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2016_02
29
(Mon)09:10

ブラームス ピアノ三重奏曲 第1番 ロ長調 作品8/Brahms Klaviertrio Nr.1 H-Dur Op.8

ブラ―ムス(1833~1897)のピアノ三重奏曲第1番の初稿はブラームスがまだ20歳の1854年に作曲され、ジムロック社から出版されましたが、作品の出版権がブライトコプフ・ウント・ヘルテル社に移った際ブラームスは主題の差し替え等大幅な改訂を施し1891年改訂叛が出版されております。

ブラームスは曲を改訂すると初版はすぐに破棄するのが常であったため2つの版が現存するのはブラームスの作品の中ではこの作品のみです。 今日では改訂版が演奏される事が多く、また多楽章の大規模な作品としては最初のものです。

若きブラームスの情熱と素朴さと真摯さが現れた美しい旋律でブラ―ムスの個性がよく表現された作品です。

初版の初演は1855年11月27日、ニューヨークにおいてウイリアム・メイソンのピアノで、改訂版の初演は1890年1月10日、ブタペストにおいてブラームス自身のピアノによって行われております。

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第1楽章 アレグロ・コン・ブリオ
1

第2楽章 スケルツォ
2

第3楽章 アダージョ
3

第4楽章 アレグロ
4

ブラームス ピアノ三重奏曲 第1番♫~ピリス(ピアノ)
ブラームス ピアノ三重奏曲 第1番♫~ハメリン(ピアノ)、ジョシュア(バイオリン)、イッサ―リス(チェロ)
ブラームス ピアノ三重奏曲 第1番♫~アックス(ピアノ)、ヨーヨーマ(チェロ)
ブラームス ピアノ三重奏曲 第1番♫~アイザックスターン(ヴィオリン)、カザルス(チェロ)
ブラームス ピアノ三重奏曲 第1番♫~オボーリン(ピアノ)
ブラームス ピアノ三重奏曲 第1番♫~カッチェン(ピアノ)、スーク(バイオリン)、シュタルケル(チェロ)

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パウル バドゥーラ=スコダ(ピアノ)


ピアニスト谷真子公式サイト
2016_02
26
(Fri)07:50

リスト タランテラ/Liszt Tarantella

リストの「タランテラ」はリストの「巡礼の年 ヴェネツィアとナポリ(第2年補遺)」の中の第3曲目の曲です。

「巡礼の年」は「第1年スイス」「第2年イタリア」「ヴェネツィアとナポリ(第2年補遺)」「第3年」の4集からなるリストのピアノ独奏曲集ですが、「ヴェネツィアとナポリ(第2年補遺)」は「第2年イタリア」と同時期の1837年から1839年にかけて作曲が開始されたと言われております。

初稿は1840年に作曲された4曲からなる曲集ですが、そのうち2曲を校訂し現在の第2曲のカンツォーネを追加して1859年に現在の形に改訂し、1861年にショット社から出版されております。 その際リストは全3曲を続けて演奏するようにと指示しております。

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「ヴェネツィアとナポリ(第2年補遺)」はリストがヴェネツィアとナポリで聴いた旋律にインスパイアされて作曲したと考えられておりますが、その中の第3曲「タランテラ」のタイトルのタランテラとはイタリア・ナポリの民族舞踊の事で、毒蜘蛛のタランチュラにかまれた時この踊りを踊ると治るという有名な伝説があります。

タランテラは8分の6拍子の躍動的な舞曲で19世紀以降リストやショパンなどの作曲家のピアノ曲に用いられておりますが、リストの「タランテラ」は「ヴェネツィアとナポリ(第2年補遺)」の中の他の2曲に比べると演奏時間も若干長く技巧的なパッセージも目立ち、単独で演奏されることも多い難曲です。

リスト タランテラ♫~キーシン
リスト タランテラ♫~ユンディ・リー


ピアニスト谷真子公式サイト
2016_02
24
(Wed)08:04

グリーグ ピアノ協奏曲 イ短調 作品16/Grieg Piano Konsert a-moll Op.16

ノルウェーの作曲家グリーグ(1843~1907)のピアノ協奏曲イ短調作品16はグリーグが完成させた唯一のピアノ協奏曲で、古今のピアノ協奏曲の中でも重要な位置を占める名曲です。

1868年グリーグが25歳の時デンマークで作曲したグリーグの初期の傑作で、親友のエドムント・ノイぺルトに捧げられており完成の翌年ノイぺルトによって初演されました。

グリーグはその後何度も改訂を行い現在演奏されるのは最晩年の1906年から1907年頃にかけて改訂され1917年に出版されたものです。

グリーグのピアノ協奏曲は同じイ短調という事もありシューマンのピアノ協奏曲とよく比較されますが、実際にグリーグはシューマンのピアノ協奏曲をライプツィッヒ音楽院に留学していた1856年にクララ・シューマンの演奏で聴いておりそれに大きく影響を受けております。

1870年グリーグと面会したリストはグリーグの手稿譜を初見で弾き絶賛したというエピソードが残っております。

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第1楽章
1
ティンパニーのクレッシェンドに導かれて登場するピアノの流れ落ちるような冒頭のフレーズはテレビのBGMなどでもしばしば使われる非常に有名な音楽です。 これは北欧のフィヨルドに注ぐ滝の流れを表現したものと言われております。
グリーグ ピアノ協奏曲 第1楽章♫~キーシン

第2楽章
2
第2部でようやく現れるピアノのパートはそれまでの弱音器を付けた弦楽器の柔らかい和音の旋律を受け継ぎながら発展して行くパッセージであり印象的です。 アタッカで次の楽章へと続きます。
グリーグ ピアノ協奏曲 第2楽章♫~キーシン

第3楽章
3-1
マーチによる導入の後ピアノのカデンツァで開始します。 ノルウェー舞曲を思わせる第1テーマはピアノが提示し中間部ではフルートが叙情性にあふれた牧歌的なメロディを歌い上げます。

3-2
その後クアジ・プレストにテンポを急迫させます。

3-3
最後はアンダンテ・マエストーソとなり堂々とした終曲に至ります。
グリーグ ピアノ協奏曲 第3楽章♫~キーシン

グリーグ ピアノ協奏曲♫~リヒテル
グリーグ ピアノ協奏曲♫~ルービンシュタイン
グリーグ ピアノ協奏曲♫~ルプー


レッスン問い合わせ
2016_02
22
(Mon)08:20

グリーグ ペールギュント組曲 作品46, 作品55/Grieg Peer Gynt Suites Op.46, Op.55 

グリーグ(1843~1907)はノルウェーの民族音楽から深い影響を受けた国民楽派の作曲家です。 ピアノのために数多くの小品を残しており「北欧のショパン」と呼ばれる事もあります。

グリーグの「ペール・ギュント」作品23はヘンリック・イプセンの戯曲「ペール・ギュント」のためにグリーグが作曲した劇付随音楽ですが、のち1891年にグリーグは原曲の第13,12,16,8曲の4曲を選び管弦楽のための第1組曲として編曲しております。(作品46) また1892年には原曲の第4,9,21,19.曲の4曲を選び第2組曲として編曲致しましたが、翌1893年第9曲の代わりに第15曲を入れてそれを改訂しております。(作品55)

{イプセンの「ペール・ギュント」は1867年にイプセンが書いた戯曲ですが、これを舞台で上演するにあたり1874年イプセンは同国人のグリーグに劇音楽の作曲を依頼します。 グリーグはそれを翌年1875年に完成させ、初演は1876年2月24日現オスロの王立劇場で行われました。(作品23)}

他にもグリーグ自身の編曲で何曲かがピアノ独奏曲やピアノ伴奏の歌曲に編曲されております。

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ピアノ独奏用楽譜 作品46

ピアノ1


ピアノ2
オーセの死

ピアノ3
アニトラの踊り

ピアノ4
山の魔王の宮殿にて

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ピアノ独奏用楽譜 作品55

1
イングリッドの嘆き

2
アラビアの踊り

3
ペール・ギュントの帰郷

4
ソルヴェイグの歌


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第2組曲作品55 スコア

1
イングリッドの嘆き

2
アラビアの踊り

3
ペール・ギュントの帰郷

4
ソルヴェイグの歌

グリーグ「ペール・ギュント」第1組曲 作品46

オーセの死
アニトラの踊り
山の魔王の宮殿にて

グリーグ「ペール・ギュント」第2組曲 作品55
イングリッドの嘆き
アラビアの踊り
ペール・ギュントの帰郷
ソルヴェイグの歌

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ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、カラヤン指揮


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