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2015_10
30
(Fri)06:13

シューベルト「アルぺジョーネ・ソナタ」

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モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

今日はシューベルトが1824年に作曲した「アルぺジョーネとピアノのためのソナタ イ短調 D.821」について書きます。 この作品は当時使用されていたアルぺジョーネという楽器のために書かれたシューベルトの現存する唯一の作品です。

アルぺジョーネについては追記で書きます。

シューベルトの死後1871年に出版された頃にはアルぺジョーネは使用されておらず、現在ではチェロやヴィオラで代用されて演奏される事が多いのですが、編曲の際アーティキュレーションが手直しされる事が多く、チェロにとっては高音域の演奏が非常に困難でチェロの難曲と言われております。

現在ではアルぺジョーネは復元されておりますが、奏者は少なくアルぺジョーネを用いての演奏はほとんど行われておりません。 そのような中で珍しいCDをご紹介致します。 ピアノフォルテはパウル バドゥーラ=スコダ、アルぺジョーネはニコラ・デルタイユによるものですが、古楽器による音色に心癒されるCDです。

シューベルト アルぺージョ・ソナタCDご紹介♪~アルぺジョーネの楽器を使用して
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シューベルト 「アルぺジョーネ・ソナタ D.821」♫~ニコラ・デルタイユ(アルぺジョーネ)、Alain Roudier(ピアノフォルテ1828)(No.1)
シューベルト 「アルぺジョーネ・ソナタ D.821」♫~同上(No.2)





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シューベルト:アルぺジョーネ・ソナタ~ロストロポーヴィチ(チェロ)、ブリテン(ピアノ)

シューベルト 「アルぺジョーネ・ソナタ D.821」♫~PERENYI(チェロ)、SCHIFF(ピアノ

この曲と同時期に作曲された作品に弦楽四重奏曲「死と乙女」がありますが、この頃シューベルトは重い病気を患っており、この曲も全体が暗い雰囲気に覆われております。 しかし綺麗な名曲ですので愛聴される方は多いようです。


***追記***
arpeggione(アルぺジョーネ)は1823年から1824年にかけてウイーンで発明された6弦の弦楽器です。 弓で演奏致しますが24のフレットも合わせ持っておりギターの特徴も持っております。 現在は楽器は復元はされておりますが奏者は大変少なく、チェロやビオラで代用される事が多いです。 しかしシューベルトの意図を完全に再現しようと試みると、やはりアルぺジョーネを使用するのが本来は一番ふさわしいのではないかと思います。 


明日は京都コンサートホールへシベリウスの「ヴァイオリン・コンチェルト」やドヴォルザークの「新世界」を聴きにまいりますので帰宅後その感想をアップ致します。 指揮者は今人気上昇中の新進気鋭の若手指揮者でウイーン在住の垣内悠希さんです。 実は現在私が通っている大学院の非常勤講師で垣内悠希さんのお父様が授業を開講されており、私はお父様の授業を受けた事がございます。 そのご縁で今回ご案内を頂き初めて聴きに伺います。 大変楽しみにさせて頂いております。

↓垣内悠希さんプロフィール
http://amati-tokyo.com/artist/post-9.html
2015_10
29
(Thu)06:05

湿度とピアノ

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私は練習にウイ―ン製のピアノのベーゼンドルファー200を使用しておりますが、ここのところ気候の温暖差や湿度の変化により、
ピアノのハンマー部分に水蒸気が付き、ハンマーの動きが鈍くなっているようです。

ベーゼンドルファーはヨーロッパの気候に合わせて作られているため、湿度の高い時期にはピアノが湿気で音がこもったようになります。

ピアノの環境のためには、温度と湿度を年中一定に保つのがベストなため私もそう心がけてはおりますが、気候が不安定だとピアノの音色も天候によって日々変わってまいります。

部屋の湿度は60%を目安にしており、今は除湿器もフル稼働しております。
除湿器は普通の家庭用のものを使用しております。

私の所有するベーゼンドルァーは、ピアノのフレームの木の部分はイタリアの木が使用されており、ピアノのアクションの部分はオーストリア製です。 購入時に(元)日本ベーゼドルファー社の方が調べて下さいました。 ピアノの音が共鳴する木の部分をイタリアの木を使用しているため、割と音量が出て、カラッとして明るい音が致します。

私が幼少の頃より使っているグランドピアノはベーゼンドルファーのピアノで3台目です。 一台目は導入の時期にヤマハのG1を両親に買ってもらいました。 次は、小学生の頃ヤマハのC5のピアノに買い換えました。 このピアノも普段の練習量が多かったため、調律師さんに「これは弾きつぶしてしまうでしょうね。」と言われ、弦が頻繁に切れるようになりました。

高校1年生の頃に母方の祖父にベーゼンドルファーを買ってもらいそれで練習するようになりました。 良い楽器から直接学ぶことは多いと思います。

現在レッスン用に使用しているピアノはヤマハのC3のピアノで、大学生の時に東京のマンションで練習用に買ってもらったものです。 こちらが4台目のピアノになります。 ヤマハ池袋店の方が、ピアノを5台用意して下さり、その中から自分の好きな音色のピアノを選びました。 室内楽に向いているような、ベーゼンドルファーに近い弦楽器のような音が致しますので手放すのが惜しく、東京から実家に持って帰ってきた私のお気に入りの一台です。

ピアノは生き物だと感じます。

ベーゼンドルファーは丈夫に出来ているため、ピアノの弦が切れにくいと言われておりますが、最近は消耗が激しく、よく弦が切れるようになってまいりました。

そろそろベーゼンドルファーを弾き始めて、20年ほど経ちますので、オーバーホール(ピアノの弦やアクション部分を新しいものに取りかえる)の時期が近づいているようです。


<参考ブログ>
B-tech Japan(ベーゼンドルファー技術会社)に関するブログ