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2015_09
30
(Wed)07:43

東誠三先生東京音楽大学非常勤講師(ピアニスト)~「ソルフェージュ」の講義

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モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

音楽大学は一般大学と違って実技の学校ではありますが、だからと言ってピアノのレッスンだけを受けに行くレッスン・ルームではありません。 大学ですから音楽に関する様々な授業が開講されており、卒業するためにはそういう科目のお勉強を終了しなくては卒業できません。 

そういう科目の一つに「ソルフェージュ」という科目があります。 ♪ピアニストの東誠三先生非常勤講師♪もソルフェ―ジュの授業を持っておられました。 他のソルフェージュの先生もパリのコンセルヴァトワ―ル出身の素晴らしい先生方でソルフェージュの授業も大変レヴェルが高く充実しておりました。

東先生は東京音楽大学の大先輩で日本を代表するピアニストの方のお一人ですが、お忙しい中、東京音楽大学の非常勤講師として母校の後輩をご指導もして下さりながら、現在は東京芸術大学の准教授としても精力的に活動をなさっていらっしゃいます。 

東京音楽大学進学後、パリのコンセルヴァトワ―ルでもお勉強をしていらっしゃるので、(ピアニストとしてはもちろん有名な方ですが)ソルフェージュも素晴らしい授業をなさいます。 フランスは古くからソルフェージュ教育の重要性を推進してきた国です。 日本も最近はやっとソルフェージュ教育の重要性が浸透してまいり、趣味の方でもピアノと並行してソルフェージュを習われる方が増えてまいりましたが、音楽大学に入学した後もソルフェージュという授業はあります。

ソルフェージュはピアノと同じように個人の先生にお習いする方も多いですが、私の場合は大阪の♪相愛音楽教室~現相愛大学附属音楽教室♪に通っておりました。 土曜日の午後かなり長時間に渡って聴音、楽典、新曲視唱などの授業が行われます。 学校と同じように試験も父兄の個人懇談もあります。 試験の結果でクラスが決められ、1年に1回実技テストもあり、卒業時の実技テストで一番の人は卒業演奏会に出演します。 

相愛音楽教室は関西では一番伝統のある音楽教室ですが、卒業生には毎日コンクールの入賞者の方も多く、世界的に有名な音楽家も多く輩出している音楽教室です。 私が東京音楽大学のソルフェージュの試験で上級に入れたのは、相愛音楽教室のおかげだと思っております。 

明日はその相愛音楽教室の中学3年の実技テストで弾いたハイドンのピアノ・ソナタHob.16-50ハ長調について書きます。 この曲を弾いて首席となり卒業演奏会に出演させて頂け、卒業演奏会ではリストの「小人の踊り」とベートーヴェンのピアノ・ソナタ3番を演奏する事ができた思い出の曲です。
2015_09
29
(Tue)06:35

東京音楽大学大先輩 広上淳一東京音楽大学教授(指揮者)~「指揮法」の講義

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モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

今日は指揮者の♪広上淳一東京音楽大学教授♪について書きます。

広上先生は東京音楽大学の大先輩ですが、1984年の第1回キリル・コンドラシン国際青年指揮者コンクールで優勝し、審査員だったアシュケナージにその才能を認められ世界的な活躍をなさって来られた指揮者の方です。

2008年より♪京都市交響楽団♪常任指揮者としても精力的な活動を行っておられます。 また現在は京都市立芸術大学客員教授もなさっていらっしゃいます。

私も学生時代に広上先生の「指揮法」の講義を受けましたが、大変熱心な先生で良く分かる楽しい講義でした。 ちなみに東京音楽大学という所は、基本的には教科書というのはございません。 先生方は手作りのプリントを毎回持ってこられ、それに基付き講義をされます。 ですから学生は自分でそのプリントに講義の書き込みをし、ファイルして、自分だけの教科書を作っていかなくてはいけません。 

学内で東京音大学生オーケストラが演奏する際には、広上先生がいつも指揮をなされ、私はモーツアルトのオペラ「フィガロの結婚」などは在学中たびたびお聴きし、ワーグナーの楽劇「ニュールンベルクのマイスタジンガ―」などの演奏も聴いたことがあります。

音楽のお勉強は全て自らのエネルギーとの戦いです。 自分でモティベーションを見つけ、自分の心と戦い、自らエネルギーを発熱させなければ誰も何もしてくれません。 立ち止まりずっと休憩していても誰も何も言わず、舞台を降りるのも頑張るのもみな自分の自由です。 

ですから修行の世界と言われるのだと思いますが、最終的には「音楽」を捨てられるのか否なのか、それにかかっていると思います。 「音楽」を捨てられなければ頑張るしかありません。 音楽家の人で何の挫折もなく人生を邁進してきたという人は私はまだ今までに聞いたことがありません。 みないろんな事を乗り越えて、ミューゼの神と向き合っているのです。

では京都市交響楽団、指揮広上淳一氏の♫ドヴォルザークの序曲「謝肉祭」の演奏♫にリンク致します。 (京都市交響楽団は全国で唯一の自治体直営のオーケストラです。) どうぞお楽しみ下さい。

♯***♭
序曲「謝肉祭」作品92
ドヴォルザークが作曲した演奏会用序曲「自然と生命と愛」の中の一曲です。 「自然の中で」作品91、「謝肉祭」作品92、「オセロ」作品93の3曲から成っています。 序曲「謝肉祭」は人気が高く良く演奏されます。 

 
2015_09
28
(Mon)10:40

第17回ショパン国際ピアノコンクール

COMPETITION
ベーゼンドルファー200

第17回ショパン国際ピアノコンクールがいよいよ10月3日(現地時間)からポーランドで開催されます。

ショパン国際ピアノコンクールはエリザベート王妃国際音楽コンクール、チャイコフスキ国際コンクールと合わせて世界の三大コンクールと言われており、アシュケナージ、アルゲリッチを初め数多くの歴史に残る名ピアニストを輩出しています。

前回第16回の覇者はユリアンナ・アヴデーエワ(ロシア)ですが、今年はどんなピアニストが誕生するのか楽しみにしています。
ユリアンナ・ァヴデーエワ演奏会チラシ


ショパン国際コンクール公式サイト♪←こちらです。
ショパン国際コンクールスケジュール♪←こちらです。

今はインターネット配信されているようですので人類の歴史に名を刻むかもしれないピアニストの誕生の瞬間を見られるのも楽しいかと思います。 (時間の表記は中央ヨーロッパの時間です。 時差がございます。)
2015_09
28
(Mon)06:49

西村朗先生「2台のピアノと管弦楽のヘテロフォ二ー」(東京音楽大学教授)~「現代音楽の解釈と奏法」の講義

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モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

今日は世界を代表する♪現代音楽作曲家の西村朗氏♪の作品について書きます。

西村朗先生は東京音楽大学教授でもいらっしゃいますが、私も学生時代に「現代音楽の解釈と奏法」の講義を受けておりました。 西村先生は東京芸術大学・大学院のご出身で、1974年の日本音楽コンク―ル作曲部門第1位、エリーザべト国際音楽コンクール作曲部門大賞他数多くの賞を受賞されている世界の現代音楽作曲家のお一人です。

また♪B-tech Japan♪からも参加をされている♪草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル♪の音楽監督もなさっておられます。

西村先生は「ヘテロフォ二ー」という、「音楽のテクスチュア(texture)の一つ」を使った作品を多く作曲されています。 音楽のテクスチュアにはモノフォ二ー、ポリフォ二ー、ホモフォ二ーなどがありますが、ヘテロフォ二―というのはモノフォ二ーの変化したもので、同じ旋律を奏でる奏者がリズムなどを変える事で一瞬ポリフォ二ーのような響きが得られる現象をいいます。

日本の雅楽やインドネシアのガムランなどのアジアの宮廷音楽にその響きが良く用いられていますが、西村先生はこのヘテロフォ二ーの響きを利用した音楽をたくさん作っておられ、じっと聴いているとアジア人にはどこか懐かしさを感じます。

「鳥のヘテロフォ二ー」
「2台のピアノと管弦楽のヘテロフォ二ー」
「弦楽四重奏のためのヘテロフォ二ー」
「巫楽~管楽器群と打楽器のためのヘテロフォ二ー」
「秘儀Ⅲ~旋回舞踊のためのヘテロフォ二ー」

などがありますが、♫今日は「2台のピアノと管弦楽のヘテロフォ二ー」にリンク致します。 是非ヘテロフォ二ーの響きをお楽しみ下さい。♫

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「一枚のデイスクに~レコード・プロデューサーの仕事」(春秋社)~井阪紘著
井阪紘さんは事務局長として第1回草津国際音楽アカデミー開催に多大な尽力をされたレコード・プロデューサーの方ですが、そのご本のP.40に西村朗先生との対談が掲載されています。

一枚のディスクに~レコードプロデューサーの仕事(井阪紘著)
一枚のディスクに~レコードプロデューサーの仕事(井阪紘著)

現代音楽とレコード制作~西村朗との対話
現代音楽とレコード制作~西村朗との対話(P.40)

室内楽についての参考ブログ
室内楽を聴く楽しさ(ハイドン弦楽四重奏曲)
続室内楽を聴く楽しさ(シューベルト、ドヴォジャーク、スメタナ、弦楽四重奏曲)