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2015_08
28
(Fri)07:35

F. リスト 巡礼の年第2年「イタリア」よりソナタ風幻想曲「ダンテを読んで」

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モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

リスト(1811~1886)の「ダンテを読んで」はリストの巡礼の年:第2年「イタリア」の中の最後の曲ですが、<第2年「イタリア」>は、イタリアの文学と絵画に焦点が当てられて作曲されています。

1番目の「婚礼」は、イタリアの画家ラファエロ(1483~1520)の名画「聖母の婚礼」に、 2番目の「もの思いに沈む人」はイタリアの彫刻家、詩人のミケランジェロ(1475~1564)の彫刻と詩に基づいて作曲されています。 3番目の「サルヴァトール・ローザのカンツォネッタ」のサルヴァトール・ローザ(1615~1673)はイタリアの画家、詩人、作曲家の名前です。 4、5、6番目の「ペトラルカのソネット」はイタリアの叙情詩人でイタリアでのルネッサンス運動の主唱者の一人であるペトラルカ(1304~1374)のソネットに、そして最後の「ソナタ風幻想曲”ダンテを読んで”」はイタリアの詩人ダンテ(1265~1321)の「神曲」に基づいて作曲されています。

この「ダンテを読んで」というタイトルはフランスの小説家、詩人のヴィクトル・ユーゴー(1802~1885)の「内なる声」という詩集の第27編のタイトル「ダンテを読んで」から取られています。 ダンテの神曲は聖書と同じくキリスト教の世界観を描いた物語です。ダンテを読み、またユーゴーを読んだリストがインスパイアされてこの難曲と言われる「ダンテを読んで」を作曲したのだと思いますが、まずは聴かれた事のない方のために私がyou tubeにアップしています<リスト ソナタ風幻想曲「ダンテを読んで」>をお聴き頂ければと思います。

リスト 巡礼の年:第2年「イタリア」より第7曲「ダンテを読んで」ソナタ風幻想曲♫~谷 真子

リスト「ダンテを読んで」推薦楽譜~谷真子
リストエディトムジカブタペスト版

「ダンテを読んで」地獄篇楽譜冒頭
ダンテ地獄篇楽譜冒頭

「ダンテを読んで」煉獄篇楽譜冒頭
ダンテ煉獄篇楽譜冒頭

「ダンテを読んで」天国篇楽譜冒頭
ダンテ天国篇楽譜冒頭

レッスンはピアノを使ってでないと伝えきれないところがありますがレッスンの側面補強になるような事を書きたいと思います。

ダンテの「神曲」は14世紀に書かれた現代の日本人にはとても難解な叙事詩ですが、要約しますとダンテが三人の案内人に案内されて地獄、煉獄、天国へと導かれて行き、最後は神の愛の象徴の白いバラを見つけ、この世は全て神の愛、心で動いている事を悟り神の愛の偉大さと美しさを知るという長大な韻文で書かれた叙事詩です。 

15世紀に入ると「Divina Commedia」と呼ばれるようになりますが、ダンテ自身はラテン語ではなく当時の俗語で書いている事や、最後が静穏で終わる事から「Commedia」(喜劇)と名付けたようです。

リストは「ダンテシンフォ二ーS.109」という交響曲も作曲しています。 ピアノ独奏曲よりも分かりやすいかと思いますのでリンク致します。 (ワーグナーのアドヴァイスにより天国篇は描写されず地獄篇と煉獄篇の2楽章で、煉獄篇の最後のマ二フィカトは女性合唱で天を見上げながら静かに終わります。  時空を超えてダンテが生きた14世紀のイタリアにに飛びファンタジーを膨らませてお聴き下さい。)

リスト「ダンテシンフォ二ー」

ダンテ「神曲」の中に登場するダンテの案内人の一人のウェルギリウス(Virgil)は紀元前70年から紀元前19年に生きた古代ローマの詩人です。 ダンテが我が師と仰いでいた詩人ですが地獄と煉獄を案内しています。

天国を案内するのはベアトリーチェという女性ですが、ダンテが愛した実在の女性とも言われていますが別説もあります。
ダンテ(シエナ美術展図録より)
ダンテ
ベアトリーチェ(シエナ美術展図録より)
ベアトりーチェ

エンピレオを案内するのは聖人のベルナルドゥス(1070~1153)ですが、そこでダンテは神を見付けこの世は全て神の愛で動いている事を知るというお話です。

リスト ダンテを読んで♫~チョ・ソンジン

参考に東京と大阪のイタリア文化会館(イタリア大使館文化部)にリンクしておきます。
東京イタリア文化会館
大阪イタリア文化会館

明日は皆に親しまれているリストの「愛の夢」について書こうと思います。
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