂いたり、また今B-tech Japan Tokyoにいらっしゃいます村上公一さんや佐々木一実さんにはバッハ館までピアノのメインテナンスに来て頂いたりととてもお世話になりました。

クラウス・シルデ先生は日本に多くのお弟子さんがいらっしゃいますが、ピアニストとしてはもちろん先生としても名教師の誉れ高い先生でいらっしゃいます。私も数度レッスンをして頂きましたが、ご注意を楽譜に書き込まれず別の紙に全て書き出して下さいます。CDも数多く出していらっしゃりその厳格なドイツ音楽には教わる事ばかりでした。

クラウス・シルデ先生CD
クラウス・シルデCDジャケット

クラウス・シルデ先生ご注意
クラウス・シルデ直筆ご注意
クラウス・シルデ直筆ご注意

元日本ベーゼンドルファーは閉鎖されましたが、技術の皆様方が集結されて♪B-tech Japan♪を興されたおかげでベーゼンドルファーのピアノのメインテナンスもしっかりなさって下さっております。 皆様にも是非新しいスタジオに足を運んで頂きたいと思います。

    
2015_08
05
(Wed)09:00

目白バッハ館とヤマハ・ミュージック池袋店 の思い出(大学生)

私は東京音楽大学在学中は東京の山手線の目白駅から徒歩で15分位の所にあるバッハ館という音楽家専用の賃貸の防音マンションに住んでおりました。そこは東京音大へも自転車で5分とかからず都心のいろいろなホールにも大変足回りが良く、また周りには学習院や要人の邸宅がたくさんあるので警視庁の警備も厳しく治安上安心という事で父が決めました。

大都会東京の都心で深夜12時まで演奏ができる賃貸の防音マンションは皆無に近いのでバッハ館には著名な演奏家の方が多く住んでおられ、学生には少し贅沢なマンションでしたが帰阪するまでそこでピアノのお勉強をしておりました。         
東京山手線目白駅にて
東京目白駅
建物前の交差点より見えるバッハ館の外観
バッハ館
バッハ館入口
バッハ館
バッハ館からの眺め①・・・部屋の前には大きな目白通りが走っており、車の交通量は相当なものでした。
バッハ館
部屋からの眺め②・・・都心にしては緑の多い街で、部屋の前は緑の綺麗な公園でした。
バッハ館

当初は(元)日本ベーゼンドルファー社大阪ショールームの方からご紹介を受けた神戸の日本ピアノサービス(株)の方に自宅のベーゼンドルファーのグランドピアノを東京に移動してもらいそれで練習をしておりました。また関西に帰阪するまでの東京滞在中はベーゼンドルファーの東京ショールームの方々にも大変お世話になりました。東京ショールームのお話は明日タイトルを変えて別に書こうと思います。

バッハ館はかなり上質の防音設備でしたがそれにもかかわらず私の練習する音がマンション中に響き渡るので、1年後仕方なくベーゼンドルファーのグランドピアノは関西の自宅に戻し東京の方にはヤマハのC3のグランドピアノを新たに購入致しました。東京音楽大学のすぐ近くにあるのがヤマハの池袋店でしたのでそちらでグランドピアノを購入致し調律も池袋店から来て頂いておりました。

ヤマハの池袋店には輸入の珍しい楽譜がたくさんありましたので、私は在学中はマンションで練習をしているか、自転車で東京音大に授業を受けに行っているか、練習の合間に来日した外国のピアニスト(クリスチャン・ツィメルマン、パウル バトゥラ=スコダ等)の演奏会を聴きに行ったり博物館・美術館等を回っているか、または徒歩で行けるヤマハの池袋店で楽譜を見ているかのどこかにいるという生活でした。

ヤマハ池袋店の営業の方にはいろいろなピアニストの方の演奏会のご案内を頂いたりして慣れない東京での生活に不安のないよういつもご配慮を頂きました。東京には多くの知り合いがいるというわけではありませんでしたのでマンションから歩いていけるヤマハの池袋店は東京で私が安心して行ける場所の一つで私の東京生活の大きな支えの一つになっていたのではないかと思います。

ヤマハのC3を購入するにあたって選定は用意された5台のグランドピアノの中から自分で選定致しました。用意された5台のグランドピアノを1回ずつ弾き5分とかからず即決で決めました。一番ベーゼンドルファーの音に近いピアノを選びその後も弾きこんでいますのでベーゼンドルファーの音に近い音がし、帰阪する時はそのヤマハのグランドピアノを持って帰り今レッスン用に大切に使っております。

東京ではヤマハC3のグランドの調律はヤマハ池袋店の田端均さんとおっしゃる方に来て頂いておりましたが、帰阪する際、田端さんからヤマハ神戸店の佐藤誠さんをご紹介頂き現在は自宅のレッスン用のヤマハのC3のグランドの方はヤマハの神戸店の方から調律に来て頂いております。

ヨーロッパのピアノの扱いに慣れていないまだ乱暴なタッチの子供達が非常に繊細なベーゼンドルファーのグランドピアノに触ると華奢なベーゼンドルファーのピアノを壊してしまいますので、レッスンには日本の風土や文化に強い国産のヤマハのC3のグランドピアノを使用しております。

ピアノをお勉強される時、幼少からグランドピアノや防音室などの音楽環境をご両親が整えてあげる事が叶うようでしたら当然それがベストなのですが、もし事情が叶わずアップライトのピアノを使用されていても、自分の出しているピアノの色や音にこだわりを持って丁寧にデリケートな練習をすればあるレベルまでは専門に進むのに必要なテクニックの習得も全く不可能な事ではないと思いますが、かなりの才能を要求される事で、通常はグランドピアノを購入されないと難しいかもしれません。。

ピアノは良く楽器の王様と称されますが一台の楽器でオーケストラの代わりを務める事ができます。それだけに大変な楽器で専門の道に進もうと思うと決して平坦な道のりではありません。

しかしその人の人生の中での音楽との関わりは人それぞれです。 門下の方々には厳しい訓練を経て音楽を仕事としている人もいるという事を知った上で、各自の音楽との関わり方を大切にされてピアノがそれぞれの日常の中の喜びになるように頑張ってくれたらと願っております。
YAMAHA MUSIC RETAILING 池袋店
YAMAHA MUSIC RETAILING 神戸店
日本ピアノサービス(株
2015_08
04
(Tue)08:52

Prof. Aquiles Delle Vigneの思い出(13 years old)

アキーレ・デッレ=ヴィーネ先生と(中2)

私が13歳の時、(昨日書きました)元日本ベーゼンドルファーの大阪ショールームの企画でProf. Aquiles Delle Vigne(元ロッテルダム音楽院教授)のプライベートレッスンというのが企画された事があります。私も故片岡みどり先生(相愛大学名誉教授)に連れられてレッスンを受けにまいりました。

ショパンのロンドをレッスンして頂いたのですが、まず私が一通り弾き終わった後大変驚かれて「How old are you?]と尋ねられました。私が「thirteen]とお答えすると「thirteen !! You are a good pianist. very very good pianist」と大変褒めて下さりとても素晴らしいレッスンをして頂きました。

後日片岡先生のお宅にレッスンにお伺いした時に、片岡先生から”「デッレ=ヴィーネ先生からお手紙が来たわよ。自分が責任を持って育てるからオランダへあなたを来させないか?自分にも13歳の娘がいるから大丈夫」と書いてあったわよ。でも私は日本の大学は出ておいたほうがいいと思う。私が断っておいたわよ。”とお話しがありました。

私には選択の余地はなかったわけですが、どこでお勉強をしてもピアノは練習するしかない楽器です。 発信されるいろいろな音楽情報にアンテナを張ってお勉強をしていればどこでお勉強をしていても同じなのではないかと思います。

私はその後中3から東京でピアノのお勉強を続けることが叶ったわけですが、いろいろな事情で東京には行けず関西でお勉強を続ける方や、ピアノを続ける事すら叶わない人も多くいます。

子供達にもせっかくピアノを習わせてもらえるのなら各自それぞれの精一杯の努力で頑張ってほしいと願っています。

日本は島国ですから外国に行こうと思うと海を越えなければいけませんが、デッレ=ヴィーネ先生はお宅がベルギーで勤め先の大学はオランダという方でした。異文化がミックスする中で培われたヨーロッパの伝統文化を島国の日本にここまで根付かせた先人達の努力は大変なものがあったのではないかと思います。

私がお世話になった関孝弘先生もそして今お世話になっている阿部裕之先生も日本人といっても世界に通用する技術と音楽をお持ちの方々です。邦人ピアニストでも外国人に勝るとも劣らないピアニストの方が多くいらっしゃいます。

日本にも週末やお夕食の後、気楽にクラシック音楽を楽しむ習慣が定着しもっと気楽にクラシックのコンサートを楽しんで頂けるように私も微力ながら頑張ろうと思います。

Prof.Aquiles Delle Vigne公式サイト

参考ブログ♪ショパン ロンドOp.16




2015_08
03
(Mon)08:55

B-tech Japan(ベーゼンドルファー技術会社)をご存じですか?

元日本ベーゼンドルファー社の技術の方々が結集して興された会社をB-tech Japanといいます。日本ベーゼンドルファー社が閉鎖された時は愛好者の中に大きな喪失感がありましたが、すぐに技術の方々が集結されてB-tech Japanという会社を興されました。

私は今そこの菊池和明さんとおっしゃる技術の方にピアノのメインテナンスに来て頂いております。菊池さんは業界ではその腕で大変有名な方ですが超多忙なスケジュールの中いつも気持ち良く来て下さいます。     
技術 菊池和明さん 朝日新聞デジタル記事♪~現在は次の記事に変わっております。

私が高1の時ベーゼンドルファーのピアノの購入の選定の際、ピアニストの今井顕さんと技術の菊池さんに選定のお手伝いをして頂きました。今私が愛用しているピアノは菊池さんが自信を持って選んで下さったピアノです。

何ケ月か弾いているとピアノの音が自分の音に変わってしまいますが菊池さんに調整して頂くとウイーンの響が戻ってまいります。ホールで弾いているような感じにピアノが変わりますのでいつも調律の後は気持ちよくしばらくピアノを弾いています。

B-tech Japanにはスタジオがありますが、ベーゼンドルファーのピアノが設置してありリーズナブルな料金で利用できます。私も先日初めて大阪スタジオに伺いインペリアルを弾いてまいりました。

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ホームページのアドレスを掲載致しますのでまだベーゼンドルファーのピアノに触れた事のない方は是非一度スタジオにいらしてみて下さい。          

B-tech Japan♪  
2015_08
03
(Mon)08:34

(元)日本ベーゼンドルファー社代表吉澤直記氏の思い出

(元)日本ベーゼンドルファー社はオーストリア・ウイーンの老舗ピアノメーカーベーゼンドルファー社の日本総代理店です。日本のYAMAHAがウイーンベーゼンドルファー社の経営に参加したのに伴い(元)日本ベーゼンドルファー社は閉鎖されましたが、ウイーンのベーゼンドルファー社はそのままウイーンの伝統を守り続け今も世界のベーゼンドルファーピアノの愛好者のためにその伝統の灯は守られています。(日本のベーゼンドルファー支店は現在はべーゼンドルファー・ジャパンとしてヤマハが経営いたしております。)        
ウイーンベーゼンドルファー社♪   

私が初めて日本ベーゼンドルファー社の大阪ショールームを訪れたのは中学1年の時です。全日本学生音楽コンクールの会場だった門真のルミエールホールのピアノがベーゼンドルファーだったためエントリーにあたりベーゼンドルファーのピアノに触っておいたほうが良いという片岡先生のお考えで日本ベーゼンドルファー社をご紹介頂きました。

故片岡みどり先生(相愛大学名誉教授)とその当時まだご健在だった代表の吉澤直記さんのお父様とはお二人がお若い時から共に日本のクラシック音楽の発展のために尽力されてこられた同胞という事で片岡先生は代表の吉澤直記さんを赤ちゃんの時から良くご存じでいらしたそうです。

吉澤直記さんのお人柄とスタッフの方々による種々の良質の企画でショールームはいつも大変賑わっておりました。
私も外国の方のレッスンを受けさせて頂いたり、ベーゼンドルファーのピアノで練習させて頂いたり大変お世話になりました。

高1の時シューベルトの生誕を記念してシューベルトモデルのピアノが限定発売されましたが、
その時そのピアノでシューマンの幻想小曲集を弾かせて頂いた事があります。吉澤さんに音がとても美しいと大変褒めて頂き大きな励みとなった思い出があります。

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シューマン幻想小曲集(第5回高校生国際芸術コンクールにて)♪

実は私の母はウイーンフィルとウイーン少年合唱団とオーストリアの女性ピアニストーイングリッド・へブラーの大ファンなのですが、その母は子供の頃来日したウイーン少年合唱団を聴きに行き伴奏で使われていたベーゼンドルファーのピアノの金色のドイツ語を見てそれ以来憧れのピアノだったそうです。

そういう経緯から私は高1の時、母方の祖父からベーゼンドルファー200というピアノを買ってもらいました。そしてそれ以来私はそのウインナー・トーンの響に魅せられ今も私の愛用のピアノとなっております。

元日本ベーゼンドルファー社の技術の方々が結集されて興された会社がB-tech Japanという会社です。今も大変お世話になっておりますが、続けてタイトルを変えて書こうと思います。

ピアノのお勉強は色々な方の助けで続けていく事ができます。私も感謝の心とピアノを弾ける喜びを忘れずピアノに向き合いたいと常々思っております。



2015_08
02
(Sun)09:00

「MIDORIKAI」の思い出(故片岡みどり先生・相愛大学名誉教授)

今日は私のピアニストとしての基礎の教育(正しい打鍵法での音の出し方など)を厳しく教育して下った相愛大学名誉教授の故片岡みどり先生をご紹介させて頂きます。

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片岡みどり先生は東京音楽学校をご卒業された後、関西に在住され関西の音楽界の発展の為に大きな貢献をされた女性ピアニストの方です。 また今の相愛大学の音楽学部の伝統のためにも多大な貢献をされた今の働く女性達の先駆者のような方です。

育て上げられたピアニストの数は枚挙のいとまがない程指導者としても素晴らしい力量をお持ちの先生で、今私が生徒を指導する立場に立たされて片岡先生の大きさに改めてご尊敬の念を抱く日々です。

「みどり会」というのは片岡みどり先生の中山寺でのご自宅で直接にレッスンをして頂いていた生徒の会です。 私がお世話になっていた頃はおさらい会は宝塚のベガホールでされていましたが、小6のおさらい会の時の演奏をyou tubeにアップしております。

Beethoven Variationen uber ein eigenes Thema F Dur Op.34(1802)
ベートーヴェン 創作主題による6つの変奏曲 へ長調 Op.34(小6)~谷真子♫         

片岡先生の厳しさは音楽の世界では伝説にもなっている位有名なお話ですが、初めの1音だけで1時間レッスンがあるのは通常の事です。3時間経ってまだ数小節しか進んでいないというのも珍しい事ではなく今思えばその中から私達に「音」の奥深さの追及の喜びを教えて下さっていたのではないかと思います。

私が直接お世話になったのは中学3年の9月まででそれ以降は大学を卒業し帰阪するまで東京でピアニストの関孝弘先生のレッスンを受けたわけですが、時々母宛てにお励ましのお手紙を下さっていたそうです。

音楽活動を続けていくのは大きなエネルギーがいりますので、今京都在住のピアニストの阿部裕之先生にレッスンをして頂きながら演奏活動を続けているのを片岡先生が誰よりも喜んで下さっているのではないかと思っております。


参考ブログ
第46,47,48回全日本学生音楽コンクールの思い出
ゲルジョード先生の思い出
2015_08
01
(Sat)20:02

ピアニストの阿部裕之氏のピアノを聴かれた事があるでしょうか?

私がプライベートで師事する阿部裕之先生のピアノの素晴らしさをご紹介したいと思います。

阿部裕之先生は東京芸術大学大学院を卒業された後ドイツへ留学されまたフランスでもラヴェルの直弟子のV.ペルルミュテール氏に師事されラヴェルの全作品を学ばれた日本を代表する世界的なピアニストの方です。

第49回日本音楽コンクール第1位という輝かしい経歴をお持ちの方ですが京都市立芸術大学教授としてもお忙しい日々を送ってらっしゃいます。

ラヴェルの演奏では定評のある方ですがその音の美しさと音色の多彩さは言葉では表現のしようがありません。ラヴェルはもちろんですがレッスンの時弾かれるベートーヴェンやシューマン等もその素晴らしさにいつも感動致しております。

私は東京音楽大学ピアノ科で学んだ後、2017年3月、神戸大学大学院人間発達環境学研究科人間発達専攻(表現系)博士課程前期課程を修了し、シューマンの幻想曲の第1楽章の演奏解釈についての論文を書きました。 音で表現している事を言葉で表現するのは思いのほか難しく、阿部先生にはご自宅でのピアノレッスンを通して大変多くの事を教わりました。

西洋建築のような骨格がありかつ美しく繊細な阿部裕之先生のピアノをひとりでも多くの方々に聴いてほしいと願いCDのご紹介とyou tubeへのリンクを掲載させて頂きました。

1994年11月10日発売ラヴェル抜粋CD 
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2017年11月25日発売ラヴェルピアノ・ソロ作品全集CD
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阿部先生の「ラヴェルピアノ・ソロ作品全集」のCDは11月25日に全国の楽器店で一斉に発売されます。
ライヴノート・ナミレコードからの発売で品番はWWCC-7853-5、3枚組で4,500円+税となります。

阿部裕之先生公式サイト

ラヴェル 「スカルボ~阿部裕之先生♬

ラヴェル 「水の戯れ~阿部裕之先生♬


ラヴェルの高雅にして感傷的なワルツのレッスンからですが、最初の曲には「アデライド」という副題が付いていますが、作曲の5年後トラック運転手として軍隊に志願したラヴェルは自分の愛車に「アデライド」という名前を付けたそうです。前線に向かって昼夜ガタガタ走る様子をイメージしながらこの最初の曲を弾くと荒々しくそして楽しいこの曲の雰囲気がだせるそうです。
 
 第1曲目の冒頭の和音はペダルを使って弾いている演奏家とペダルを使わず演奏している方とおられますが、V.ペルルミュテール氏はペダルを使って弾いていたと阿部先生がおっしゃておられました。阿部先生はペダルを使わずに演奏されるそうです。

   
V,ぺルルミュテール氏演奏 ラヴェル「高雅にして感傷的なワルツ」♬            
 
バレエ音楽として管弦楽版も作曲されていますが、ラヴェルはこのワルツでシューベルトのウィーンナーワルツをイメージし、オーストリー=ハンガリー帝国の古き良き時代を回顧しながら、現代の華やかな響きを表現しようとしたそうです。

どちらのCDにも阿部裕之先生ご自身による解説文がジャケットの中に書かれております。 とても分かりやすくインスピレーションが広がってまいります。 是非お読み下さい。


ラヴェル「高雅にして感傷的なワルツ~谷 真子♬
ラヴェル 鏡より 1.蛾 3.海原の小舟 4.道化師の朝の歌♫~谷真子


ピアニスト谷真子公式サイトはこちらへ♪