2015_12
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(Sun)07:15

ラヴェル ピアノ協奏曲 ト長調

ラヴェル(1875~1937)の「ピアノ協奏曲ト長調」はラヴェル最晩年に「左手のためのピアノ協奏曲」と並行して作曲された2曲のピアノ協奏曲の一つです。

ラヴェルは1928年の初めから約4ケ月に亘ってアメリカへ演奏旅行に訪れ大成功を収めます。 これに気をよくしたラヴェルはもう一度世界的な演奏旅行を考えラヴェル自身がソリストのピアノ協奏曲を用意しようと作曲にかかります。 しかしちょうどその頃、第1次世界大戦で右手を失ったオーストリアのピアニストのパウル・ヴィトゲンシュタインから左手のための協奏曲を依頼されたため、ト長調の方は一時中断して左手のためのピアノ協奏曲を完成しその後再びト長調の作曲に戻り1931年にそれを完成させます。

この時ラヴェルは2つのピアノ協奏曲を全く対照的な様式で書くという試みを致します。 ラヴェルはそれまで協奏曲は一度も作曲しておりませんでしたが、モーツアルトの協奏曲に非常に興味を持っておりました。 そしてその形式を継承しているのがサン=サーンスであると考えておりました。 それでそうした古典的な様式に則ったト長調の協奏曲を書く一方でジャズ的な新しいイディオムを採り入れた左手の為の協奏曲を同時に書きました。

ラヴェルによると「協奏曲とはまず第一に派手で華麗でなければならない。自分はモーツアルトやサン=サーンスと同じような美意識に基づいて作曲をした。」と語っております。 協奏曲ト長調では母の出身地のバスク地方の民謡やスペイン音楽など多彩な要素が反映されております。

ラヴェルは当初予定していた自分で弾くのはやめてマルグリット・ロンに演奏を委ね献呈も彼女に宛てております。 初演は1932年パリのプレイエル・ホールで行なわれ大成功を収めヨーロッパの演奏旅行でも3楽章をアンコールで弾くほどの人気ぶりだったようです。

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第1楽章
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明るく華やいだ雰囲気の第1主題に対して、もう1つの主題は叙情的な性格をもっております。 展開部では独奏部が極めて技巧的に書かれておりフラメンコ的な東洋風の雰囲気をたたえております。 終結部もリズミックで華やかな終結部です。

第2楽章
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まず独奏部が非常に長く歌謡的な主題を発展させていきます。 右手の旋律は4分の3拍子で左手の伴奏部は8分の3拍子というこのパターンがこの楽章の大きな特徴となっております。

第3楽章
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ピアノの無窮動的な動きに始まり明るく賑やかなフィナーレが形造られていきます。 サン=サーンスの協奏曲を思わせる華麗さがあります。

ラヴェル ピアノ協奏曲 ト長調♫~アルゲリッチ(ピアノ)、デュトワ指揮

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ミケランジェリ

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ジャン・ドワイアン

ブログ ラヴェル「鏡」♪の後半にラヴェルの生家の写真が載っております。


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