2017_10
14
(Sat)10:59

メンデルスゾーン ロンド・カプリッチョーソ ホ長調/Mendelssohn  Rondo capricciso E-dur Op.14



メンデルスゾーンの作品の中でも広く親しまれている曲の一つで、子どもの発表会でも良く演奏されますが、本来は洗練された技巧が要求される曲です。

メンデルスゾーンが21歳の時の作品です。

この曲はもともと、1828年、メンデルスゾーンがパリで出会った初恋の女性、デルフィン・フォン・シャウロス(ピアニスト)のために《ホ短調のエチュード》としてかかれたものですが、この《ホ短調のエチュード》に1830年、ホ長調の導入部を書き加えたものがこの《ロンド・カプリチョーソ》です。


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2016_01
22
(Fri)08:07

メンデルスゾーン 厳格な変奏曲 二短調 作品54/Mendelssohn 17 Variations serieuses Op.54

「厳格な変奏曲」はメンデルスゾーン(1809~1847)が1841年に作曲したピアノ独奏曲です。 メンデルスゾーンはロマン派に属しながら古典的な形式美に寄り添った作曲者らしく、変奏曲作品としてはベートーヴェンやモーツァルトの影響が強く、当時流行っていた「華麗な」変奏曲とは一線を画しております。

この曲はボンのベートーヴェン記念像の建立資金のためウイーンの出版社メケッティが企画したピアノ曲集「ベートーヴェン・アルバム」のために作曲されたもので、アルバムは1842年に出版されました。 メンデルスゾーンの他にショパン、チェルニー、リストら当時の人気作曲家たちが10名参加しております。

タイトルに付けられた「厳格な」(セリユーズ)という言葉はベートーヴェンの弦楽四重奏曲第11番作品95の「セリオーソ」との関係が暗示されます。 この他にもベート―ヴェンの「創作主題による32の変奏曲」と歌曲集「遥かな恋人に寄す」が念頭にあったと言われております。

メンデルスゾーンは同じ1841年に2つの変奏曲(作品82,83 死後出版)を続けて作曲しておりますが、メンデルスゾーンが残したピアノ独奏のための変奏曲は「厳格な変奏曲」を含めてこの3曲だけです。 「華麗な」変奏曲が流行っていた中で、メンデルスゾーンの慎重さがうかがえます。

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主題の提示と17の変奏とコーダから成り立っております。 謹厳な作曲者らしく主題は二短調のポリフォニックな二部形式の短い曲で、重々しい主題がまさにシリアス(厳格な)雰囲気を持ち、様々な技巧が用いられ、多彩な変奏曲に加工されております。 17変奏までありますが第14変奏以外は全て原調のままで、おおむね3連符、シンコぺーションを変奏の素材としております。 最終の変奏はプレストの劇的なコーダです。

メンデルスゾーン 厳格な変奏曲♫~ブレンデル
メンデルスゾーン 厳格な変奏曲♫~コルトー
メンデルスゾーン 厳格な変奏曲♫~リヒテル
メンデルスゾーン 厳格な変奏曲♫~ホロヴィッツ
メンデルスゾーン 厳格な変奏曲♫~ツイメルマン

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ブレンデル

私の好きなメンデルスゾーンの曲についてのブログ


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2015_12
22
(Tue)06:44

メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 作品49

フェリックス・メンデルスゾーン(1809~1847)はモーツアルトと同じく神童と称されたドイツロマン派の作曲家ですが、1829年20歳の時バッハの「マタイ受難曲」の公開演奏をバッハの死後初めて行ってバッハの音楽の復興に寄与したり、ライプツィヒ音楽院(作曲とピアノの教授はロベルト・シューマンに依頼)を設立するなど19世紀の音楽界に大きな影響を与えた作曲家・指揮者です。

シューマンは「19世紀のモーツアルト。 最も輝かしい音楽家。」とメンデルスゾ―ンを称えますが、ユダヤ人の家系だったため言われなき迫害を受けます。 しかしそれにも関わらず19世紀ドイツ音楽界の重鎮として君臨致しておりましたが、死後反ユダヤ主義のあおりを受けて過小評価をされておりました。 今日は再評価をされ素晴らしい作品は多くの演奏家によって数多く演奏されております。

ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 作品49は1839年9月23日に完成いたしましたが、初演はメンデルスゾーンのピアノ、友人のフェルディナンド・ダヴィッドのヴァイオリンによって行われました。 1840年一度出版されましたがダヴィッドのアドヴァイスで4楽章を修正し現在はその第2版の方が演奏されております。

メンデルスゾーンはピアノの達人だったため作品49ではピアノの部分に高度な技巧が要求され、また作曲家のフェルディナンド・ヒラーの助言を得てピアノ・パートをよりロマン派風のシューマン的様式に書いているため、高度な演奏効果があります。

シューマンはこの曲を「ベートーヴェン以来、最も偉大なピアノ三重奏曲」と評価いたしております。

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第1楽章 モルト・アレグロ・アジタート
1

第2楽章 アンダンテ・コン・モート・トランクィロ
2

第3楽章 スケルツォ レッジェーロ・アッサイ・ヴィヴァーチェ
3

第4楽章 フィナーレ アレグロ・アッサイ・アパッショナート
4

メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲第1番 第1楽章♫~ランラン
メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲第1番 第2楽章♫~ランラン
メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲第1番 第3楽章♫~ランラン
メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲第1番 第4楽章♫~ランラン
メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲第1番 第1楽章♫~ルービンシュタイン
メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲第1番 第2楽章♫~ルービンシュタイン
メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲第1番 第3楽章♫~ルービンシュタイン
メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲第1番♫~アックス、ヨーヨーマ、パールマン
メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲第1番♫~オボーリン
メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲第1番♫~キーシン
メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲第1番♫~プレヴィン、ハレル、ムター
メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲第1番 第1楽章♫~コルトー
メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲第1番 第2楽章♫~コルトー
メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲第1番 第3楽章♫~コルトー
メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲第1番 第4楽章♫~コルトー
メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲第1番♫~中村紘子


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ホルショフスキー、カザルス、シュナイダー

参考ブログ♪メンデルスゾーンの様々な作品♪を合わせてお読み頂けたらと思います。


明日はベートーヴェンのピアノ三重奏曲について書きます。

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2015_08
31
(Mon)07:26

メンデルスゾーンのピアノ独奏曲、ピアノ三重奏曲、ヴァイオリン協奏曲、歌曲

MESSAGE
モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

メンデルスゾーン(1809~1847)と聞けば私がまず思い出すのは「無言歌集」ですが、子供の時にこの楽譜を先生から頂いた時はまるで一冊の絵本のようにファンタジックに感じました。 無言歌はドイツ語ではLied Ohne Worte(言葉のない歌)と言いますが、まさしく歌詞のない器楽のための歌でメンデルスゾーン自身が付けた名前です。
アンドラーシュ・シフ
ロマン派の時代に無言歌集のようなピアノ小品が多く作られるようになったのは、近代的なアクションを持つピアノ構造の基礎が1823年に確立した事が大きく影響しています。 この時、リストは12歳、ショパンとシューマンが13歳、メンデルスゾーンが14歳ですからロマン派の作曲家達が活躍する頃には、近代的な構造を持つ性能の良いピアノが広く普及していたわけです。

ロマン派の作曲家を演奏する時は、この事も考慮に入れなくてはいけないと思います。

さて無言歌集の中のOp.67ー4の「紡ぎ歌」は、私が小5の時の第9回日本ピアノ教育連盟ピアノ・オーディションで全国優秀者演奏会に出演した時の予選の課題曲の一曲でしたし、翌年の第47回全日本学生音楽コンクール小学校の部大阪大会で入選した時の予選の課題曲の一曲でもありました。 ですから楽譜がぼろぼろになるほど練習した曲ですが、糸を紡ぐ車のイメージを表現した曲ですのでプレストの指示通り大変速い曲で高度なテクニックを要求される曲です。

メンデルスゾーン「無言歌集」より紡ぎ歌Op.67-4♫~ダニエル・バレンボイム(楽譜付き)

メンデルスゾーン「無言歌集」より紡ぎ歌Op.67-4♫~エミール・ギレリス(映像あり)




次にメンデルスソーンの思い出の曲は小学4年の発表会で弾いた「3つのエチュード 作品104b」です。 大変ヴィルトゥオーゾな曲ですので子供心に嬉しく張り切って練習した思い出があります。
ニキタ・マガロフ
 
メンデルスゾーン「3つのエチュード 作品104b」♫~ニキタ・マガロフ

このように難易度の高いエチュードを体の柔らかい小さい間に弾く事で将来ピアニストとして必要なテクニックが養われていくのだと思います。 ちなみに演奏しているニキタ・マガロフはマルタ・アルゲリッチの先生ですが、その端正なピアノを母が好んでいたらしく私がこの曲を練習している期間は良く家の中で上のマガロフのCDがかかっておりました。




次は私の好きなメンデルスゾーンの作品をご紹介しようと思います。 まずはメンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64」です。 有名な曲ですので皆さんご存知だとは思いますが、私もCDが擦り切れるほど良く聴いています。
グリュミオー

メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」♫~Violin Sayaka Shoji




次は私の好きなメンデルスゾーンの歌曲をご紹介します。 これも学校の音楽の授業等で良く使われますので皆さんすでにご存じだとは思います。 歌詞はドイツの詩人ハイネの詩によるものですが、タイトルはメンデルスゾーンが付けたものです。
歌の翼に
歌の翼に

メンデルスゾーン歌曲「6つの歌作品34」から「第2曲歌の翼に」♫~エディタ・グルベローヴァ




次にご紹介するのはメンデルスゾーンピアノ三重奏曲です。  メンデルスゾーンはドイツロマン派の作曲家・指揮者・ピアニスト・オルガニストですが、1839年メンデルスゾーン自身のピアノで初演されたのが4楽章からなる「ピアノ三重奏曲第1番ニ短調作品48です。 メンデルスゾーンはピアノの名手だったためにピアノのパートが高度な技巧を要求され聴く以上にピアノの人は大変な思いをして弾いております。 晩年の1845年に作曲されたのがやはり4楽章からなる「ピアノ三重奏曲第2番ハ短調作品66」です。 第1番はシューマンにベートーヴェン以来のピアノ三重奏だと絶賛されましたが、晩年に作曲された第2番はそれ以上の作品だと言われています。
メンデルスゾーンピアノ三重奏曲
メンデルスゾーンピアノ三重奏曲

いつもお世話になっている芦屋のサロン・クラシックのオーナーの中西淳子さんから来年メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番と第2番の両方をしてみたらどうかとお声をかけて頂きましたので、今阿部先生にレッスンをして頂いて勉強をしております。

[#またコンサートの日程が確定致しましたらホームページやブログでお知らせさせて頂きますので、その折は多くの方のご来場をお待ち申し上げております。#]
 
メンデルスゾーンピアノ三重奏曲第1番
メンデルスゾーンピアノ三重奏曲第1番♬~キーシン、マイスキー
メンデルスゾーンピアノ三重奏曲第2番♫~レフ・オヴォーリン(ピアノ)、スヴェトスラフ・クヌシェヴィツキー(チェロ)、ダヴィッド・オイストラフ(バイオリン)


名曲ですので楽しみにお待ち下さい。

(門下の方は上でご紹介したメンデルスゾーンのCDをお貸しします。 他に1835年メンデルスゾーン自身が指揮者に就任したライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団演奏のオラトリオ「エリア」のCDもございます。 これはハイドンの「天地創造」、ヘンデルの「メサイア」とともに三大オラトリオと言われていますが、メンデルスゾーンの宗教音楽の作曲家としての一面も良く知れる作品です。 受付までお尋ね下さい。)
オラトリオ「エリア」
ヘンデル「メサイア」


明日はメンデルスゾ―ンが1829年20歳の時、バッハの死後初めてベルリンで復活上演させたバッハの「マタイ受難曲」について書きます。