フォーレ 夜想曲(ノクターン)

ガブリエル・フォーレ(1845~1924)の作品のピアノ曲を眺めると即興曲、舟歌、そして夜想曲(ノクターン)などまるでショパンを思わせる題名の曲が並んでいることに誰でもが気付くと思います。

ショパンと同じように詩的な世界に生き、ピアノでそのデリケートな世界を表現しようとしたフォーレのショパンへのオマージュであると思われますが、その中でもフォーレはノクターンを生涯に渡って書いており、その関心の度合いが伝わってまいります。

フォーレのノクターンはその名称や表現上の特質などショパンのノクターンなくしては考える事はできませんが、しかしショパンとフォーレとでは必ずしも同質のものと言えることはできません。

ロマン派の時代に生きたショパンのノクターンは夢見るような甘い感傷が歌われそれが大きな魅力ですが、それに対してフォーレのノクターンはあからさまな心情の吐露からは少し遠ざかっております。 フォーレが教会音楽学校であるニーデルメイエール校で学んだ事や教会オルガニストを長く務めていた事でグレゴリオ聖歌を土台とするフランス伝統の教会対位法やバッハ作品に親しんだ事がフォーレのノクターンの様式に大きな影響を持ったと考えられます。 しかし流れている歌心はショパンに通じるものがありますので、フォーレのノクターンは演奏者に感情と知性のバランスを求められこれが難しい原因となっております。

さてフォーレは9歳の時からパリのニーデルメイエール古典宗教音楽学校で学んだフランスの作曲家ですが、1861年からは教師としてやってきたサン=サーンスにピアノと作曲を師事しております。

後パリのマドレーヌ教会で首席オルガニストとなり1896年からはマスネの後任としてパリ国立高等音楽院の作曲家の教授となり、ラヴェル、デュカス、エネスクらを育てております。

フォーレの音楽は便宜的に初期・中期・晩年の3期に分けられることが多いですが、初期の作品では明確な調性と拍節感のもとで清新な旋律線が際立っております。 旋律を歌わせるのにユニゾン、伴奏形には装飾的なアルペジオが多用されますが、音色の効果や装飾性の域を脱するものではありません。

中期になると初期の曲に見られる外面的な要素は影を潜めより簡素化された語法へと変化しております。 拍節感は崩れ内声部があいまいな調性で進行しております。

1900年後半からは晩年と見られます。 耳の障害が始まり扱う音域も狭くなり調性感はより希薄になっていきます。

フォーレのノクターンは全部で13曲あり1番は1875年に書かれ13番は1921年に書かれておりフォーレの活動時期の全てに渡っております。 1番から5番は初期の作品になります。 6番から8番が中期の作品ですが、5番と6番の作曲時期には10年の隔たりがありフォーレのスタイルの変化を明らかに反映いたしております。 9番は1908年にかかれ9番から13番は晩年の作品になります。 

ノクターン第13番はフォーレのピアノ作品の最後の作品であり、またピアニストのマルグリッド・ロンはノクターン第6番を「フォーレの最も美しいインスピレーション」と評しております。

以前フィールドとショパンとフォーレのノクターンについてブログを書いた事がございますのでそちらも↓合わせてお読み頂けたらと思います。

参考ブログ
フィールド、ショパン、フォーレのノクターンについて


フォーレ ノクターン全集
フォーレ ノクターン6番・13番♫~イヴォンヌ・ルフェビュール

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エヴァ・ポブウォッカ


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プロフィール

谷真子 masakotani

Author:谷真子 masakotani
東京音楽大学卒業

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奈良市学園前

ピアニスト谷真子公式サイト
http://masakotani.co
奈良市学園前 谷真子ピアノ教室 教室ブログ「musica」
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