2017_01
31
(Tue)07:38

ラヴェルのレッスン(海原の小舟)

4月29日の奈良の秋篠音楽堂でのコンサートで演奏予定のラヴェルの鏡の第3曲「海原の小舟」は、水をテーマにした曲です。

20世紀初頭は絵画の分野のフランス印象派の影響を受け、音楽分野においても自然をモチーフにした曲が多く書かれるようになりました。

  ・ラヴェルの初期作品である「水の戯れ」
  ・ドビュッシーの「水の反映」
  ・ラヴェルの鏡より「海原の小舟」などです。

現在、私が師事するピアニスト阿部裕之先生はラヴェルをお得意とされるピアニストですが、先日のレッスンの際にこの曲はギリシア神話の「オデュッセイア」を題材にしで書かれた曲だとお話されていました。

海を漂流する困難と苦悩を描いた英雄オデュッセイアの物語を音楽で表したものだそうです。
打ち寄せる波の情景、海にひそむ怪物の声、昼の海の風景、夜の海の風景などが転調や音型によって巧みに表現されています。

「オデュツセイア」はあらすじしか知りませんでしたので、今改めて取り出して読んでおります。

ラヴェル 鏡より 海原の小舟♫~ギーゼキング


ピアニスト谷真子公式サイト
2017_01
30
(Mon)10:49

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18/Rakhmaninov Concerto for piano and orchestra No.2 c-moll Op.18 

ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番はロシアの作曲家のラフマニノフ(1873~1943)が作曲した2番目のピアノ協奏曲ですが、作曲は1900年秋から1901年4月にかけて書かれました。 ラフマニノフは4曲ピアノ協奏曲を作曲していますが、その中でも最も人気のある傑作のひとつで1905年グリンカ賞を受賞しております。

第2と第3楽章が1900年12月2日に初演され、全曲の初演は1901年11月9日にラフマニノフと指揮者のジロティによって行われました。

ラフマニノフはモスクワ音楽院を卒業した後、「前奏曲嬰ハ短調作品3-2」で一躍有名となりましたが、1897年初演の交響曲第1番の不評以来自信喪失のため制作不能の状態に陥ります。 1899年新しいピアノ協奏曲を依頼されイギリスに渡りますが、病気は続き、1900年ダーリ博士との出会いで次第に快方に向かいます。

ラフマニノフは自分の自信回復のため尽力してくれたダーリ博士にこのピアノ協奏曲を捧げています。

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番♫~キーシン
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番♫~辻井伸行
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番♫~リヒテル
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番♫~ラフマニノフ


ピアニスト谷真子公式サイト
2017_01
28
(Sat)10:38

シューマン 森の情景 作品82/Schumann Waldszenen Op.82

シューマンの「森の情景」はシューマンが作曲した全9曲からなるピアノ独奏曲ですが、1848~1849年にかけて作曲され1850年に出版されました。

ドイツロマン主義者の詩人にとって「森」とは静寂、活気、神秘、情景といった趣を持つものでしたが、シューマンの「森の情景」は文学と音楽の結びつきをさらに高め、ロマン派詩人達の描いた「森」をモチーフとして作曲したと言われております。

作曲当時は各曲に短い詩が載せられておりましたが、出版に際して第4曲目の「気味の悪い場所」のフリードリッヒ・ヘッベルの詩以外は除かれました。

第1曲 森の入り口 / "Eintritt"
1
明るく始まるものの、陰と陽の対比がみられる曲です。 メロディーが高声、内声、低声と様々な音域で歌われていきます。

第2曲 茂みのなかで獲物を待ち伏せる狩人 / "Jager auf der Lauer"
2
 <森の入り口>から一転して、激しさを貫く曲です。 左右の手がユニゾンとなる部分が効果的に挿入されています。

第3曲 孤独な花 / "Einsame Blumen"
3
訴えかけるかのように、メロディーが上に下に曲線を描いていきます。 簡素な伴奏は、このメロディーを非常に引き立てております。

第4曲 気味の悪い場所 / "Verrufene Stelle"
4
この曲にのみ、冒頭に詩が添えられています。その内容は光の届かない森の中で高く伸びた花は青白く、ただ一本赤い花も、陽の光ではなく、大地の色、人間の血を吸い込んだ赤色をしているという不気味なものです。

第5曲 親しみのある風景 / "Freundliche Landschaft"
5

第6曲 宿 / "Herberge" 
6
主に高声で歌われるメロディーが、時折、中音域や低音域に移り、会話を連想させます。 メロディーそのものも、音形もリズムも共に、語りかけるような語尾が特徴的です。

第7曲 予言の鳥 / "Vogel als Prophet"
7
曲の中ほどで、ほんのひと時、コラール風の場面がみられます。 曲全体が、半音階的な音の動きに満たされています。

第8曲 狩の歌 / "Jagdlied" 
8
勇壮な趣に、どこか哀愁も感じられる曲です。

第9曲 別れ / "Abschied"
9

シューマン 森の情景♫~ピリス
シューマン 森の情景♫~リヒテル


ピアニスト谷真子公式サイト
2017_01
25
(Wed)09:16

プロコフィエフ ピアノ・ソナタ第7番「戦争ソナタ」 変ロ長調 作品83/Prokofiev Sonata for piano No.7 B-Dur Op.83

プロコフィエフ(1891~1953)は生涯で9曲のピアノ・ソナタを残しておりますが、このピアノ・ソナタは、それまで米国、パリで暮らしていたプロコフィエフがソビエトに戻り、彼の創作活動の円熟期ともいえる時期に作曲された作品です。

第6番から第8番までのピアノ・ソナタは第2次世界大戦中に書かれたため「戦争ソナタ」とも呼ばれますが、とりわけこの7番のピアノ・ソナタは演奏される機会も多く、3楽章はアンコール・ピースとしても良く取り上げられます。

初演は1943年1月18日、モスクワでリヒテルによって行われています。

大戦やソビエト体制の深刻な社会状況が当然作品に反映されていると考えられますが、戦争を賛歌したものではなく、反戦歌ではないかと思います。

演奏者に高度な技巧を要求すると同時に、隙のない構成美や美しい抒情性、ダイナミックさ、野性的な活力を兼ね備えており、ピアノ・ソナタ史上でも特筆すべき作品です。

プロコフィエフ ピアノ・ソナタ第7番♫~ホロヴィッツ
プロコフィエフ ピアノ・ソナタ第7番♫~リヒテル
プロコフィエフ ピアノ・ソナタ第7番♫~ガブリリュク
プロコフィエフ ピアノ・ソナタ第7番♫~ポリーニ
プロコフィエフ ピアノ・ソナタ第7番♫~アルゲリッチ
プロコフィエフ ピアノ・ソナタ第7番♫~プレトニョフ


ピアニスト谷真子公式サイト



2017_01
21
(Sat)22:32

松川暉さんのヴァイオリンコンサートへ行ってきました。

昨年の11月秋篠音楽堂でモーツァルトのピアノ四重奏曲をご一緒致しましたヴァイオリニストの松川暉さんのコンサートへ行ってきました。

京都の丸太町にあるカフェ・モンタージュという小劇場ですが、アンティークなスタインウエイのピアノが設置されており、カジュアルなサロンという雰囲気の和やかなコンサート会場でした。

P1030799.jpg
カフェ・モンタージュ入口

P1030800.jpg
サロンの中

プログラムはバッハのヴァイオリン・ソナタト長調とエルガーのヴァイオリン・ソナタホ短調でした。 8時開演の1時間のコンサートの後、ドリンクサービスがあり出演者の方と談笑できるようになっておりました。

松川暉さんは全日本学生音楽コンクール小学校部門全国優勝という輝かしい経歴の持ち主の方ですが、東京芸術大学入学後イギリスのギルドホール音楽院へ留学され、最近帰国された方です。

分厚い響きの音楽はヨーロッパでの研鑽ぶりを偲ばせるものがあり、その素晴らしい芸術に、一時豊かな時間を過ごしてまいりました。

またラベルのヴァイオリン・ソナタやフランクのヴァイオリン・ソナタ、グリーグのヴァイオリン・ソナタ等ご一緒できればと思います。


ピアニスト谷真子公式サイト
2017_01
20
(Fri)08:29

プロコフィエフ トッカータ ニ短調 作品11/Prokofiev Toccata d-moll Op.11

プロコフィエフのトッカータニ短調はプロコフィエフがシューマンのトッカータにインスパイアされ1912年に作曲したピアノ曲です。

P1030795.jpg

P1030796.jpg

初演は1916年11月27日ペトログラード音楽院でプロコフィエフ自身によって行われ好評を博しました。

プロコフィエフ(1891~1953)はロシアの作曲家・ピアニスト・指揮者ですが、サンクトペテルブルク音楽院で作曲・ピアノを学んだ自身も優れたピアニストであった俊英の作曲家です。 1918年のアメリカ亡命の途中、日本に立ち寄り日本各地を訪れリサイタルも開催しており、日本の音楽界への影響は少なくないものがあります。

シューマンのトッカータがハ長調である事や、プロコフィエフのトッカータが極めて無機的である事から、プロコフィエフのトッカータは無調性音楽と捉えハ長調と表記される事もありますが、実際には♭が一つ存在するニ短調の曲です。

プロコフィエフ トッカータ♫~ホロヴィッツ
プロコフィエフ トッカータ♫~アルゲリッチ


ピアニスト谷真子公式サイト

2017_01
18
(Wed)08:19

シューベルト ピアノ・ソナタ 第19番 ハ短調/Schubert Sonate fur Klavier Nr.19 c-moll D.958

1828年9月、体調を崩し兄の元へ身を寄せたシューベルトは死のわずか二か月前に最後の3つのピアノ・ソナタを一気に書き上げます。

第19番はその1作目で10年後の1838年にディアベリ社から「シューベルトの最後の作品3つの大ソナタ」として第20番、第21番とともに出版されました。

シューベルトはフンメルへ献呈するつもりでしたが、出版の前年にフンメルが没したため、出版社の判断でシューマンに献呈されました。

第1楽章 アレグロ
1
前年に没したベートーヴェンへのオマージュなのか冒頭主題はベートーヴェンの32の変奏曲に良く似ておりベートーヴェンを想起させるものがあります。

第2楽章 アダージョ
2
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ悲愴を想起させるものがあります。

第3楽章 メヌエット アレグロ
3
比較的穏やかな楽章です。

第4楽章 アレグロ
4
タランテラのような生き生きとした躍動感あふれる楽章です。

シューベルト ピアノ・ソナタ19番♫~チョ・ソンジン
シューベルト ピアノ・ソナタ19番♫~ブレンデル
シューベルト ピアノ・ソナタ19番♫~アラウ
シューベルト ピアノ・ソナタ19番♫~リヒテル
シューベルト ピアノ・ソナタ19番♫~ケンプ

ベートーヴェン 32の変奏曲♫~キーシン


ピアニスト谷真子公式サイト



2017_01
16
(Mon)13:24

知人の演奏会を二つご案内させて頂きます。

知人の演奏会を二つご案内させて頂きます。

<1件目>
先日、秋篠音楽堂でモーツァルトピアノ四重奏曲第1番をご一緒に演奏しましたヴァイオリニストの松川暉さんがコンサートを開かれます。 1時間のミニ・コンサートですが是非お出かけ下さい。

2017年1月21日(土) 20:00開演
「E.エルガー」

ヴァイオリン: 松川暉
ピアノ: 鈴木華重子

J.S.バッハ: ヴァイオリンソナタ ト長調 BWV1019
E.エルガー: ヴァイオリンソナタ ホ短調 op.82

開演時間: 20:00 (開場時間: 19:30 )

〔入場料金〕 2000円 (自由席・定員40名)

〔会場〕 カフェ・モンタージュ 
京都市中京区五丁目239-1(柳馬場通夷川東入ル)
℡:075-744-1070  Email: montagekyoto@gmail.com

カフェ・モンタージュのホームページの予約フォームよりお申込み頂けるようになっております。


<2件目>
東京音楽大学校友会関西支部事務局代表の矢野光子さんから宣伝を頼まれました。
東京音楽大学教授ハーピィストの篠崎史子さんのお弟子さんのチャリティコンサートです。

1月17日(火)
震災復興応援チャリティーコンサート

場所:三宮100番ホール
入場無料・チャリティー参加料1000円

2回公演

1回目(昼下がりコンサート)
14時開場、14時半開演〜15時半終演予定
出演楽器:フルート・サウルハープ、トランペット・ピアノ


2回目(夜のコンサート)
18時半開場、19開演〜20時半終演予定
出演楽器:フルート・ハープ、ファゴット・ピアノ、打楽器、トランペット、ソプラノ


以上2件ですが宜しければ足をお運び下さい。


ピアニスト谷真子公式サイト




2017_01
15
(Sun)18:20

チョ・ソンジン ピアノ・リサイタルへ行ってきました。

P1030789.jpg

2015年ショパン国際ピアノコンクールで優勝した韓国のピアニストのチョ・ソンジンのコンサートへ行ってきました。

プログラムはベルクのピアノ・ソナタロ短調、シューベルトのピアノ・ソナタ第19番、ショパンの24の前奏曲でした。

シューベルト ピアノ・ソナタ第19番♫~チョ・ソンジン
ショパン 24の前奏曲♫~チョ・ソンジン

研ぎ澄まされた美音と音色の多彩さには思わず息をのんで聴き入ってしまいました。
夢を見ているようなロマンティックなピアノと若いフレッシュなエネルギーが入り混じり、ピアノという楽器の魅力を存分に堪能させてくれる素晴らしい演奏会でした。

これぞ世界というそのテクニックに終演後は観客総立ちのブラボーの歓声の嵐で、帰宅の道もその余韻に包まれて帰宅致しました。

練習の賜物だと思いますが、歴史に名を残す巨匠への道を登って行って欲しいものだと思います。

アンコールはシューベルトの楽興の時第3番とショパンのバラード1番でした。


ピアニスト谷真子公式サイト
2017_01
12
(Thu)21:47

修士論文を提出いたしました。

シューマンの幻想曲の第1楽章の演奏解釈を中心とする修士論文の「シューマンの幻想曲Op.17についての研究」が完成しましたので大学院まで提出に行ってきました。

今週のゼミで教授のゼミは最終ゼミとなりましたが、副査の別の教授にも偶然お会いし最終稿を最後に読むからとおっしゃって頂きました。 副査の先生は音楽がご専門ではありませんが、クラシック音楽がとてもお好きでよく聴かれるそうです。

大学院入学当初、筋金入りの学者先生ということで副査のドイツ教育ご専門の教授の研究室に担当教授が連れていって下さり、副査の教授の最初の授業はドイツ語での面接でした。 パリ音楽院などの学生は本からではなくレッスンの中で師から哲学的な言葉をくみ取るでのはないかというお話をされており、音楽学生にとってはレッスンを受けることが当たり前のようになると他の方面からの芸術のお勉強もしたくなりますが、副査の先生のおっしゃる通りだと思いました。
 
論文に関してのアドバイスとしては、シューマンが生きた時代の19世紀中ごろから20世紀初頭にかけてのドイツは、激動の時代であり、ドイツとフランスの文化が交流し入り混じった歴史的な時代背景があるとのことでした。 シューマンの幻想曲の形式における不可解さは、音楽史の発展から生まれたものだけでなく、そのような歴史的な背景によるものから生まれた面があるというようなことが先行研究にも書いてありました。

論文は第1楽章の演奏解釈を中心に論じたものですが、諸先生のおかげで納得いくものが書けたと思っております。

帰りにイタリア料理のお店でおいしいパスタ・ランチを食べ、ドレス・ショップ(AIMER阪急三番街店)で新しいステージ衣装を買い求めてきました。

ドレスは女性ピアニストにとってはユニフォームと同じですが、カラフルな色や素敵なデザインのドレスを見るとイメージがふくらみ、ドレス選びは練習の合間の束の間の休息の時間です。

ラベンダーとターコイズブルーのドレス2着を購入いたしましたが、練習のモチベーションアップにしようと思います。

P1030785(1).jpg

P1030786(1).jpg



ピアニスト谷真子公式サイト
2017_01
11
(Wed)08:43

バルトーク ピアノ協奏曲第3番 ホ長調 .Sz.119/Bartok Klavierkonzert Nr.3 E-Dur Sz.119

バルトークのピアノ協奏曲第3番はバルトーク最晩年の1945年7月から8月にかけて亡命先のアメリカで作曲された最後の創作作品です。

バルトークは最後の17小節を略記のまま残しておりましたので、弟子のティポール・シェルリが終止線を書き加えました。

バルトークが息子に宛てた手紙から、当初はこの作品は妻のピアニストディッタ・パーストリ=バルトークに捧げるつもりでしたが、初演は1946年弟子のピアニストジェルジ・シャーンドルがしており、ディッタ夫人は1960年代に入ってようやくこの曲を録音しました。 しかし生涯この曲を公開の席では演奏する事はなかったようです。

アメリカでのバルトークの生活は決して恵まれたものではありませんでしたが現実に反してこの曲は澄んだ響きと情熱的な響きを持っております。

バルトーク ピアノ協奏曲第3番♫~アルゲリッチ
バルトーク ピアノ協奏曲第3番♫~シフ



ピアニスト谷真子公式サイト

2017_01
09
(Mon)08:07

ベートーヴェン ロンド・ア・カプリッチョ(失くした小銭への怒り) ト長調 作品129/Beethoven Rondo a capriccio "Rage over a Lost Penny" G-Dur Op.129

P1030783.jpg

作品番号だけを見るとベートーヴェン後期の作品のように見えますが、実際は1795~1798年に書かれた初期の作品で自筆譜には未完の箇所が多くあります。 ベートーヴェンの死後出版された初版に出版社のディアベッリが補筆したとされております。

有名な「失われた小銭への怒り」という副題はベートーヴェンが名付けたものではありません。 正式なタイトルは「alla ingharese quasi un capriccio」(奇想曲風なハンガリー風の)です。  副題にも「Die Wuth uber den verlornen Groschen ausgetobt in einer Kaprize」(奇想曲の中へぶちまけた失くした小銭への怒り)と書かれているだけでロンドという言葉は出てきません。

聴衆受けする曲のため良く演奏されますが、4分の2拍子で速度も速く、奇想曲でありながら節度を保った演奏が求められる点が難しいかと思います。

ベートーヴェン ロンド・ア・カプリッチョ♫~キーシン



ピアニスト谷真子公式サイト

2017_01
07
(Sat)09:48

第70回全日本学生音楽コンクール全国大会ピアノ部門ラジオ放送を聴いて

今朝第70回全日本学生音楽コンクール全国大会ピアノ部門ラジオ放送を聴きましたのでその雑感を書いてみたいと思います。

審査員には私が師事する阿部裕之先生も入っていらっしゃいました。

さて小学校部門の第1位の小原慎太郎さんですがベルコヴィッチのパガニーニの主題による変奏曲を演奏されました。 大人顔負けの見事なテクニックにはさすが「毎コン小学校部門全国大会第1位」と納得させられます。 一音も外すことなく各キャラクターを見事に弾き分けるそのテクニックはピアニストとしてのこれからの芸術的成長を期待させてくれるものがあります。 

中学校部門第1位の岸本隆之介さんはシューマンのアレグロを演奏されました。 シューマンのロマン性が良く表現された演奏だったと思います。 中学校部門は小学校部門に比べると要求されるものも少し変わってまいりますのでまだ13歳から15歳の学生には難しいものがあるかと思います。 

高校生部門第1位の桂田康紀さんはショパンのバラード第4番を演奏されました。 ショパンのエスプリが表現された演奏だったと思います。 ちなみに2位の方は我が母校東京音楽大学の付属高校の方でした。

ピアノは弦に比べると楽譜が難しいため芸術的熟成には少し年月がかかる楽器ですが、全日本学生音楽コンクールはピアニストとしてのその資質を見るコンクールです。 入賞者には日本音楽コンクール、また国際コンクールを目指してこれからも研鑽を積んでいって欲しいものだと思います。



ピアニスト谷真子公式サイト
2017_01
06
(Fri)09:24

第70回全日本学生音楽コンクールピアノ部門全国大会ラジオ放送のお知らせ

昨年12月横浜みなとみらいホールで開催されました第70回全日本学生音楽コンクールの全国大会の模様が明日7日(土)、午前7:20から午前11:20までNHK-FMで放送されます。

【小学校の部】(敬称略)
1位=小原慎太郎(北海道江別市立大麻東小6年)
【中学校の部】(敬称略)
1位=岸本隆之介(北海道・北嶺中2年)
【高校の部】(敬称略) 
1位=桂田康紀(北海道北見北斗1年)

通称毎日コンクールと呼ばれる全日本学生音楽コンクールはその課題曲の量と難しさでは定評があり、日本の学生音楽コンクールの中では一番古い権威あるコンクールですが、入賞者からは多くのピアニストを輩出しております。

お勉強になりますので門下の方にはぜひ聴いて頂きたいと思います。


ピアニスト谷真子公式サイト
2017_01
05
(Thu)10:57

バッハ=ブゾ―ニ トッカータとフーガ ニ短調/Bach=Busoni Toccata und Fuge d-moll BWV565

バッハ=ブゾーニ トッカータとフーガBWV565はバッハが作曲したオルガン曲のトッカータとフーガBWV565をブゾーニがピアノ用に編曲したものです。

バッハのオルガン曲の中でも特に人気の高い作品で冒頭部分は劇のさまざまな場面でも良く使われます。

他のバッハのフーガと比べると比較的平易であることから偽作説もありますが、重厚な作品です。

バッハ=ブゾーニ トッカータとフーガ♫~ガブリリュク(ピアノ)
バッハ=ブゾーニ トッカータとフーガ♫~シフラ(ピアノ)
バッハ トッカータとフーガ♫~カール・リヒター(オルガン)


ピアニスト谷真子公式サイト

2017_01
04
(Wed)09:36

シューマン パピヨン 作品2/Schumann Papillons Op.2

シューマンの「パピヨン」はシューマンが1829年から1831年のピアニストとしての活動を始めた直後のピアノ作品です。

タイトルとなっている”パピヨン”はドイツの詩人ジャン・パウルの文学の中で良く現れるロマン的な詩的理念の象徴ですが、シューマンはこのジャン・パウルに強く憧れ彼の詩を愛読しておりました。

シューマンの「パピヨン」はジャン・パウルの小説の「生意気ざかり」の最後の仮面舞踏会を音で表した曲ですが、家族に宛てた手紙の中でもそのように記しております。

夢想家のヴァルトと情熱家のヴルトという双子の兄弟が一人の女性に恋をし仮面舞踏会の一夜、二人は彼女がどちらを選ぶのか見極めようとします。

曲は6小節の序奏と12曲から構成されております。

序奏
P1030769.jpg

第1曲「仮面舞踏会」
ドルチェで仮面舞踏会の旋律が提示されます。 この旋律は後の「謝肉祭」の第6曲の「フロレスタン」にも引用されています。
1

第2曲「ヴァルト」
2

第3曲「ヴルト」
ヴァルトおよびヴルトは、小説に登場する双子の兄弟の名です。 ヴァルトは夢想家、ヴルトは行動家です。
3

第4曲「仮面」
4

第5曲「ヴィーナ」
ヴィーナは小説に登場する女性の名です。
5

第6曲「ヴルトの踊り」
6

第7曲「仮面の交換」
7

第8曲「告白」
8

第9曲「怒り」
9

第10曲「仮面を脱ぐ」
10

第11曲「大急ぎ」
11

第12曲「終景と帰り行く兄弟たち」
朝6時の鐘が鳴ると音楽はディミヌエンドしてppで終わります。 「謝肉祭」の終曲にも使われているメロディと第1曲の仮面舞踏会の旋律が絡み合います。
12

シューマン パピヨン♫~リヒテル
シューマン パピヨン♫~アラウ
シューマン パピヨン♫~デームス
シューマン パピヨン♫~ペライア


ピアニスト谷真子公式サイト♪ 


2017_01
02
(Mon)06:49

ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート2017

昨日2017年ウィーン・フィル ニューイヤーコンサートが衛星放送でテレビ放映されましたが、今年の指揮者はグスターボ・ドゥダメルでした。 ドゥダメルはまだ35歳の若手指揮者でニューイヤーコンサートに登壇した指揮者の中で最年少の指揮者だそうです。

南米のベネズエラ生まれの指揮者ですが、多くの指揮者からもその才能を認められている天才指揮者です。

昨日の演奏も正確なリズムの中に豊かでおおらかで起伏の富んだ音楽が溢れており、クラシックの世界の次世代をになう天才の出現を予感させる素晴らしい演奏でした。  そのエネルギーに満ちた若いアグレッシブな音楽がこれから年功とともにどのように変わっていくのか見守るのも楽しいかもしれません。

2007年、ローマ教皇ベネディクト16世の80歳を記念する公演で演奏されたドヴォルザークの「新世界より」の第4楽章にリンク致します。

ドヴォルザーク 新世界より♪~グスターボ・ドゥダメル

来年のニューイヤーコンサートの指揮者は私の好きな指揮者のリッカルド・ムーティです。 ベテランの指揮者の方ですが、端正で厳格な指揮をする指揮者です。

ウィーン・フィル ニューイヤーコンサートを見ていて毎年思う事ですが、生のお花の美しさに魅せられます。 素晴らしいウィーン国立バレエ団の踊りと共に毎年ヨーロッパの文化を満喫できて私の新年の楽しみの一つになっております。


ピアニスト谷真子公式サイト
2017_01
01
(Sun)09:35

本年もよろしくお願い申し上げます。

本年もよろしくお願い申し上げます。

昨夜はNHKEテレでピアニストの中村紘子さんを偲ぶ番組が放送されておりました。 チャイコフスキーのピアノ協奏曲が流れており、とても素敵でした。 レッスンをされている模様も流れており、初めて見ましたが、とても細かく音楽的な内容や身体の使い方、奏法についてレッスンされていて印象的でした。 中村紘子さんの著書を何冊か読んだことがあります。

邦人のピアニストの演奏会に足を運んだりCDを購入する現在では当たり前のように行われている事の先がけとなられたピアニストの方で、あの華やかさとオーラは並ぶ人はいないのではないかと思います。 ご冥福をお祈り申し上げます。

さて今晩7時からはNHKEテレでウィーン・フィルニューイヤーコンサートが放送されますが、これは毎年ウィ―ンで開かれるニューイヤーコンサートが全世界に向けてライヴで衛星中継されるものです。

今年は若手指揮者のグスターボ・ドゥダメルが登場致しますが、ドゥダメルはクラシック界に旋風を起こしている今人気の指揮者の方です。

ウイーン・フィルの一糸乱れぬリズムと艶やかな弦の音が私は好きで毎年新年には必ずニューイヤーコンサートを聴きます。

2002年小澤征爾さんが指揮者として登壇された時の模様がyou tubeにアップされておりますのでリンク致します。

2002年ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート♫~指揮 小澤征爾



ピアニスト谷真子公式サイト