2017_01
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(Wed)09:36

シューマン パピヨン 作品2/Schumann Papillons Op.2

シューマンの「パピヨン」はシューマンが1829年から1831年のピアニストとしての活動を始めた直後のピアノ作品です。

タイトルとなっている”パピヨン”はドイツの詩人ジャン・パウルの文学の中で良く現れるロマン的な詩的理念の象徴ですが、シューマンはこのジャン・パウルに強く憧れ彼の詩を愛読しておりました。

シューマンの「パピヨン」はジャン・パウルの小説の「生意気ざかり」の最後の仮面舞踏会を音で表した曲ですが、家族に宛てた手紙の中でもそのように記しております。

夢想家のヴァルトと情熱家のヴルトという双子の兄弟が一人の女性に恋をし仮面舞踏会の一夜、二人は彼女がどちらを選ぶのか見極めようとします。

曲は6小節の序奏と12曲から構成されております。

序奏
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第1曲「仮面舞踏会」
ドルチェで仮面舞踏会の旋律が提示されます。 この旋律は後の「謝肉祭」の第6曲の「フロレスタン」にも引用されています。
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第2曲「ヴァルト」
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第3曲「ヴルト」
ヴァルトおよびヴルトは、小説に登場する双子の兄弟の名です。 ヴァルトは夢想家、ヴルトは行動家です。
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第4曲「仮面」
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第5曲「ヴィーナ」
ヴィーナは小説に登場する女性の名です。
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第6曲「ヴルトの踊り」
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第7曲「仮面の交換」
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第8曲「告白」
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第9曲「怒り」
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第10曲「仮面を脱ぐ」
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第11曲「大急ぎ」
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第12曲「終景と帰り行く兄弟たち」
朝6時の鐘が鳴ると音楽はディミヌエンドしてppで終わります。 「謝肉祭」の終曲にも使われているメロディと第1曲の仮面舞踏会の旋律が絡み合います。
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シューマン パピヨン♫~リヒテル
シューマン パピヨン♫~アラウ
シューマン パピヨン♫~デームス
シューマン パピヨン♫~ペライア


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