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2015_10
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(Wed)06:01

ベートーヴェン:ヘンデル「ユダ・マカベウス」の「見よ、勇者は帰る」の主題による12の変奏曲WoO.45

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モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

今日はベートーヴェンのWoO.45の「ヘンデル”ユダ・マカベウス”の”見よ、勇者は帰る”の主題による12の変奏曲」という作品について書きます。 

この曲は、2012年5月31日大阪倶楽部で阿部裕之先生と上村昇さんが演奏された曲ですが、ヘンデルのオラトリオ「ユダ・マカベウス」の第3幕No.58のChorusをテーマとして、ベートーヴェンがピアノとチェロのための変奏曲を書いたものです。 

まずはヘンデルのオラトリオ「Judas Maccabaeus」HWV63全曲にリンクしたいと思います。 1747年に作曲されたものです。
ヘンデル オラトリオ「Judas Maccabaeus」♫


++ユダ・マカバイ(ヘブライ語)、ユダ・マカベウス(ラテン語)、ユダス・マカバイオス(ギリシャ語)++
「マカバイ記」に登場する紀元前2世紀のユダヤの民族的英雄(~BC160年)の名前です。 モーセの十戒で禁止されていた偶像崇拝を強要するセレウコス朝シリア軍と戦い(BC167年)、エルサレム神殿を奪還したユダヤの英雄で、そのユダヤの歴史を表した歴史書の一つが「マカバイ記」と言われる聖書の外典です。 この「マカバイ記」は宗派によって取り扱われ方が違い、ユダヤ教やプロテスタントではApocrypha(外典)とされていますが、カトリックでは1と2はCanon(正典)となっております。


ヘンデルのオラトリオの第3幕No.58のChorusに「See,the conquering hero comes!」(見よ、勇者は帰る)という、そのメロディは誰もが知っているChorusがあります。 次はそのChorusにリンク致します。(1:27からのYouthsのコーラスで出てまいります。)
ヘンデル オラトリオ 「見よ、勇者は帰る」♫

この曲は近代オリンピックでは表彰歌として流されていた曲ですが、1884年にこのメロディにフランス語で歌詞が付けられ讃美歌として歌われるようになりました。 のち20世紀になって英語に訳され、今では欧米ではクリスマスには讃美歌として広く歌われています。 讃美歌の「Tochter Zion freue dich」にリンク致します。
讃美歌「Tochter Zion freue dich」(よろこべや、たたえよや)♫~ヘルマン・プライ、テルツ少年合唱団 

このメロディを主題として1796年にベートーヴェンがピアノとチェロのための12の変奏曲を作りましたがそれがWoO.45です。 アルフレッド・ブレンデル父子共演による”ベートーヴェン:「ユダ・マカベウス」の「見よ、勇者は帰る」の主題による12の変奏曲”にリンクいたします。

ベートーヴェン「ヘンデル”ユダ・マカベウス”の”見よ、勇者は帰る”の主題による12の変奏曲WoO.45」♫~スコア付き 



<追記>

東京の三鷹にある♪中近東文化センター
(写真をクリックされると拡大され、BC160年前後のシリアの様子が良く分かります。)
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(写真をクリックされると拡大映像になります。)
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