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2016_05
27
(Fri)10:25

ブラームス 4つのバラード 作品10/Brahms 4 Balladen Op.10

ブラ―ムス(1833~1897)の「4つのバラード作品10」はブラ―ムス初期の作品集です。 ショパンやリストの叙事詩的なバラードと異なり叙情的な小品集となっております。 単独で演奏されることもありますが、調性上の関係から4曲まとめて演奏される事が多くあります。

1853年ブラームスはハンガリーのヴァイオリニストのレメーニと演奏旅行に行き、旅行の途中デュッセルドルフのシューマン家を訪れます。 そしてその時にブラームスのクララ・シューマンへの生涯にわたる愛が始まり、ブラームスはシューマン夫妻が最も信頼する音楽家となっていきます。

バラード4曲は、作品9「シューマンの主題による変奏曲」とほぼ並行して1854年夏にデュッセルドルフで書き上げられ、1856年に出版、友人でピアニストのマリウス・オットー・グリムに捧げられております。

ブラームスは作品5「ピアノ・ソナタ第3番」でピアノ独奏用のソナタから離れ、ピアノ独奏曲では変奏曲と小品の世界へと向かいます。

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第1番 ニ短調
1
バラードとしての性格が最も強く劇的な曲です。 この曲はドイツロマン派の詩人ヘルダーの「諸民族の声」の中の「スコットランドのバラード<エドワード>」からインスパイアされて作曲され「エドワード・バラード」とも呼ばれております。 この詩は父を殺したことを静かに問い詰める母と、罪の意識にさいなまれる息子エドワードの対話から成っております。
ブラームス バラード作品10-1♫~ツイメルマン

第2番 ニ長調
2
優しい雰囲気を持つ曲想です。 この曲はブラームスのモットー(Frei aber froh 自由にしかし喜ばしく)の各語のイニシャルに基づきFis-A-Fisの進行となっております。
ブラ―ムス バラード作品10-2♫~ツイメルマン

第3番 ロ短調
3
4つのバラードの中で間奏曲的な位置を占めスケルツォ的な性格を持ちます。
ブラ―ムス バラード作品10-3♫~ツイメルマン

第4番 ロ長調
4
シューマンの影響があらわれており、ブラームスの特徴の「癒されぬ郷愁」も感じられます。 「親しみのある感情をもって、しかし旋律をあまり強調しないように」とのブラームス自身の指示があります。
ブラームス バラード作品10-4♫~ツイメルマン

ブラームス バラード作品10♫~ミケランジェリ
ブラームス バラード作品10♫~ギレリス


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