2015_09
05
(Sat)18:12

モーツァルト/ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 第28番 ホ短調 K.304

MESSAGE
モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

今日はモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ第28番ホ短調K.304について書きます。

モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ第25,28,33,29,20番
スコダとバリリ
ワルター・バリリ(ヴァイオリン)、パウル・バドゥーラ=スコダ(ピアノ)

実はもともとはこのCDは母が好きで毎日のように良くかけていたCDです。 

私が高2の夏休みの事ですが、韓国で行われた「ユーロ国際音楽セミナー」という音楽祭に参加した事があります。 (この音楽祭の事は昨日公開した新ホームページのMy Historyの項目の高2の欄に、招聘された教授のコンサートのチラシやスタッフの方との写真などを載せておりますが、)韓国の方が「ヨーロッパから教授をお呼びし音楽祭を開く」という企画を計画され、日本の学生にも参加を呼びかけられたものです。
’98 EURO INTERNATIONAL MUSIC FESTIVAL
研修場所はソウルから3時間離れたピョンチャンにある景色の綺麗なリゾート地のPHOENIX PARKでした。

その終了コンサートで、ドイツのオーケストラでプロでお仕事をされている日本人の女性ヴァイオリニストの方(研修者)とモーツァルトのヴァイオリン・ソナタを共演する事になり、頂いた楽譜を見たら何と聴き覚えのあるモーツァルトのヴァイオリン・ソナタホ短調だったのです。


それ以来、私にとっても愛聴盤のCDとなりました。 子供が連弾で楽しめるように簡単に編曲された楽譜もありますので、発表会の時に生徒と連弾をしたりして楽しんだりもしている曲です。 聴かれたら殆んどの方がご存じだとは思いますがyou tubeとリンク致します。

Shoji Sayaka(ヴァイオリン)、イタマール・ゴラン(ピアノ)
https://www.youtube.com/watch?v=t6-TwHRcvrI

Kagan(ヴァイオリン)、リヒテル(ピアノ)
https://www.youtube.com/watch?v=PbvuSZBiBqE 

グリュミオー(ヴァイオリン)、ハスキル(ピアノ)
https://www.youtube.com/watch?v=GNuqN65L99Q

モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ第28番 ホ短調 K.304
グリュミオーとハスキル
クララ・ハスキル(ピアノ)、アルテュール・グリュミオー(ヴァイオリン)
グリュミオーのビロードのようなヴァイオリンの音色が耳に残ります。

ところで良くモーツァルトヴァイオリン・ソナタと言iいますが、正しくは「Sonata in E minor, K.304 for piano and violin」です。 モーツァルト自身は「Six Sonates pour Clavecin ou Forte Piano avec accompagnement d'un Violin」とタイトルを付けています。 つまり「ヴァイオリンの伴奏を伴ったKlavierのためのソナタ」です。 モーツァルトの時代はヴァイオリンは伴奏でピアノ(モーツァルトはKlavierと呼んでいます)のためのソナタですが、ピアノと言っても現在のモダンピアノとは違います。

MESSAGEの写真に私が使っている写真が、モーツァルトの使用していたKlavierです。 左がクラヴィコードで右がフォルテピアノです。 現代のモダンピアノに比べたら簡素に聴こえる響きのKlavierにヴァイオリンの伴奏が伴うというのが当時を再現したイメージかもしれません。

28番ホ短調は1778年頃に作曲されたもので「マンハイム=パリ・ソナタ」と呼ばれる6曲のソナタの中の1曲ですが、 同時期に作曲されたピアノ曲ではピアノ・ソナタ8番イ短調があります。

1778年はモーツァルトが母を亡くした年ですのでどちらもモーツァルトには珍しい短調を使っているのは関係があるのではと言われています。

モーツァルト ピアノ・ソナタ8番イ短調 K.310 1楽章~イングリッド・ヘブラー 
https://www.youtube.com/watch?v=fNtKcQV1DYY

モーツァルト ピアノ・ソナタ8番イ短調 K.310 2楽章~イングリッド・ヘブラー
https://www.youtube.com/watch?v=WDeDUPBHH9w

モーツァルト ピアノ・ソナタ8番イ短調 K.310 3楽章~イングリッド・ヘブラー
https://www.youtube.com/watch?v=yDUiSvW1J04

明日はモーツアルトの交響曲第41番「ジュピター」を中心に書こうと思います。