2016_11
30
(Wed)09:05

音楽と絵画

絵画は視覚芸術、音楽は聴覚芸術といえると思いますが、素人の方には視覚芸術の方が聴覚芸術よりも芸術として認識しやすいのではないかと思います。

実はピアニストの仕事というのは画家さんと同じなのです。 画家さんは白いキャンパスに絵の具と絵筆を使って絵を描きますが、ピアニストも絵を描いているのです。 ピアニストはホールという空間に絵の具(音色)と絵筆(いろいろなタッチ)を使って絵を描いているのです。

視覚芸術は残りますので目の前で全体像をゆっくり見る事ができますが、聴覚芸術は瞬時消えていきますから残像を繋ぎあわせて聴衆自身で作品を完成させなくてはいけません。 ですから芸術として認識するのが難しいのです。

絵の具や絵筆は多ければ多いほど良い絵画になりますが音楽も同じです。 音色が多彩であればあるほど、またタッチの数が多いほど良い演奏になります。

そこで、「音」は絵の具と同じで色を持っているのだという事をご存じない方も多いのではないかと思います。 音には色があるのだと認識しながらピアノを弾くと、たとえ導入の方でも5種類くらいの色は作れます。 その後訓練でこの色の数を増やしていくのですが、この色彩感を鍛えるためにピアニストは良く絵画を見に行きます。

一方絵を描くには絵筆が必要ですが、ピアノ演奏にもその絵筆と同じ様々なタッチが必要です。 これも長い時間をかけて訓練しながら様々なタッチを覚えます。

ところで私は日本の洋画家では小磯良平さんという画家の絵が好きなのですが(この好みは祖母から母へ、そして私へと受け継がれているものです。)、神戸に神戸市立小磯記念美術館がありますので宜しければ是非一度訪れてみられて下さい。 東京の迎賓館にも小磯良平さんの作品は飾られておりますが、端正な品格の高い絵を描かれる画家さんです。

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左「絵画」 右「音楽」 小磯良平画伯作

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「斉唱」 小磯良平画伯作

絵も宗教画から、肖像画、風景画、写実画、抽象画等時代の流れで歴史がありますが、音楽も同じです。 バロックから古典派、ロマン派、近代、現代と歴史があり音楽の場合は全ての分野を弾くことを求められます。

ピアニストは日々の練習に追われ美術館に足を運ぶ時間を確保するのが難しいですが、私もなるべく時間を作って美術館には足を運ぶようにしております。 本物の絵画を見るのがベストですが、美術館になかなか行く時間のないお子さんの場合、自宅で画集を手に取って眺めるだけでも色彩感覚は鍛えられるかと思います。

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ピアニスト谷真子公式サイト
2016_11
29
(Tue)19:29

クリスマスの音楽

もうすぐ12月、クリスマスの季節ですね。 我が家もクリスマスを迎えるためにツリーを飾りました。
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私はクリスチャンではありませんが、クラシック音楽に関わる仕事をしているので、クリスマスにはささやかなツリーを教室の入り口に飾りお祝いを致します。

クラシック音楽は教会でのミサ音楽が母胎となって発展してきた音楽ですので、クラシックの源流を知ってもらうためにも12月はミサ曲のCDや誰でも口ずさめる讃美歌を受付でかけております。

競争社会の厳しさにさらされている子供たちに、レッスンを受ける前に気分を変えてもらうために、いつもは受付でハイドンの弦楽四重奏などのCDをかけているのですが、12月はクリスマスの穏やかさを感じてもらえたらとウィーン少年合唱団等の歌うミサ音楽や讃美歌、またある時はモーツァルトのミサ曲をかけます。

最近は日本でもクリスマスを祝う習慣が文化として定着しておりますが、普段あまり聴かないモーツァルトのミサ曲などに耳を傾けてみられるのはいかがでしょうか。

ウィーン少年合唱団讃美歌
モーツァルト ミサ曲ハ短調 K.427
モーツァルト 戴冠ミサ ハ長調 K.317


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2016_11
28
(Mon)13:06

クラシック音楽の楽しみ方

クラシック音楽は難しい音楽理論に則って作曲されておりますので、それを専門に学ぼうとすると長い年月のかかる壮大な世界ですが、趣味でクラシック音楽を聴かれる方にとっては一時世俗を忘れ心が癒される楽しい世界ではないかと思います。

もちろん音楽学者顔負けの知識を持たれ、趣味とは言ってもかなり専門的に楽しまれている方も中にはいらっしゃいますが、多くの方は難しい事は分からないけれどもクラシック音楽を聴いたら心が浄化され安らぐから好きという方が多いのではないかと思います。

演奏にはもちろん正しい演奏と間違った演奏の2種類がありますが、しかし正しい演奏に唯一の正解があるわけではありません。

その点が数学やスポーツと異なる点ではないかと思います。 100点の演奏にもいくつかの正解があり、また1位の演奏も一つとはかぎりません。

最終的には、どのピアニストを好むかは聴かれる方の好みによって決定されるのではないかと思います。

お洋服を選ぶ場合も、インテリアを考える場合も、その他日常のあらゆる場面で何かを選択する時に自分の好みと言うものがあるのではないかと思います。

育った環境や友人の影響や現在置かれている社会的ステータスなど様々な要素で人間の好みと言うものは形成されるのではないかと思いますが、自分の感性に合ったものに触れると安堵感を覚えます。

どのピアニストを好むかと言うのもこれに近い所があるのではないかと思います。

ちなみに私は自分でも好みは保守的な方だと思うのですが、お洋服でもインテリアでも伝統的で端正なものを好みます。

ですから好むピアニストもクラシックの王道を進む正統派の端正なピアニストを好みます。

でもそうではない音楽関係者の方も多くいらっしゃいます。 伝統を打ち破り斬新な演奏をするピアニストや華やかな聴衆を引きつけるパフォーマンスをされるピアニストを好まれる方も多く、これはどちらが良いまたは悪いという問題ではありません。

クラシックの世界は敷居が高くてと敬遠される方々も、難しく考えずご自分の好むピアニストの音楽を理屈抜きで楽しく聴かれたらそれで良いのではないかと私は思います。

演奏は人生経験そのものですので、若い人の演奏には血気盛んなエネルギーがあり、また人生経験豊かな方の演奏には人生を語るものがあります。 また男性ピアニストには男性の、女性ピアニストには女性特有の良さがあります。 

いずれにしましても日本でもお食事に行くように気楽に生の演奏会に足を運ばれる方が増えていく事を日々願っております。


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2016_11
28
(Mon)08:40

ラフマニノフ 幻想的小品集 作品3/Rakhmaninov Morceau de fantaisie Op.3

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ラフマニノフ(1873~1943)の幻想的小品集はラフマニノフがモスクワ音楽院を卒業した翌年の1892年に完成させたピアノ独奏曲集です。 

1892年10月8日のモスクワ電気博覧会の祝賀会でラフマニノフ自身によって初演され、翌1893年にモスクワ音楽院の作曲の恩師アレンスキーに献呈されました。

どの曲も音楽形式的に幻想曲の形をとっているわけではなく、幻想的な雰囲気を持つキャラクター・ピースとなっております。

1 エレジー 変ホ短調 / "Elegie"
1
瞑想的な雰囲気の曲です。
エレジー♫~アシュケナージ 

2 前奏曲 嬰ハ短調 / "Prelude"
2
 フィギュアスケート選手の浅田真央選手がバンクーバーオリンピックのフリーでも使用した曲ですが、ラフマニノフの作品の中で最も有名なピアノ曲の一つです。 ラフマニノフはこの曲で有名になったと言われております。 冒頭の楽想はクレムリンの宮殿の鐘の音にインスピレーションを得て作曲したと言われ、俗には「鐘の音」とも呼ばれております。 ラフマニノフはこの「前奏曲作品3-2」、「10の前奏曲作品23」、「13の前奏曲作品32」の24曲の前奏曲を残しており、全て異なった調性で書かれております。
前奏曲 嬰ハ短調♫~キーシン

3 メロディ ホ短調 / "Melodie"
3
メロディ♫~リヒテル 

4 道化師 / "Polichinelle"
4
華やかで技巧的な作品です。
道化師♫~ラフマニノフ 

5 セレナード 変ロ短調 / "Serenade"
5
ワルツの主題が軽やかな曲です。
セレナード♫~ラフマニノフ



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2016_11
26
(Sat)09:40

大学院

昨日は午前中、大人の方をレッスンした後、今通っている大学院まで論文のサブ・アドヴァイスを受けに行ってまいりました。

論文のタイトルは「シューマンの幻想曲Op.17についての研究」で、第1楽章の演奏解釈を中心に論じたものですが、完成に向けて作曲学的な見地からサブ・アドヴァイスを頂くために、作曲の先生のゼミを受けに行きました。

シューマンの「幻想曲」は昔から綺麗な曲だなと思いながらアラウ・ホロヴィッツ等のCDを良く聴いておりましたが、大阪倶楽部での阿部裕之先生のシューマンの「幻想曲」の演奏を聴いた時、幻想曲ではあるもののその構築力の素晴らしさ、まるで図面を引いてその通りに綿密に建てられた建築物であるかのような演奏に感動致しました。

その事がきっかけで、私はシューマンの「幻想曲」について研究してみようと思い、論文のテーマをそれにいたしました。

シューマンの「幻想曲」は、シューマン自身は初めは「ピアノ・ソナタ」と題しておりましたが、出版社の方で「幻想曲」と変更したというエピソードを持っている曲です。

当時はベートーヴェンによって古典派のピアノ・ソナタはすでに完成されており、作曲家たちは新しい時代のピアノ・ソナタを模索しておりました。 過度期のシュ-ベルトに始まり、シューマン、リストとロマン派の作曲家へと歴史は繋がるわけですが、シューマンの「幻想曲」はロマン派の時代の新しいピアノ・ソナタの萌芽と言えのではないかと言うのが今回の私の論文のテーマです。

それを証明するためにいろいろな先行研究から論文を作成していくわけですが、論文を書くにあたってはお作法というものがございます。 そのお作法を教授からご指導頂くわけですが、これがかなり大変な作業です。

完成しましたらブログにアップ致しますので、またご興味のある方はお読みください。 ページ数はだいたい100ページくらいの論文です。

今日は新しくレッスンを始められた5歳の男の子のレッスンがありますので、気持ちを切り替えてレッスンに臨みたいと思います。


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2016_11
23
(Wed)11:16

日本ピアノ教育連盟とピアノ・オーディション(ピアノ・コンクール)のご紹介

今日は公益財団法人「日本ピアノ教育連盟」についてご紹介しようと思います。

日本ピアノ教育連盟というのは日本のピアノ教育に携わるピアニスト・ピアノ教育者で結成されている公益財団法人の事ですが、種々の活動が行なわれております。

1年に1回春にテーマを決めて全国研究大会が開催されますが、第33回全国研究大会は2017年3月30日と31日に東京藝術大学 奏楽堂にて開催されます。

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今回のテーマは「ピアノ演奏の基礎知識~バロック音楽から学ぶ~」ですが、ピアノの祖先であるオルガンやチェンバロ演奏から大会は始まります。 古典舞踊の基礎を知るためにそのステップも体験できるようです。

また日本ピアノ教育連盟ではピアノ・オーディションというピアノ・コンクールも1年に1回開催されていますが、その2回の予選を突破された8名の入賞者による演奏会も開かれます。

ピアノ・オーディションにつきましては以前の私のブログに詳しく書いておりますのでそちらをお読み下さい。 私も小学校5年生の時に第9回ピアノ・オーディションで全国優秀者演奏会に出場した事があります。

日本ピアノ教育連盟ピアノ・オーディションについてのブログ

会報と合わせて「紀要」も発刊されており、各種論文が掲載されております。

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ご興味のある方は詳細につきましては日本ピアノ教育連盟ホームページをご覧下さい。


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2016_11
20
(Sun)20:26

午後から京都まで足を伸ばして充電してまいりました。

京都まで足を伸ばして充電をしてまいりました。

予定では嵯峨野の大覚寺まで紅葉を見に行くつもりでしたが、午後からの外出だったために京都駅からのバスが大渋滞に巻き込まれ閉門に間に合いそうになく、途中の松尾大社で下車して次の演奏会の成功を祈願して戻って来ました。

京都駅市バス28番乗り場
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松尾大社
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松尾大社参道
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阪急松尾駅ホーム
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私の自宅は奈良市学園前という所にありますが、京都と大阪の県境になるため、大阪へも京都へも30分で出かける事ができます。 ですから大阪のシンフォニーホールもいずみホールも京都の京都コンサートホールへも意外と近く40分から1時間見ておけば行く事ができます。

演奏のお仕事が終わると必ず毎回充電するようにしているのですが、レッスンがありますので遠出はできないため、京都へは良く足を運びます。 泊りがけで観光に来られる方も多いですので気楽に足を運べるのは贅沢な事だといつも思いながら英気を養っております。

帰りは烏丸の大丸に立ち寄りお食事とお買い物をして戻りました。

来年の4/29の東京音楽大学校友会関西支部の演奏会でソロを弾く事に急遽決まりましたので、また気分一新で頑張りたいと思っております。


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2016_11
18
(Fri)23:12

譜めくりのお仕事について

生徒さんから演奏会の時譜めくりをされる方はどういう方なのかと質問がありましたので、今日は譜めくりの仕事について書いて見ようと思います。

ピアニストが室内楽や伴奏のコンサートをする時は、楽譜の譜めくりをして下さる演奏家の方を見つけなくてはいけません。(主催者の方で準備したり、ホール専属の譜めくりの方がいる場合もあります。)

簡単な伴奏でしたら楽譜を切り貼りして作り直し、ピアニスト自身で譜めくりをする場合もありますが、室内楽や長い伴奏ですと一瞬の間に譜めくりをするピアニストを聴衆の方が見ているとまるでサーカスを見ているようで聴衆の方もピアニストも演奏に集中できません。

そこで譜めくりをして下さる演奏家の人を探すわけですが、これは結構大変な事なのです。 演奏家は忙しい人が多くみなレッスンや練習でスケジュールが詰まっています。 急にお願いしても断られるケースが多く、コンサートの予定が決まったら早めに譜めくりの仕事をして下さる方を依頼しておきます。

大学の先生は学生さんにアルバイトで依頼されるケースが多いですが、それ以外はプロの音楽家の方に譜めくりの仕事を依頼します。(コンサートの共演者にお願いする場合もあります。) 一見簡単そうに見えますが、実は大変な仕事なのです。 ピアニストの邪魔をしないように左手で楽譜をめくらなくてはいけませんし、また素早く椅子を立ち素早く座らなくてはいけません。 譜めくりの仕事が演奏会の成否に関わる事もあります。

決まりはありませんが一回の譜めくりでの謝礼は5,000円から10,000円の間です。

私の前回のブラームスピアノ三重奏曲第1番と今回のモーツァルトピアノ四重奏曲第1番の演奏の譜めくりをして下さった方は、福原瑞木さんとおっしゃる奈良在住のピアニストの方です。

福原さんは大阪教育大学芸術コースと同大学院を卒業されたピアニストの方ですが、丁寧で端的な譜めくりをされますので、信頼して譜めくりをお願いしております。

私自身は譜めくりはあまり得意ではなく、積極的にはお受けしておりません。

ピアノソロコンサートは舞台上はピアニスト一人で解決致しますが、デュオ、トリオ、カルテット、クインテット、声楽の伴奏等は陰の仕事の譜めくりと言う重要な仕事をして下さる方がいるからこそ演奏会は成立しております。

演奏会の成功の陰にはこのようにいろいろな大勢のスタッフの方がいらっしゃいます。 お子さんは練習して舞台で成果を披露するのも大切なお勉強ですが、自分を支えてくれる大勢のスタッフの方に感謝の念を忘れずご挨拶をすると言うのも大事なお勉強かと思います。


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2016_11
16
(Wed)16:09

第17回ショパン国際ピアノ・コンクール覇者チョ・ソンジンピアノ・リサイタルお知らせ

第17回ショパン国際ピアノ・コンクールの覇者のチョ・ソンジンが日本で優勝記念リサイタルを行います。

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日時 2017.1.15(日) 14:00開演
会場 ザ・シンフォニーホール
予約 ザ・シンフォニーチケットセンター 06-6453-2333

残席はごく僅かしかないようです。

その美音と豊かな音楽性は稀有の才能と言われており、将来の巨匠の誕生に立ち会いその成長を見守るのも音楽の楽しみの一つかと思います。

門下の生徒さんは大変良いお勉強になりますので是非行かれてみて下さい。

チョ・ソンジンの演奏♫~you tubeより


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2016_11
16
(Wed)08:48

ベートーヴェン=リスト 交響曲第9番 4楽章 歓喜の歌(二台ピアノ)

来年の4月29日に秋篠音楽堂で東京音大校友会関西支部の演奏会が開催されますが、私もベートーヴェン=リスト 第9 「歓喜の歌」よりをピアノ連弾(ペータース版)で演奏致します。

以前も書きましたが、今日はもう一度ベートーヴェン=リスト 交響曲第9番 「歓喜の歌」 (二台ピアノ)について書いてみようと思います。

フランツ・リスト(1811~1886)はドイツ・ロマン派のピアニスト・作曲家で、「ピアノの魔術師」とも言われていますが、1822年ウイーン音楽院でツエル二ーに師事し、翌1823年には老ベートーヴェンにコンサートで会いそのピアニストとしての才能を誉められています。  またリストの先生のツエル二ー(1791~1857)はオーストリアのピアノ教師、ピアニスト、作曲家ですが、10歳でベートーヴェンの弟子となり, 1812年にはベートーヴェンのピアノ協奏曲「皇帝」のウイーンでの初演のソリストを務めています。  またツエル二ーの先生のベートーヴェン(1770~1827)はウイーン古典派の作曲家ですがハイドンに認められたハイドンの弟子でした。

このような系譜からリストはベートーヴェンを大変尊敬しており、ベートーヴェンの交響曲9曲全てをピアノ・ソロ用に編曲しております。 またベートーヴェンの交響曲9番とピアノ協奏曲の3,4,5番は二台ピアノ用にも編曲しております。

リストの時代は現在のようにCDやメディアでベートーヴェンのシンフォ二ーを楽しむという事はできませんから、それをひとりでも多くの人に知ってもらうために、ピアノでも弾けるように作曲したのではないかと思います。

さて「歓喜の歌」はベートーヴェンの交響曲第9番の第4楽章で歌われ演奏される第1主題の事です。 「喜びの歌」とも言われます。

シラーの最初の詩「自由賛歌」(1785年)はフランス革命の直後ラ・マルセイエーズのメロディでドイツの学生に歌われておりましたが、その詩をシラーが書きなおして(1785年初稿、1803年一部改稿)「歓喜に寄せて」と致しました。 ベートーヴェンはそのシラーの「歓喜に寄せて」の詩を1822年~1824年に歌詞として引用し書き直して付曲致しました。

ベートーヴェンは1792年にこの詩の初稿に感動し曲を付けようとしますが、第9交響曲として完成した時には1803年の改稿版の詩を用いております。

An die Freude

O Freunde, nicht diese Töne!
Sondern laßt uns angenehmere
anstimmen und freudenvollere.
(ベートーヴェン作詞)

Freude, schöner Götterfunken,
Tochter aus Elisium
Wir betreten feuertrunken.
Himmlische, dein Heiligtum!

Deine Zauber binden wieder,
(1803年改稿)
Was die Mode streng geteilt;
Alle Menschen werden Brüder,
(1785年初稿:
Was der Mode Schwert geteilt;
Bettler werden Fürstenbrüder,)
Wo dein sanfter Flügel weilt.

Wem der große Wurf gelungen,
Eines Freundes Freund zu sein,
Wer ein holdes Weib errungen,
Mische seinen Jubel ein!

Ja, wer auch nur eine Seele
Sein nennt auf dem Erdenrund!
Und wer's nie gekonnt, der stehle
Weinend sich aus diesem Bund!

Freude trinken alle Wesen
An den Brüsten der Natur;
Alle Guten, alle Bösen
Folgen ihrer Rosenspur.

Küsse gab sie uns und Reben,
Einen Freund, geprüft im Tod;
Wollust ward dem Wurm gegeben,
und der Cherub steht vor Gott.

Froh, wie seine Sonnen fliegen
Durch des Himmels prächt'gen Plan,
Laufet, Brüder, eure Bahn,
Freudig, wie ein Held zum Siegen.

Seid umschlungen, Millionen!
Diesen Kuß der ganzen Welt!
Brüder, über'm Sternenzelt
Muß ein lieber Vater wohnen.

Ihr stürzt nieder, Millionen?
Ahnest du den Schöpfer, Welt?
Such' ihn über'm Sternenzelt!
Über Sternen muß er wohnen.

「歓喜に寄せて」

おお友よ、このような旋律ではない!
もっと心地よいものを歌おうではないか
もっと喜びに満ち溢れるものを
(ベートーヴェン作詞)

歓喜よ、神々の麗しき霊感よ
天上楽園の乙女よ
我々は火のように酔いしれて
崇高な汝(歓喜)の聖所に入る

汝が魔力は再び結び合わせる
(1803年改稿)
時流が強く切り離したものを
すべての人々は兄弟となる
(1785年初稿:
時流の刀が切り離したものを
物乞いらは君主らの兄弟となる)
汝の柔らかな翼が留まる所で

ひとりの友の友となるという
大きな成功を勝ち取った者
心優しき妻を得た者は
彼の歓声に声を合わせよ

そうだ、地上にただ一人だけでも
心を分かち合う魂があると言える者も歓呼せよ
そしてそれがどうしてもできなかった者は
この輪から泣く泣く立ち去るがよい

すべての存在は
自然の乳房から歓喜を飲み
すべての善人もすべての悪人も
薔薇の路をたどる

自然は口づけと葡萄酒と 
死の試練を受けた友を与えてくれた
快楽は虫けらのような者にも与えられ
智天使ケルビムは神の前に立つ

神の壮麗な計画により
太陽が喜ばしく天空を駆け巡るように
兄弟よ、自らの道を進め
英雄のように喜ばしく勝利を目指せ

抱き合おう、諸人(もろびと)よ!
この口づけを全世界に!
兄弟よ、この星空の上に
愛する父がおられるのだ

ひざまずくか、諸人よ?
創造主を感じるか、世界よ
星空の上に神を求めよ
星の彼方に必ず神は住みたもう

ベートーヴェン=リスト 第9交響曲 第4楽章「歓喜の歌」より♫~二台ピアノ
ベートーヴェン 第9交響曲♫~ムーティ指揮、シカゴ交響楽団


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2016_11
14
(Mon)07:45

You Tubeにモーツァルトピアノ四重奏曲第1番の演奏をアップ致しました。

先日11/7秋篠音楽堂で行いましたモーツァルトピアノ四重奏曲第1番の演奏の模様をyou tubeにアップ致しました。

好きな作曲家という事もあり納得いく演奏ができましたのでまたお楽しみ頂けましたら嬉しく存じます。

クラシック音楽の楽しみ方に難しい特別な決まりがあるわけではありませんので聴いて感じたままに楽しんで頂き日常生活の中の歓びとして頂ければピアニストにとってこれ以上嬉しい事はございません。

楽器の生の音の持つエネルギーはなかなか器械ではとらえにくいところがございますが、いろんなご事情でどうしても演奏会場に足を運べない方も多くいらっしゃる事と思います。 そのような方々に私の演奏をyou tubeで楽しんで頂ければと思いアップしております。

どうぞモーツァルトの世界を楽しんで下さい。

モーツァルトピアノ四重奏曲第1番♫~谷真子(ピアノ)、松川暉(ヴァイオリン)、サンダー・ヘールツ(ヴィオラ)、ニコラ・デルタイユ(チェロ)


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2016_11
11
(Fri)23:50

大阪倶楽部まで阿部裕之先生の演奏会を聴きに行って来ました。

大阪倶楽部まで阿部裕之先生の演奏会を聴きに行って来ました。

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大阪倶楽部前のイルミネーション

大阪倶楽部は会員制の社交クラブですが、その建物は大正13年落成の国の登録有形文化財に指定されている由緒ある建物です。 ホールはその4Fにありますが、スタインウエイピアノの設置された素敵なサロンです。

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大阪倶楽部入口

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4Fホール

”エスキス、パリの晩秋”というフランスの香りに溢れたコンサートでしたが、演奏曲は次の通りでした。

ラヴェル:高雅にして感傷的なワルツ
ドビュッシー:前奏曲集第2巻より 2.枯葉 3.ヴィーノの門 8.オンデイーヌ
ドビュッシー:子どもの領分
プーランク:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソOp.28

アンコールはフォーレの子守歌とクライスラーの愛の悲しみでした。

阿部先生のピアノは音色が多彩で映像が目に浮かぶ素晴らしい演奏でした。 「子どもの領分」は子どもが良く抜粋で発表会などで弾きますが、阿部先生の演奏は絵本を見るような音楽でお手本となる素晴らしい演奏でした。

ドビュッシーの前奏曲集は花火を弾いただけでまだお勉強できていないので、弾いてみたいと思いました。


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2016_11
07
(Mon)23:01

ベルギー・日本友好150周年記念演奏会が盛会のうちに終了致しました。

秋篠音楽堂でのベルギー・日本友好150周年記念演奏会が盛会のうちに無事終了致しました。

Congratulations!

平日の夜というお出かけにくい時間帯にもかかわらず、大勢のお客様にご来場頂き深く感謝申し上げます。
どうも有難うございました。

また素敵なお花やプレゼントを頂戴し大変喜んでおります。 
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お花は母の母校の大阪府立北野高等学校の同窓の友人の方から頂いたものです。 いつも暖かく応援下さりお花を届けて下さいます。

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私はモーツァルトピアノ四重奏曲第1番を演奏致しましたが、好きな作曲家という事もあり、納得いく演奏がでおはなき、お越し頂いたお客様にも喜んで頂けたのではないかと思っております。

室内楽の演奏会が続いておりますので、次はソロのコンサートをと企画を練っております。 決まりましたらまたブログでお知らせさせて頂きますのでその折は是非お出かけ頂けましたら嬉しく存じます。

リハーサルと終演後の楽屋でのリラックスした写真を掲載いたします。
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モーツァルト ピアノ四重奏曲第1番♫~谷真子(ピアノ)、松川暉(ヴァイオリン)、サンダー・ヘールツ(ヴィオラ)、ニコラ・デルタイユ(チェロ)



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次回コンサート
東京音楽大学校友会第14回関西支部演奏会
日時:2017,4,29(祝) 時間未定
場所:秋篠音楽堂
曲目:ベートーヴェン 第九交響曲 歓喜の歌より(ピアノ連弾)←ソロ出演(ラヴェル)に変更になりました。 デュオはまだ未定ですが、もし演奏する場合も曲目はドヴォルザークのスラヴ舞曲集から抜粋に変更になります。





2016_11
06
(Sun)00:00

ベルギー・日本友好150周年記念演奏会のご案内

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2016年はベルギーと日本の友好関係の樹立150周年になるためそれを記念して両国で各種の記念事業が開催されます。 日本側名誉総裁に天皇陛下を、ベルギー側名誉総裁にフィリップ国王陛下をお迎えして開催されます。 

その一環として「アンサンブル・メンデルスゾーン初来日演奏会」が日本全国6か所で開催されます(ベルギー王国大使館後援)。

奈良公演は2016年11月7日(月)午後7:00分から秋篠音楽堂にて開催され(開場午後6:30)、私も出演させて頂く運びとなりました。

曲目は♫モーツァルトピアノ四重奏曲第1番♫です。

アンサンブル・メンデルスゾーンと言うのは私が今まで3度共演させて頂いた事のあるベルギーのチェリスト、ニコラ・デルタイユ氏もメンバーの一人でいらっしゃるアンサンブルのグル―プです。

是非大勢の方にご来場頂けましたらと願っております。

【チケット取扱い】インターネット予約問合フォーム
         TEL 0742-46-2302(谷)
         FAX 0742-46-2302(谷)
         TEL0797-55-0730(salon classic) 
         Email info@tmcj.jp(salon classic)
【お問い合わせ】谷真子公式サイトのContactより
  salon classic(tel 0797-55-0730 info@tmcj.jp)

Ensemble Mendelssohn アンサンブル・メンデルスゾーン公式サイト
日本・ベルギー友好150周年外務省ホームページ

モーツァルト ピアノ四重奏曲第1番 ブログ



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2016_11
04
(Fri)16:29

11/7の室内楽コンサートのリハーサルのため芦屋まで行って来ました。

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11/7の秋篠音楽堂での室内楽のコンサートのリハーサルのため芦屋のサロン・クラシックまで行って来ました。

≪演奏会お知らせ≫
日時 2016,11,7(月) 19:00開演(18:30開場)
会場 秋篠音楽堂(奈良西大寺ならファミリー6F)
曲目 モーツァルトピアノ四重奏曲第1番

ヴァイオリンの松川暉さんは卒業式のためイギリスへ行かれて参加できず(6日に帰国されます。)、ビオラのサンダーさんとチェロのニコラさん、そしてピアノの私の3人でのリハーサルとなりました。

あまり大きな問題もなくリハーサルは順調に終わりました。

アンサンブル・メンデルスゾーンの皆さんは11/2の福岡公演に始まり2週間くらい全国各地で演奏会があり超過密スケジュールです。 演奏家に必要なのはまさしく体力だと実感するばかりです。


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2016_11
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(Tue)10:25

国会図書館関西館まで行ってまいりました。

昨日はレッスンの前に、国会図書館関西館まで行ってまいりました。

現在私は大学院で「シューマンの幻想曲Op.17についての研究」という論文を書いておりますが、比較対象としてのシューマンのピアノ協奏曲の論文を読むために、国会図書館の本館(東京館)から「アルフレッド・コルトーのピアノ演奏法と解釈」という本を取り寄せておりました。

以前もCharles Rosenの「ソナタ諸形式」を東京館から取り寄せた事があります。

資料が入りましたので国会図書館関西館までコピーに行ってきました。 国会図書館関西館は京都の学研都市にありますが、私の自宅から車で10分くらいです。

公営の図書館のように貸し出しはできませんが、日本国内で出版された全ての出版物が保存されています。

スーツケースを携えた方々が全国各地から資料の検索にいらしています。

演奏活動と指導の仕事、そして論文の執筆を両立させる事は想像以上に難しく頭の切り替えが必要となってきます。

入口より全景を望む。
広大な庭の中にあります。
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4Fのカフェテリアよりも空中庭園が見えます。
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