2016_02
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(Wed)08:28

ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ ト長調/Ravel Pavane pour une Infante Defunte G-Dur

「亡き王女のためのパヴァーヌ」はフランスの作曲家M.ラヴェル(1875~1937)が1899年パリ音楽院在学中に作曲したラヴェルの初期を代表する傑作のピアノ曲です。

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1902年サル・プレイエルでの国民音楽協会主催のリサイタルでリカルド・ビニェスによって「水の戯れ」とともに初演され、パトロンであったポリニャック公爵夫人に献呈されております。

1910年にはラヴェル自身が管弦楽曲に編曲いたしております。
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ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ♫~管弦楽版


ルーブル美術館所蔵の17世紀スペインの宮廷画家ベラスケスが描いたマルガリータ王女の肖像画からインスパイアされて作曲したとされております。

ラヴェルによると、「亡き王女」というタイトルはフランス語ではinfante defunteとなり言葉の韻を踏むフランス語の響きの美しさから命名したもので、「亡くなった王女の葬送の哀歌」ではなく「スペインの宮廷で小さな王女が踊ったパヴァーヌ」だとしております。

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パヴァーヌ
スペインに起源を持つ16世紀初頭の宮廷舞曲。 16世紀から17世紀にかけてヨーロッパの宮廷で普及していた。
パヴァーヌ 舞踊映像


この古風な曲は歴史上の特定の王女に捧げて作られたものではなく、スペインへのノスタルジアを表現したものと考えられ、この表現はラヴェルの他の作品や、同年代の作曲家の作品にも見られます。

世間からはこの曲は大きな評価を受けましたが、周りの音楽家からはあまり評価されず、またラヴェル自身も「私はこの曲には多くの欠陥のあることを強く感じている。 余りにもシャブリエの影響が明らかだし形式もかなり貧弱だ。」と言っておりますが、のちに自身で管弦楽に編曲している所からラヴェル一流のシニスムとも思えます。

優雅でラヴェルらしい繊細さを持つ美しい小品であり、多くの編曲者によりピアノと独奏楽器のデュオ、弦楽合奏など様々に編曲されアンコールとしてもしばしばとりあげられます。

ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ♫~ラヴェル
ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ♫~チェルカスキー
ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ♫~リヒテル
ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ♫~フランソワ

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ペルルミュテール

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阿部裕之先生

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ギーゼキング

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パスカル・ロジェ

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モニク・アース

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ポール・クロスリー


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