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2016_01
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(Thu)09:17

フランク プレリュード、コラールとフーガ ロ短調/Franck Prelude, Chorale et Fugue h-moll

60歳を過ぎて名作を発表したフランク(1822~1890)は、ベルギーのリエージュ生まれながら、パリに住み「近代フランス音楽の父」と呼ばれるほどフランス音楽界に深い影響を与え、大器晩成の音楽家と思われております。

しかし実はかれは早熟の音楽家で幼時からピアノに才能を示し神童として各地に演奏旅行を果たしておりました。 19歳の時初めて出版した作品1もピアノ三重奏曲でした。 初期の出版作品としては他にロマン的かつヴィルトゥオーソ的なピアノ・ピースがあります。 しかしフランクは父に強いられたその生活が自分の本性と合わないことを自覚し、やがてそうした生活を放棄し1858年からはサン・クロティルド教会に勤め、合唱長、オルガン奏者、教会音楽の作曲者となりました。

フランクがピアノ音楽に対する興味を取り戻したのは1879年、初期の作品の「ピアノ三重奏曲第4番作品2」が発表後37年経って蘇演された時でした。 この年のうちに「ピアノ五重奏曲」を作曲し、1884年、62歳の時に「プレリュード、コラールとフーガ」を作曲したのでした。

初演は1885年1月下旬、国民音楽教会(パリ)の演奏会においてマリー・ポアトヴァン嬢により行われました。 発表当時、サン=サーンスのように「不体裁で弾きにくい曲」と評した人々もありましたが、やがてこの曲を「天才の所産」と呼んだアルフレッド・コルトーのような音楽家によってその真価が認められるようになりました。

この曲はバッハの「プレリュードとフーガ」を意識しているのは明らかで、メンデルスゾーンの「厳格な変奏曲」やリストの「バッハの名による幻想曲とフーガ」もお手本になっていると考えられます。

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プレリュード
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主要主題は初めから出てきますが、細かく美しいアルペジオで覆われております。 

コラール
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高音域に主題を歌わせながら和音をアルペジオで奏でていく手法が印象的です。

フーガ
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この主題はプレリュードやコラールの中ですでにしばしば予告された半音階的な下降旋律です。 かなり自由な構想で作曲されたフーガで、途中からコラールの旋律も使われており、詩的な余韻が漂っております。

フランク プレリュード、コラールとフーガ♫~キーシン
フランク プレリュード、コラールとフーガ♫~リヒテル
フランク プレリュード、コラールとフーガ♫~ホルショフスキー
フランク プレリュード、コラールとフーガ♫~デームス
フランク プレリュード、コラールとフーガ♫~フランソワ
フランク プレリュード、コラールとフーガ♫~ボレット

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ペライア

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