モーツァルトピアノ協奏曲
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モーツァルト(1756~1791)は11歳から35歳まで計27曲のピアノ協奏曲を書いていますが、全て自分自身または弟子達の独奏を前提として作曲されています。 没後は(わずかの例外を除いて)あまり演奏されなくなっていきましたが、19世紀末頃から復活し現在はそのピュアな世界に心洗われる人が多くいます。

第20番K.466
<モーツァルトピアノ協奏曲10番>
モーツァルトピアノ協奏曲は全部で27曲ありますがその10番にあたるのが、「二台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365」です。 これはザルツブルクを離れる前の1775年~1777年にかけてすでに作られていて、初めて公開の席で演奏されたのがウイーンに出た後の1781年予約演奏会での弟子との演奏だと(発見された資料から)現在ではそう考えられているようです。

(ギレリスと娘のエレーナ・ギレリスの共演のCDでピアノはベーゼンドルファー、指揮はカール・ベームでオーケストラはウイーン・フィルハーモ二ーです。)
ウイーンに行く前のザルクブルクで公開の場で演奏したという記録は残っていないので、初演がどのような形でなされたのかは今もはっきりとは分かっていないようです。 多分宮廷オーケストラを呼んで自宅で姉ナンネルと二台ピアノで弾いたのではないかと思われますが、制約される連弾と違って二台のピアノが存分に活躍できますのでとても素晴らしい作品です。
モーツァルト 二台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365~バレンボイム、アシュケナージ(二台ピアノ)
https://www.youtube.com/watch?v=tz7CFNMbedo
<モーツァルトピアノ協奏曲第20番>
これは1785年ウイーンで作曲され初演もウイーンでされています。 モーツァルトのピアノ協奏曲で短調は20番と24番だけですが、なんとも言えない哀愁を帯びたメロデイと劇的な展開に自然と涙する作品です。

(クララ・ハスキルがスカルラツテイとカップリングしているCDです。)
カデンツァはベートーヴェンのものが有名ですが、演奏者自身の作ったカデンツァを弾く人もいます。
モーツァルトピアノ協奏曲 第20番 二短調 K.466~ピリス(ピアノ)、ブーレーズ指揮、ベルリン・フィル
https://www.youtube.com/watch?v=ZzrN4ZAZ890
<モーツァルトピアノ協奏曲21番>
21番は1785年に20番を作曲した1ケ月後に作られ、予約演奏会で自ら初演しています。 カデンツアは作っていませんが、前作の短調から一転してハ長調で作られており、多彩なメロデイの1楽章、軽快な3楽章に挟まれた2楽章は抒情的で大変美しく映画「短くも美しく燃え」の中で使われております。

(ゲザ・アンダ指揮・ピアノ、ザルツブルク・モーツアルテウム・カメラ―タ・アカデミカ)

(マレイ・ぺライア指揮・ピアノ、イギリス室内管弦楽団)
モーツァルト ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K.467~ポリー二(ピアノ)、ムーティ指揮、スカラ座管弦楽団
https://www.youtube.com/watch?v=i2uYb6bMKyI
<モーツァルトピアノ協奏曲第23番>
1785年末から1786年にかけてモーツァルトは22,23,24番という3曲のコンチェルトを作曲しています。 どれもウイーンでの予約演奏会のために作られたものですが、とりわけこの23番は第1楽章のカデンツアも自分で作っており不朽の名作の一つと言われています。 また1786年に作られたこの3曲のコンチェルトでは木管楽器をオーボエに代わってクラリネットを使用しています。 2楽章の美しさは絶品です。


モーツァルトピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488~ティル・フェルナー(ピアノ)、Mozarteum-Orchestre Salzburg
https://www.youtube.com/watch?v=jTjcYIec9Tg
<モーツァルトピアノ協奏曲第26番>
1788年ウイーンでの予約演奏会のために作曲されたこの26番が初演されたのは翌1789年のドレスデンにおいてでした。 また1790年にはフランクフルトでの神聖ローマ帝国レオポルト2世の即位のための戴冠式でも19番とともに演奏しています。 通称「戴冠式」と呼ばれるのはこの為です。 この曲では前3作で使われたクラリネットは使われておらず、カデンツァも作っておらず、ピアノ譜は未完の部分もあります。 しかし大変愛らしく親しみやすい曲で今も良く演奏されています。 1786年には「フィガロの結婚」を、1787年には「ドン・ジョヴァン二」を完成させオペラでの活躍が目立ちますが、コンチェルトは次の27番が最後になります。

(ピアノはピリス、指揮はアバド、オーケストラはウイーン・フィルハーモニー管弦楽団です。)

(ピアノと指揮はゲザ・アンダ、オーケストラはザルツブルク・モーツアルテウム・カメラ―タ・アカデミカです。)
モーツァルト ピアノ協奏曲 第26番 二長調 K.537 <戴冠式>~グルダ(ピアノ、指揮)、munich philharmonic orchestra
https://www.youtube.com/watch?v=3stLTO64ADs&list=PL6779F7881DAB9222
<モーツァルトピアノ協奏曲第27番>
この曲はモーツァルトの亡くなる年1791年に作曲された最後のピアノ協奏曲です。 クラリネットやティンパ二ーは使われず編成はピアノ、フルート2、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、弦5部という簡素なものです。 モーツァルト自身によるカデンツアも作られています。 初演は1791年ウイーンでクラリネット奏者のベーアという人が主演する演奏会で行われました。 モーツァルトは亡くなる直前の2年間というのはほとんど仕事もなく秋風の吹く心理状態だったのではと思われますが、この27番の高貴な澄み渡ったそして淡々とした精神世界はモーツァルトが亡くなる直前に辿り着いた精神世界だったのではないかと思います。

(ピアノはギレリス、指揮はカール・ベーム、オーケストラはウイーン・フィルハーモニー管弦楽団です。)
モーツァルトピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調 K.595~マレイ・ペライア(ピアノ・指揮)、
https://www.youtube.com/watch?v=5i_ttU6v1Y0
明日はブラームスのピアノ・ソナタ第1番を中心にブラームスについて書いて見ようと思います。

モーツァルト(1756~1791)は11歳から35歳まで計27曲のピアノ協奏曲を書いていますが、全て自分自身または弟子達の独奏を前提として作曲されています。 没後は(わずかの例外を除いて)あまり演奏されなくなっていきましたが、19世紀末頃から復活し現在はそのピュアな世界に心洗われる人が多くいます。

第20番K.466
<モーツァルトピアノ協奏曲10番>
モーツァルトピアノ協奏曲は全部で27曲ありますがその10番にあたるのが、「二台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365」です。 これはザルツブルクを離れる前の1775年~1777年にかけてすでに作られていて、初めて公開の席で演奏されたのがウイーンに出た後の1781年予約演奏会での弟子との演奏だと(発見された資料から)現在ではそう考えられているようです。

(ギレリスと娘のエレーナ・ギレリスの共演のCDでピアノはベーゼンドルファー、指揮はカール・ベームでオーケストラはウイーン・フィルハーモ二ーです。)
ウイーンに行く前のザルクブルクで公開の場で演奏したという記録は残っていないので、初演がどのような形でなされたのかは今もはっきりとは分かっていないようです。 多分宮廷オーケストラを呼んで自宅で姉ナンネルと二台ピアノで弾いたのではないかと思われますが、制約される連弾と違って二台のピアノが存分に活躍できますのでとても素晴らしい作品です。
モーツァルト 二台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365~バレンボイム、アシュケナージ(二台ピアノ)
https://www.youtube.com/watch?v=tz7CFNMbedo
<モーツァルトピアノ協奏曲第20番>
これは1785年ウイーンで作曲され初演もウイーンでされています。 モーツァルトのピアノ協奏曲で短調は20番と24番だけですが、なんとも言えない哀愁を帯びたメロデイと劇的な展開に自然と涙する作品です。

(クララ・ハスキルがスカルラツテイとカップリングしているCDです。)
カデンツァはベートーヴェンのものが有名ですが、演奏者自身の作ったカデンツァを弾く人もいます。
モーツァルトピアノ協奏曲 第20番 二短調 K.466~ピリス(ピアノ)、ブーレーズ指揮、ベルリン・フィル
https://www.youtube.com/watch?v=ZzrN4ZAZ890
<モーツァルトピアノ協奏曲21番>
21番は1785年に20番を作曲した1ケ月後に作られ、予約演奏会で自ら初演しています。 カデンツアは作っていませんが、前作の短調から一転してハ長調で作られており、多彩なメロデイの1楽章、軽快な3楽章に挟まれた2楽章は抒情的で大変美しく映画「短くも美しく燃え」の中で使われております。

(ゲザ・アンダ指揮・ピアノ、ザルツブルク・モーツアルテウム・カメラ―タ・アカデミカ)

(マレイ・ぺライア指揮・ピアノ、イギリス室内管弦楽団)
モーツァルト ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K.467~ポリー二(ピアノ)、ムーティ指揮、スカラ座管弦楽団
https://www.youtube.com/watch?v=i2uYb6bMKyI
<モーツァルトピアノ協奏曲第23番>
1785年末から1786年にかけてモーツァルトは22,23,24番という3曲のコンチェルトを作曲しています。 どれもウイーンでの予約演奏会のために作られたものですが、とりわけこの23番は第1楽章のカデンツアも自分で作っており不朽の名作の一つと言われています。 また1786年に作られたこの3曲のコンチェルトでは木管楽器をオーボエに代わってクラリネットを使用しています。 2楽章の美しさは絶品です。


モーツァルトピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488~ティル・フェルナー(ピアノ)、Mozarteum-Orchestre Salzburg
https://www.youtube.com/watch?v=jTjcYIec9Tg
<モーツァルトピアノ協奏曲第26番>
1788年ウイーンでの予約演奏会のために作曲されたこの26番が初演されたのは翌1789年のドレスデンにおいてでした。 また1790年にはフランクフルトでの神聖ローマ帝国レオポルト2世の即位のための戴冠式でも19番とともに演奏しています。 通称「戴冠式」と呼ばれるのはこの為です。 この曲では前3作で使われたクラリネットは使われておらず、カデンツァも作っておらず、ピアノ譜は未完の部分もあります。 しかし大変愛らしく親しみやすい曲で今も良く演奏されています。 1786年には「フィガロの結婚」を、1787年には「ドン・ジョヴァン二」を完成させオペラでの活躍が目立ちますが、コンチェルトは次の27番が最後になります。

(ピアノはピリス、指揮はアバド、オーケストラはウイーン・フィルハーモニー管弦楽団です。)

(ピアノと指揮はゲザ・アンダ、オーケストラはザルツブルク・モーツアルテウム・カメラ―タ・アカデミカです。)
モーツァルト ピアノ協奏曲 第26番 二長調 K.537 <戴冠式>~グルダ(ピアノ、指揮)、munich philharmonic orchestra
https://www.youtube.com/watch?v=3stLTO64ADs&list=PL6779F7881DAB9222
<モーツァルトピアノ協奏曲第27番>
この曲はモーツァルトの亡くなる年1791年に作曲された最後のピアノ協奏曲です。 クラリネットやティンパ二ーは使われず編成はピアノ、フルート2、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、弦5部という簡素なものです。 モーツァルト自身によるカデンツアも作られています。 初演は1791年ウイーンでクラリネット奏者のベーアという人が主演する演奏会で行われました。 モーツァルトは亡くなる直前の2年間というのはほとんど仕事もなく秋風の吹く心理状態だったのではと思われますが、この27番の高貴な澄み渡ったそして淡々とした精神世界はモーツァルトが亡くなる直前に辿り着いた精神世界だったのではないかと思います。

(ピアノはギレリス、指揮はカール・ベーム、オーケストラはウイーン・フィルハーモニー管弦楽団です。)
モーツァルトピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調 K.595~マレイ・ペライア(ピアノ・指揮)、
https://www.youtube.com/watch?v=5i_ttU6v1Y0
明日はブラームスのピアノ・ソナタ第1番を中心にブラームスについて書いて見ようと思います。
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