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2015_08
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(Mon)07:26

メンデルスゾーンのピアノ独奏曲、ピアノ三重奏曲、ヴァイオリン協奏曲、歌曲

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モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

メンデルスゾーン(1809~1847)と聞けば私がまず思い出すのは「無言歌集」ですが、子供の時にこの楽譜を先生から頂いた時はまるで一冊の絵本のようにファンタジックに感じました。 無言歌はドイツ語ではLied Ohne Worte(言葉のない歌)と言いますが、まさしく歌詞のない器楽のための歌でメンデルスゾーン自身が付けた名前です。
アンドラーシュ・シフ
ロマン派の時代に無言歌集のようなピアノ小品が多く作られるようになったのは、近代的なアクションを持つピアノ構造の基礎が1823年に確立した事が大きく影響しています。 この時、リストは12歳、ショパンとシューマンが13歳、メンデルスゾーンが14歳ですからロマン派の作曲家達が活躍する頃には、近代的な構造を持つ性能の良いピアノが広く普及していたわけです。

ロマン派の作曲家を演奏する時は、この事も考慮に入れなくてはいけないと思います。

さて無言歌集の中のOp.67ー4の「紡ぎ歌」は、私が小5の時の第9回日本ピアノ教育連盟ピアノ・オーディションで全国優秀者演奏会に出演した時の予選の課題曲の一曲でしたし、翌年の第47回全日本学生音楽コンクール小学校の部大阪大会で入選した時の予選の課題曲の一曲でもありました。 ですから楽譜がぼろぼろになるほど練習した曲ですが、糸を紡ぐ車のイメージを表現した曲ですのでプレストの指示通り大変速い曲で高度なテクニックを要求される曲です。

メンデルスゾーン「無言歌集」より紡ぎ歌Op.67-4♫~ダニエル・バレンボイム(楽譜付き)

メンデルスゾーン「無言歌集」より紡ぎ歌Op.67-4♫~エミール・ギレリス(映像あり)




次にメンデルスソーンの思い出の曲は小学4年の発表会で弾いた「3つのエチュード 作品104b」です。 大変ヴィルトゥオーゾな曲ですので子供心に嬉しく張り切って練習した思い出があります。
ニキタ・マガロフ
 
メンデルスゾーン「3つのエチュード 作品104b」♫~ニキタ・マガロフ

このように難易度の高いエチュードを体の柔らかい小さい間に弾く事で将来ピアニストとして必要なテクニックが養われていくのだと思います。 ちなみに演奏しているニキタ・マガロフはマルタ・アルゲリッチの先生ですが、その端正なピアノを母が好んでいたらしく私がこの曲を練習している期間は良く家の中で上のマガロフのCDがかかっておりました。




次は私の好きなメンデルスゾーンの作品をご紹介しようと思います。 まずはメンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64」です。 有名な曲ですので皆さんご存知だとは思いますが、私もCDが擦り切れるほど良く聴いています。
グリュミオー

メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」♫~Violin Sayaka Shoji




次は私の好きなメンデルスゾーンの歌曲をご紹介します。 これも学校の音楽の授業等で良く使われますので皆さんすでにご存じだとは思います。 歌詞はドイツの詩人ハイネの詩によるものですが、タイトルはメンデルスゾーンが付けたものです。
歌の翼に
歌の翼に

メンデルスゾーン歌曲「6つの歌作品34」から「第2曲歌の翼に」♫~エディタ・グルベローヴァ




次にご紹介するのはメンデルスゾーンピアノ三重奏曲です。  メンデルスゾーンはドイツロマン派の作曲家・指揮者・ピアニスト・オルガニストですが、1839年メンデルスゾーン自身のピアノで初演されたのが4楽章からなる「ピアノ三重奏曲第1番ニ短調作品48です。 メンデルスゾーンはピアノの名手だったためにピアノのパートが高度な技巧を要求され聴く以上にピアノの人は大変な思いをして弾いております。 晩年の1845年に作曲されたのがやはり4楽章からなる「ピアノ三重奏曲第2番ハ短調作品66」です。 第1番はシューマンにベートーヴェン以来のピアノ三重奏だと絶賛されましたが、晩年に作曲された第2番はそれ以上の作品だと言われています。
メンデルスゾーンピアノ三重奏曲
メンデルスゾーンピアノ三重奏曲

いつもお世話になっている芦屋のサロン・クラシックのオーナーの中西淳子さんから来年メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番と第2番の両方をしてみたらどうかとお声をかけて頂きましたので、今阿部先生にレッスンをして頂いて勉強をしております。

[#またコンサートの日程が確定致しましたらホームページやブログでお知らせさせて頂きますので、その折は多くの方のご来場をお待ち申し上げております。#]
 
メンデルスゾーンピアノ三重奏曲第1番
メンデルスゾーンピアノ三重奏曲第1番♬~キーシン、マイスキー
メンデルスゾーンピアノ三重奏曲第2番♫~レフ・オヴォーリン(ピアノ)、スヴェトスラフ・クヌシェヴィツキー(チェロ)、ダヴィッド・オイストラフ(バイオリン)


名曲ですので楽しみにお待ち下さい。

(門下の方は上でご紹介したメンデルスゾーンのCDをお貸しします。 他に1835年メンデルスゾーン自身が指揮者に就任したライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団演奏のオラトリオ「エリア」のCDもございます。 これはハイドンの「天地創造」、ヘンデルの「メサイア」とともに三大オラトリオと言われていますが、メンデルスゾーンの宗教音楽の作曲家としての一面も良く知れる作品です。 受付までお尋ね下さい。)
オラトリオ「エリア」
ヘンデル「メサイア」


明日はメンデルスゾ―ンが1829年20歳の時、バッハの死後初めてベルリンで復活上演させたバッハの「マタイ受難曲」について書きます。




















 
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