モーツァルト ピアノ・ソナタ 第18(17)番 二長調 K.576
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今日書きますモーツァルトピアノ・ソナタ第18番(第17番)は2012年のリサイタルで弾いた曲です。 モーツァルトのピアノ・ソナタは小学3年の時初めて弾いた第10番K.330に始まり数多く弾いてまいりましたが、33歳の時作曲された最後のピアノ・ソナタである第18番(第17番)は帰阪した後、♪阿部裕之先生♪のもとでお勉強した曲です。


国際モーツァルテウム財団図書館

ベーレンライター版

ウイーン原典版

ヘンレ版
私は一番難しい作曲家はと聞かれると必ずモーツァルトと答えるのですが、年齢を重ねる程益々そう感じます。 音符の数が少ない分、一つの音符に込められた質量が大変重く納得のいく音はそう簡単には出せるものではありません。 モーツァルトだけで演奏会をし聴衆を感動させる事ができたら、それがピアニストのゴールだと思いますが、並みの研鑽ではそのゴールは無理ではないかと思っています。 何の作為も感じない自然な流れでありながら、なおかつ理想的な秩序に支えられているこの天才の作品を前にするとこちらもより大きな精神力を求められ、只々ミューゼの神に敬意を表するだけです。

生地ザルツブルク
さてWolfgang Amadeus Mozart(ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト)はハイドンやベートーヴェンと並びウイーン古典派三大巨匠の1人ですが、幼少から多くのエピソードを持っており波乱万丈の人生を送った音楽家です。

モーツァルトの自筆
亡くなる2年半前(ウイーンでの鍵盤奏者としての人気はすでに衰えていたようです。)、1789年4月から6月にかけてモーツァルトはカール・リヒノフスキー公(後のベートーヴェンの後援者)に誘われて北ドイツの旅に出ます。 ポツダムの宮殿のプロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム2世の前で御前演奏を披露したモーツァルトは、チェロを弾いていた王から6つの弦楽四重奏曲と王女フリーデリーケのために6つの易しいピアノ・ソナタを頼まれます。
帰郷後7月にモーツァルトは創作に取り掛かりますが、弦楽四重奏曲3曲(通称プロイセン・セット)とピアノ・ソナタ1曲しか完成できませんでした。 そのピアノ・ソナタが第18番(第17番)ニ長調KV576です。 それは王女のための易しいソナタどころか、モーツァルトのピアノ・ソナタの中で最も演奏の困難な最後のソナタとなってしまいました。
ピアノ・ソナタ第18番(第17番)の至るところに対位法が活用されているのはドイツへの旅の途中にライプツイヒの聖トーマス教会に立ち寄りバッハへの思いを新たにしたからなのとヘンデルの「メサイア」の編曲を手掛けていたからではと言われております。

1楽章 バロック時代のトッカータの趣があり対位法が多様されている。

2楽章 クラリネット五重奏曲のような室内楽のようである。

3楽章 軽快で愛らしいロンド主題を対位法的に扱っている。
モーツァルトの音楽を理解するのに多くの知識はいらないのではないかと思います。 誰が聴いても心地の良い音にただ耳を傾ければそこにモールァルトの世界があるような気が致します。
♫巨匠ギーゼキングの奏でるモーツァルトのK.576の演奏♫にリンク致します。 どうぞお楽しみ下さい。
***
(第18番は新モーツァルト全集より、第17番は旧モーツァルト全集よりの番号です。 プログラムの番号は旧モーツァルト全集の番号になっております。)

今日書きますモーツァルトピアノ・ソナタ第18番(第17番)は2012年のリサイタルで弾いた曲です。 モーツァルトのピアノ・ソナタは小学3年の時初めて弾いた第10番K.330に始まり数多く弾いてまいりましたが、33歳の時作曲された最後のピアノ・ソナタである第18番(第17番)は帰阪した後、♪阿部裕之先生♪のもとでお勉強した曲です。


国際モーツァルテウム財団図書館

ベーレンライター版

ウイーン原典版

ヘンレ版
私は一番難しい作曲家はと聞かれると必ずモーツァルトと答えるのですが、年齢を重ねる程益々そう感じます。 音符の数が少ない分、一つの音符に込められた質量が大変重く納得のいく音はそう簡単には出せるものではありません。 モーツァルトだけで演奏会をし聴衆を感動させる事ができたら、それがピアニストのゴールだと思いますが、並みの研鑽ではそのゴールは無理ではないかと思っています。 何の作為も感じない自然な流れでありながら、なおかつ理想的な秩序に支えられているこの天才の作品を前にするとこちらもより大きな精神力を求められ、只々ミューゼの神に敬意を表するだけです。

生地ザルツブルク
さてWolfgang Amadeus Mozart(ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト)はハイドンやベートーヴェンと並びウイーン古典派三大巨匠の1人ですが、幼少から多くのエピソードを持っており波乱万丈の人生を送った音楽家です。

モーツァルトの自筆
亡くなる2年半前(ウイーンでの鍵盤奏者としての人気はすでに衰えていたようです。)、1789年4月から6月にかけてモーツァルトはカール・リヒノフスキー公(後のベートーヴェンの後援者)に誘われて北ドイツの旅に出ます。 ポツダムの宮殿のプロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム2世の前で御前演奏を披露したモーツァルトは、チェロを弾いていた王から6つの弦楽四重奏曲と王女フリーデリーケのために6つの易しいピアノ・ソナタを頼まれます。
帰郷後7月にモーツァルトは創作に取り掛かりますが、弦楽四重奏曲3曲(通称プロイセン・セット)とピアノ・ソナタ1曲しか完成できませんでした。 そのピアノ・ソナタが第18番(第17番)ニ長調KV576です。 それは王女のための易しいソナタどころか、モーツァルトのピアノ・ソナタの中で最も演奏の困難な最後のソナタとなってしまいました。
ピアノ・ソナタ第18番(第17番)の至るところに対位法が活用されているのはドイツへの旅の途中にライプツイヒの聖トーマス教会に立ち寄りバッハへの思いを新たにしたからなのとヘンデルの「メサイア」の編曲を手掛けていたからではと言われております。

1楽章 バロック時代のトッカータの趣があり対位法が多様されている。

2楽章 クラリネット五重奏曲のような室内楽のようである。

3楽章 軽快で愛らしいロンド主題を対位法的に扱っている。
モーツァルトの音楽を理解するのに多くの知識はいらないのではないかと思います。 誰が聴いても心地の良い音にただ耳を傾ければそこにモールァルトの世界があるような気が致します。
♫巨匠ギーゼキングの奏でるモーツァルトのK.576の演奏♫にリンク致します。 どうぞお楽しみ下さい。
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(第18番は新モーツァルト全集より、第17番は旧モーツァルト全集よりの番号です。 プログラムの番号は旧モーツァルト全集の番号になっております。)
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