2016_01
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(Sun)09:55

グリーグ ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ短調 作品45

グリーグ(1843~1907)は北欧のショパンと呼ばれたノルウェーの作曲家ですが、ノルウェーの民族音楽から着想を得て国民学派の作曲家として注目されました。

グリーグは1858年から3年半の間ドイツのライプツィヒ音楽院で作曲とピアノを学んだ後1863年から3年間デンマークのコペンハーゲンに居住しニルス・ゲーゼに作曲を学び、ヴァイオリン・ソナタ第1番などの初期の作品はこの頃作られました。

妻はいとこのソプラノ歌手のニーナ・ハーゲルップで結婚した後の歌曲はほとんどニーナ夫人のために作曲されております。

1867年現オスロのフィルハーモニー協会の指揮者に就任いたします。

1877年からノルウェーの旧首都のベルゲン東方のハダンゲル地方に住み民族音楽・民族楽器に傾倒していきます。

42歳の時ベルゲン近郊のトロールハウゲン(妖精の丘)に住家を建築しベルゲン出身でデンマークで活躍した劇作家ホルベア(1684~1754)の生誕200年のためにピアノ組曲「ホルベアの時代から」を作曲いたします。

グリーグは1867年まだ20歳代前半の若い時に第2番のヴァイオリン・ソナタを作曲して以降、20年近くヴァイオリン・ソナタを作曲しておりませんでした。 若い頃はドイツ流・デンマーク流とノルウェー要素の折衷の手法をとっておりましたが、後半生にはノルウェーの山峡地帯での生活体験から得たノルウェ―気質を作品に反映させるようになっていきました。

彼は1885年42歳の時にベルゲンの東南およそ10キロほどの小規模なフィヨルド状入り江に面したトロウドハウゲンに瀟洒な家を建て生活の本拠としましたが、移住の翌年若いイタリアの女流ヴァイオリニストのテレジーナ・トゥアが訪れます。 そのヴァイオリンを聴いてグリーグはノルウエイの伝説の中に出てくる妖精が民族楽器のフィッドルを演奏する姿を連想し「フィッドルの小妖精」と呼んだくらい感動いたします。

そこで彼女に弾いてもらうべくヴァイオリン・ソナタ第3番を作曲するのですが、実際に初演したヴァイオリニストも献呈された人物も別の人物で、初演はライプツィヒのゲヴァントハウス・コンサートでロシアの高名なヴァイオリニストとグリーグのピアノで初演されました。

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グリーグは堅固に身に付けていたドイツ古典の基盤の上に創造のファンタジーを展開させ急ー緩ー急の3楽章構成のヴァイオリン・ソナタ第3番を作曲致しましたが第1楽章は情熱的で協奏曲風の趣をたたえています。
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第2楽章はノルウェーの民族色豊かなロマンスです。
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第3楽章は室内交響曲風の趣を持つ終曲です。
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グリーグ ヴァイオリン・ソナタ第3番♫~アシュケナージ(ピアノ)、アレクサンダー・ラブコ(ヴァイオリン)
グリーグ ヴァイオリン・ソナタ第3番♫~ギンズブルク(ピアノ)、コーガン(ヴァイオリン)


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