2015_11
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(Fri)06:28

ドビュッシー 「映像 第2集」 (11/6 第1稿目)

MESSAGE(11/6 第1稿目)
モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

ドビュッシーの「映像 第2集」は2015年6月9日大阪倶楽部で♪阿部裕之先生♪が演奏された曲ですが、第1集に続いて1907年に作曲され翌1908年ヴィニェスによって初演された作品です。

ドビュッシーは「ピアノにハンマーがついていない事を忘れさせる事が大切だ」と言っておりますが、映像第2集は第1集でのピアニスティックな奏法が益々押し進められ表現は極度に凝縮されたものとなっております。

「映像第1集」の完成直後にデュランに宛てて「この曲はシューマンの左、ショパンの右の座を占めるものと確信する」と言い「映像」への自信の程をのぞかせております。

映像第2集第1曲の「葉ずえを渡る鐘の音」は全音音階で書かれており、遥かに遠くから聴こえる鐘の音が樹の葉のさざめきをかき乱す事なく静かな森を伝わってくる様子が描かれております。

第2曲の「かくて月は廃寺に落つ」は荒れた寺と月の対照がイメージされており、中国芸術の研究家のラロワに献呈されたように異国的な雰囲気を醸し出しタイトルも漢詩をイメージさせるものとなっております。

第3曲の「金色の魚」は日本の漆絵皿に描かれた二匹の金色の蒔絵の鯉を描写したもので、流れに乗って二匹の鯉が元気良く泳いでいる様が描写されております。 幻想の世界と技巧が融和した見事なファンタジーの世界だと思います。

このようにドビュッシーは印象主義的な作風をこのピアノ曲「映像」で確立させ、和声は益々希薄になり、余分な装飾もなく、和音の間隔が空いてきていてピアニスティックな響きの開発がなされているのではないかと思います。

モニク・アースの♬映像♬にリンク致します。

「映像」楽譜
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第1集第1曲「水の反映」
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第2曲「ラモー讃」
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第3曲「運動」
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第2集第1曲「葉ずえを渡る鐘の音」
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第2曲「そして月は廃寺に落ちる」
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第3曲「金色の魚」
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続いて第2稿目を書きます。